嘘には酔わない
書籍紹介
逢いは二度のほうが、ドラマチックだ
初めて東京のバーに入った小柴祥吾は、そこで沢口という男と出逢った。コテコテの関西人の祥吾は都会的に洗練された沢口に憧れるが、顔はいいのにイケズな沢口にまんまとだまされて酔わされた。気がついたらホテルで、沢口のテクニックに感じまくってしまっていた。さらに翌朝出社した祥吾の前に、新しい上司として現れたのは、昨夜の男・沢口浩文だった。仕事もでき、女にももてまくるのに、隙あらば沢口は甘く口説いてきて――。
立ち読み
「あっ、……んん?」
なんで? なんで、沢口さんが俺にキス? 濡れてる物体って、沢口さんの舌?
舌先が上あごをぞろりと舐め上げた瞬間、体中から力が抜けて、クタッとなってし
もた。
「ここ、感じる場所みたいだね?」
俺のこんな様子に、唇をやっと離した沢口さんが満足げに微笑んではる。
「……はぁ、はぁ」
まだアルコールの残ってる頭では、どうにも状況が把握しきれてへん。
そんな状態やっていうのに、俺は不覚にも目の前の沢口さんの裸体の見事さに、目が釘づけになってしもてた。左右対称の綺麗な骨格に、バランスよく鍛えられた筋肉……。
俺、店を出るときに抱え上げられて、お姫様だっこってヤツをされてしもてた?
俺にとってそれはかなり衝撃的な疑問で、質問しようにも質問しづらい。半分涙目になりながら、知りたいけど知りたくない……と、沢口さんを眺め続けてしもてた。
「……その潤んだ目は、わざと?」
ため息混じりのやや呆れた声で、沢口さんが俺に聞いてくるけど、
「……わざとって?」
わざと涙ぐめるような便利体質してたら、とっくに有効活用してるわ。
なんで? なんで、沢口さんが俺にキス? 濡れてる物体って、沢口さんの舌?
舌先が上あごをぞろりと舐め上げた瞬間、体中から力が抜けて、クタッとなってし
もた。
「ここ、感じる場所みたいだね?」
俺のこんな様子に、唇をやっと離した沢口さんが満足げに微笑んではる。
「……はぁ、はぁ」
まだアルコールの残ってる頭では、どうにも状況が把握しきれてへん。
そんな状態やっていうのに、俺は不覚にも目の前の沢口さんの裸体の見事さに、目が釘づけになってしもてた。左右対称の綺麗な骨格に、バランスよく鍛えられた筋肉……。
俺、店を出るときに抱え上げられて、お姫様だっこってヤツをされてしもてた?
俺にとってそれはかなり衝撃的な疑問で、質問しようにも質問しづらい。半分涙目になりながら、知りたいけど知りたくない……と、沢口さんを眺め続けてしもてた。
「……その潤んだ目は、わざと?」
ため息混じりのやや呆れた声で、沢口さんが俺に聞いてくるけど、
「……わざとって?」
わざと涙ぐめるような便利体質してたら、とっくに有効活用してるわ。
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