世界で一番の恋をしよう!II
書籍紹介
俺、今日はダメな日なんだ! また今度にしよう!
慰めているワケでも、同情でもない──いずみを抱きしめ、キスした八尋は確かにそう言った。だんだんと軟化する八尋の態度に期待してしまう反面、はっきり言葉を貰っていないいずみの不安は募り…。
立ち読み
どうしよう、気持ちいい。
このまま久志と寝てしまうのかなと、よくわからない思考でぼんやりと思う。
「高瀬……」
囁く久志の低く掠れた声も、眉を寄せた表情も、色っぽい。
「高瀬、いいか?」
「え、な…に……?」
夢を見るような曖昧な眼差しで、いずみは無意識に久志の腕に指を這わせる。
「俺と、寝てもいい?」
思い詰めたような久志の言葉の響きに、蕩けるような濃密な空気の中でいずみは微笑もうとした。
ああ、うん、八尋と寝ていいよ。
だって、俺は、八尋が好きだから。
スキダカラ。そう思った瞬間に、ふいにドクンと耳許で大きく鼓動が脈打った。
甘い感触が、スッと足下から一瞬の波のように引いていく。つま先が冷たく固まる。
どうしてなのか、自分でもわからない。
久志の顔が急に暗く見えなくなったような気がして、あの五月の視聴覚教室がフラッシュバックする。
「あ……」
久志の指がいずみのシャツを大きく捲ってまさぐった。いずみが息を呑む。
このまま久志と寝てしまうのかなと、よくわからない思考でぼんやりと思う。
「高瀬……」
囁く久志の低く掠れた声も、眉を寄せた表情も、色っぽい。
「高瀬、いいか?」
「え、な…に……?」
夢を見るような曖昧な眼差しで、いずみは無意識に久志の腕に指を這わせる。
「俺と、寝てもいい?」
思い詰めたような久志の言葉の響きに、蕩けるような濃密な空気の中でいずみは微笑もうとした。
ああ、うん、八尋と寝ていいよ。
だって、俺は、八尋が好きだから。
スキダカラ。そう思った瞬間に、ふいにドクンと耳許で大きく鼓動が脈打った。
甘い感触が、スッと足下から一瞬の波のように引いていく。つま先が冷たく固まる。
どうしてなのか、自分でもわからない。
久志の顔が急に暗く見えなくなったような気がして、あの五月の視聴覚教室がフラッシュバックする。
「あ……」
久志の指がいずみのシャツを大きく捲ってまさぐった。いずみが息を呑む。
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