過激にハプニング
書籍紹介
諦めろ。オレはそういうのが好きなんだよ
相変わらず騒動の元であるシキュリールは魔界後継者として試練の洞窟へ向かう統摩に同行させられ、魔界から厄介払いされてしまう。なぜか統摩に不遜な態度のカイまで一緒で!?
立ち読み
「う、んっ……」
せめて声だけでも出すまいとするのだが、やはりそれにも限界があった。
懸命に口を押さえても殺しきれないものがあるし、何よりもその手から力が抜けがちである。
こうなったらもう、カイが気づかないことを祈るのみだ。
いくらなんでもそんなはずはないだろうと思いながら、ぐっすり眠っていたらもしかして…と希望を抱かずにはいられなかった。
どうせもう、シキュリールに統摩はとめられない。
それに何よりも、シキュリールのほうも我慢したくなくなっていた。
「あ…ふっ……」
まるでシキュリールのその迷いを見透かしたように強く吸われ、何もかもがどうでもよくなりかけた。
もういいか…とすっかりその気になったところで、小さく…だが聞かせるための溜め息がフーッと聞こえてくる。
「やれやれ」
ボソリとしたカイの呟きに、シキュリールの体がビクリと震えた。
聞き間違いと思うにはあまりにもはっきりとしていたし、それが自分たちがしている行為に対するものだと分かる。
「や…やれやれって言った。今、やれやれって言った~っ」
「気のせいだ」
あんなにはっきりとした幻聴があるはずない。
「気のせいのわけあるか!」
「じゃあ、気にするな」
統摩はそんなことを言うが、気にならないほうがおかしい。
淫魔にしては極めて正常な道徳観の持ち主であるシキュリールにとって、起きているカイの隣でセックスするなど耐えられなかった。
「統摩、やだって!」
今度こそ声を殺さず怒鳴ると、統摩の眉が面白そうに吊り上がる。
「いいのか? 聞こえるぞ」
「どうせ起きてる」
「それもそうだ」
「………」
やはりまったく気にした様子がない。
シキュリールと違って観客がいるのをなんとも思わない統摩なので、カイが起きているのはなんの障害にもならなかった。
「ハッ!」
それどころか反対に喜んでいるかもしれないと考えて、シキュリールはガクリと肩を落とす。
非常に情けない気持ちになりながら、必死の面持ちで提案する。
「帰ったら、なんでもしてやるから……。だから、ここではやめよう。なっ?」
「なんでも?」
ニヤリと笑う統摩の邪悪な笑みがシキュリールを怯ませる。
せめて声だけでも出すまいとするのだが、やはりそれにも限界があった。
懸命に口を押さえても殺しきれないものがあるし、何よりもその手から力が抜けがちである。
こうなったらもう、カイが気づかないことを祈るのみだ。
いくらなんでもそんなはずはないだろうと思いながら、ぐっすり眠っていたらもしかして…と希望を抱かずにはいられなかった。
どうせもう、シキュリールに統摩はとめられない。
それに何よりも、シキュリールのほうも我慢したくなくなっていた。
「あ…ふっ……」
まるでシキュリールのその迷いを見透かしたように強く吸われ、何もかもがどうでもよくなりかけた。
もういいか…とすっかりその気になったところで、小さく…だが聞かせるための溜め息がフーッと聞こえてくる。
「やれやれ」
ボソリとしたカイの呟きに、シキュリールの体がビクリと震えた。
聞き間違いと思うにはあまりにもはっきりとしていたし、それが自分たちがしている行為に対するものだと分かる。
「や…やれやれって言った。今、やれやれって言った~っ」
「気のせいだ」
あんなにはっきりとした幻聴があるはずない。
「気のせいのわけあるか!」
「じゃあ、気にするな」
統摩はそんなことを言うが、気にならないほうがおかしい。
淫魔にしては極めて正常な道徳観の持ち主であるシキュリールにとって、起きているカイの隣でセックスするなど耐えられなかった。
「統摩、やだって!」
今度こそ声を殺さず怒鳴ると、統摩の眉が面白そうに吊り上がる。
「いいのか? 聞こえるぞ」
「どうせ起きてる」
「それもそうだ」
「………」
やはりまったく気にした様子がない。
シキュリールと違って観客がいるのをなんとも思わない統摩なので、カイが起きているのはなんの障害にもならなかった。
「ハッ!」
それどころか反対に喜んでいるかもしれないと考えて、シキュリールはガクリと肩を落とす。
非常に情けない気持ちになりながら、必死の面持ちで提案する。
「帰ったら、なんでもしてやるから……。だから、ここではやめよう。なっ?」
「なんでも?」
ニヤリと笑う統摩の邪悪な笑みがシキュリールを怯ませる。
おすすめの関連本・電子書籍
- プラチナ文庫
- 書籍詳細