過激にハプニング

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本価格:607(税込)

  • 本販売日:
    2003/06/25
    電子書籍販売日:
    2009/09/25
    ISBN:
    978-4-8296-5328-9
書籍紹介

諦めろ。オレはそういうのが好きなんだよ

相変わらず騒動の元であるシキュリールは魔界後継者として試練の洞窟へ向かう統摩に同行させられ、魔界から厄介払いされてしまう。なぜか統摩に不遜な態度のカイまで一緒で!?
立ち読み
「う、んっ……」
  せめて声だけでも出すまいとするのだが、やはりそれにも限界があった。
  懸命に口を押さえても殺しきれないものがあるし、何よりもその手から力が抜けがちである。
  こうなったらもう、カイが気づかないことを祈るのみだ。
  いくらなんでもそんなはずはないだろうと思いながら、ぐっすり眠っていたらもしかして…と希望を抱かずにはいられなかった。
  どうせもう、シキュリールに統摩はとめられない。
  それに何よりも、シキュリールのほうも我慢したくなくなっていた。
「あ…ふっ……」
  まるでシキュリールのその迷いを見透かしたように強く吸われ、何もかもがどうでもよくなりかけた。
  もういいか…とすっかりその気になったところで、小さく…だが聞かせるための溜め息がフーッと聞こえてくる。
「やれやれ」
  ボソリとしたカイの呟きに、シキュリールの体がビクリと震えた。
  聞き間違いと思うにはあまりにもはっきりとしていたし、それが自分たちがしている行為に対するものだと分かる。
「や…やれやれって言った。今、やれやれって言った~っ」
「気のせいだ」
  あんなにはっきりとした幻聴があるはずない。
「気のせいのわけあるか!」
「じゃあ、気にするな」
  統摩はそんなことを言うが、気にならないほうがおかしい。
  淫魔にしては極めて正常な道徳観の持ち主であるシキュリールにとって、起きているカイの隣でセックスするなど耐えられなかった。
「統摩、やだって!」
  今度こそ声を殺さず怒鳴ると、統摩の眉が面白そうに吊り上がる。
「いいのか?  聞こえるぞ」
「どうせ起きてる」
「それもそうだ」
「………」
  やはりまったく気にした様子がない。
  シキュリールと違って観客がいるのをなんとも思わない統摩なので、カイが起きているのはなんの障害にもならなかった。
「ハッ!」
  それどころか反対に喜んでいるかもしれないと考えて、シキュリールはガクリと肩を落とす。
  非常に情けない気持ちになりながら、必死の面持ちで提案する。
「帰ったら、なんでもしてやるから……。だから、ここではやめよう。なっ?」
「なんでも?」
  ニヤリと笑う統摩の邪悪な笑みがシキュリールを怯ませる。
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