過激にLOVE MODE
書籍紹介
愛されることが淫魔の才能
統摩と一緒に天界滞在中のシキュリールに発情期! シキュリー ルの体から媚薬に似た香気が放たれ、天界のあちこちで騒動が。元凶のシキュリール は牢獄へ!
立ち読み
寝室の扉を前にして一瞬足が止まったが、そこで理性が勝って引き返すということはで
きない。
ドアノブを掴み、カチャリと回してしまった。
ノックもなしで扉が開いたのに、統摩は驚くことをしない。
ラグノールが結界を抜けたときからその気配を探り、自分たちのいる寝室に向かってく
るのを感じていた。
なぜラグノールがそんな行動を取ったのか理由も分かる。
シキュリールを膝の上に抱え込んで揺さぶっていた統摩は、動きを止めることなくチラ
リとそちらのほうを見る。
「ラグノールか」
「………」
返事はない。
ラグノールの視線はシキュリールに吸い寄せられ、他はまるで目に入っていない状態だ
った。
それがなぜかは統摩にもよく分かっているので、責めるようなことはしない。
苦笑して、ただ出ていくように言った。
途中で止められてしまったシキュリールは、動かなくなった統摩を急き立てるように不
満の声を上げる。
「統摩、早くぅ」
だがその声の中には甘えと誘いとがたっぷりと含まれていて、ゾクリとするような艶が
ある。
鼻にかかった子供のようなしゃべり方のくせに、聞く者をそそる声だった。
「統摩ぁ」
「分かった、分かった。ちょっと待ってろ」
焦れて自ら腰を揺らすシキュリールを宥め、統摩はラグノールに言う。
「今日は、見学はなしだ。それどころじゃないんでな。……いや、今日だけじゃない…そ
うだな、あと一週間ばかりここには近づくな」
「………」
まったく聞いている様子を見せないラグノールに、統摩は眉を寄せる。
「ラグノール?」
名前を呼ぶがやはり反応はなく、シキュリールを見つめたままの視線はピクリとも動こ
うとしない。
きない。
ドアノブを掴み、カチャリと回してしまった。
ノックもなしで扉が開いたのに、統摩は驚くことをしない。
ラグノールが結界を抜けたときからその気配を探り、自分たちのいる寝室に向かってく
るのを感じていた。
なぜラグノールがそんな行動を取ったのか理由も分かる。
シキュリールを膝の上に抱え込んで揺さぶっていた統摩は、動きを止めることなくチラ
リとそちらのほうを見る。
「ラグノールか」
「………」
返事はない。
ラグノールの視線はシキュリールに吸い寄せられ、他はまるで目に入っていない状態だ
った。
それがなぜかは統摩にもよく分かっているので、責めるようなことはしない。
苦笑して、ただ出ていくように言った。
途中で止められてしまったシキュリールは、動かなくなった統摩を急き立てるように不
満の声を上げる。
「統摩、早くぅ」
だがその声の中には甘えと誘いとがたっぷりと含まれていて、ゾクリとするような艶が
ある。
鼻にかかった子供のようなしゃべり方のくせに、聞く者をそそる声だった。
「統摩ぁ」
「分かった、分かった。ちょっと待ってろ」
焦れて自ら腰を揺らすシキュリールを宥め、統摩はラグノールに言う。
「今日は、見学はなしだ。それどころじゃないんでな。……いや、今日だけじゃない…そ
うだな、あと一週間ばかりここには近づくな」
「………」
まったく聞いている様子を見せないラグノールに、統摩は眉を寄せる。
「ラグノール?」
名前を呼ぶがやはり反応はなく、シキュリールを見つめたままの視線はピクリとも動こ
うとしない。
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