ワガママなKISS
書籍紹介
どうして僕だけ特別かってこと?
昔の記憶がないまま幼なじみの凱と再会した要は、忘れられてい たと知った凱に縛られて最後までされてしまう。なにかと拘束する凱を、要は罵りつつも嫌いと思えず…。
立ち読み
「うわぁ―――っ!!」
悲鳴に近い叫びを上げて、要は拳を突き出してしまっていた。
―――やばっ。
相手は吹っ飛ばされて、床の上に大の字に転がる。
突然だっただけに、条件反射で思いっきりストレートを繰り出してしまった。
「悪いっ、ごめん! すまん!」
自分のしでかした行為を悟り、慌てて謝るものの、要は助け起こすどころか歩み寄りさ
えできない。
クラスメイトと正高で、本日分の自制心を使い果たしてしまったようだ。
下手な親切心で手を差し出しでもして、相手が掴まろうものなら、再度ブン殴ってしま
うだろう。
「いったー…」
骨は折れてないか、頭は打ってないか。
オロオロするばかりの要の前で、相手は自力で起き上がった。
その動作にも声音にも、思ったようなダメージは見受けられず、胸を撫で下ろす。
「…再会の挨拶だっていうのに、これはちょっと酷くないか?」
―――再会?
相手の言葉に引っかかるものがあったが、目の前の立ち上がる動作の滑らかさに、思わ
ず見惚れる。
長めの前髪をかきあげて、要に向き直った男は、その驚くほどに端整な顔立ちを綻ばせ
た。
悲鳴に近い叫びを上げて、要は拳を突き出してしまっていた。
―――やばっ。
相手は吹っ飛ばされて、床の上に大の字に転がる。
突然だっただけに、条件反射で思いっきりストレートを繰り出してしまった。
「悪いっ、ごめん! すまん!」
自分のしでかした行為を悟り、慌てて謝るものの、要は助け起こすどころか歩み寄りさ
えできない。
クラスメイトと正高で、本日分の自制心を使い果たしてしまったようだ。
下手な親切心で手を差し出しでもして、相手が掴まろうものなら、再度ブン殴ってしま
うだろう。
「いったー…」
骨は折れてないか、頭は打ってないか。
オロオロするばかりの要の前で、相手は自力で起き上がった。
その動作にも声音にも、思ったようなダメージは見受けられず、胸を撫で下ろす。
「…再会の挨拶だっていうのに、これはちょっと酷くないか?」
―――再会?
相手の言葉に引っかかるものがあったが、目の前の立ち上がる動作の滑らかさに、思わ
ず見惚れる。
長めの前髪をかきあげて、要に向き直った男は、その驚くほどに端整な顔立ちを綻ばせ
た。
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