あいつとスキャンダル
書籍紹介
僕のことがお気に召しませんか?
とある事情から家の中では女として過ごしている春香は、ライバル校の天敵・道前寺と見合いをするはめになってしまい!?
立ち読み
「お前も俺を騙してたんだから、お相子だろ。女のフリして見合いするなんて、立派な詐欺行為だぜ」
司にくいっと顎を持ち上げられて、春香は胸がどきっとなる。
「こっちにだって、事情があるんだよ。でなきゃ、女のフリなんかするもんか。お前のほうこそ、ずっと猫かぶってたじゃないか。今のお前が本当のお前だったら、周りも全部騙されているってことだろ」
顎を持ち上げていた司の手を払い除け、春香は口早に捲くしたてた。
「俺は、人生要領よく生きていくタイプなんだ」
自信満々なところは、気取っていても、素に戻っても変わらないらしい。
確かに司だったら、一生要領よく世の中を渡っていけそうだった。
「そうやって生きてきたおかげで、こんなラッキーが巡ってきたんだから、やっぱり自分に感謝すべきだよな」
「俺の弱みを握れたことが、そんなに嬉しいのか。お前だって、そんな二重人格だってこと、周りにバラされたくないだろ? だったらお相子じゃないか」
「弱み? そうか、これって春香の弱みだったのか。俺は別にバラされたって、全然平気だけど」
もしかして、また墓穴を掘ったのか?
司にくいっと顎を持ち上げられて、春香は胸がどきっとなる。
「こっちにだって、事情があるんだよ。でなきゃ、女のフリなんかするもんか。お前のほうこそ、ずっと猫かぶってたじゃないか。今のお前が本当のお前だったら、周りも全部騙されているってことだろ」
顎を持ち上げていた司の手を払い除け、春香は口早に捲くしたてた。
「俺は、人生要領よく生きていくタイプなんだ」
自信満々なところは、気取っていても、素に戻っても変わらないらしい。
確かに司だったら、一生要領よく世の中を渡っていけそうだった。
「そうやって生きてきたおかげで、こんなラッキーが巡ってきたんだから、やっぱり自分に感謝すべきだよな」
「俺の弱みを握れたことが、そんなに嬉しいのか。お前だって、そんな二重人格だってこと、周りにバラされたくないだろ? だったらお相子じゃないか」
「弱み? そうか、これって春香の弱みだったのか。俺は別にバラされたって、全然平気だけど」
もしかして、また墓穴を掘ったのか?
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