欲望という名のあいつ
書籍紹介
せっかく勇気を出して告白したのに……
受験生の惇は念願の一人暮らしにはりきっていた。だが、隣人の豊は大迷惑なとんでもないヤツで……。
立ち読み
力任せに強く抱きしめられたのなら、苦しいだの痛いだのと言って照れることができたけど、こんなに優しく抱きしめられてしまったら、どう反応を示したらいいのかわからなくなってしまう。
「ず…ずるいぞ」
「なにが?」
耳元で囁いてきた声色も初めて聞くような甘美なものだった。
「なんでも…ずるい」
「変な日本語だな」
それから、豊は自分の胸にオレを寄りかからせるような格好に体勢を変えていった。
「俺は惇を壊さなくてすんだんだな。ずうっとそれが怖かったんだよ」
そうしみじみと言われ、深い感動が心を埋め尽くしていく。
「そんなに簡単に壊れてたまるか…よ」
気恥ずかしさで茶化してしまおうかと思ったけど、豊から伝わってくるものはそれを許さなかった。
とても暖かくて────気持ちがいい。
「ず…ずるいぞ」
「なにが?」
耳元で囁いてきた声色も初めて聞くような甘美なものだった。
「なんでも…ずるい」
「変な日本語だな」
それから、豊は自分の胸にオレを寄りかからせるような格好に体勢を変えていった。
「俺は惇を壊さなくてすんだんだな。ずうっとそれが怖かったんだよ」
そうしみじみと言われ、深い感動が心を埋め尽くしていく。
「そんなに簡単に壊れてたまるか…よ」
気恥ずかしさで茶化してしまおうかと思ったけど、豊から伝わってくるものはそれを許さなかった。
とても暖かくて────気持ちがいい。
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