だれよりも独占したい
書籍紹介
口説けッ! 落とせッ!
幼なじみへの十年間に及ぶ片想いに終止符を打とうとはりきる麗司のラブアタック奮闘記。
立ち読み
樹齢三百年は、下らないだろう。立派な枝ぶりである。だが、それ以上の感情は、何もわいてこない。
サラサラの砂へと変わりつつある心に、何も伝わりはしないのかもしれない。
そこへ背後から、「おい、お前っ」と不意打ちのように声をかけられた麗司は、驚くよりも不快感を覚えた。
少年特有の甲高い声につけ加えて、口調が生意気である。
(どこのクソガキなのか、顔を拝んでやる)
もしも近所に住んでいるとしたら、にこにこ顔で苛め抜く。
もちろん、かなり本気である。
だが。
一瞬にして、何もかもが消し飛んでしまったのだ。木っ端微塵と言っても過言じゃない。「なに、つまんなそうな顔してんだ。ほら、あんパン半分やるから、笑えよ」
「────」
サラサラの砂へと変わりつつある心に、何も伝わりはしないのかもしれない。
そこへ背後から、「おい、お前っ」と不意打ちのように声をかけられた麗司は、驚くよりも不快感を覚えた。
少年特有の甲高い声につけ加えて、口調が生意気である。
(どこのクソガキなのか、顔を拝んでやる)
もしも近所に住んでいるとしたら、にこにこ顔で苛め抜く。
もちろん、かなり本気である。
だが。
一瞬にして、何もかもが消し飛んでしまったのだ。木っ端微塵と言っても過言じゃない。「なに、つまんなそうな顔してんだ。ほら、あんパン半分やるから、笑えよ」
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