せつなさを微笑みにかえて
書籍紹介
ノルマ、フォローしますから恋人になってください
営業成績が地の底をはっている入社2年目の磯島は、本社のエリート柏崎とコンビを組むことに。しかしそれにはとんでもない条件が。
立ち読み
「チェックインしたばかりなんだぞ。そんな、もったいない。俺はもう少し、この雰囲気に浸っていたいよ」
「もったいないのは、そっちの方だ。せっかくこれた豪華な夜に、いつまでぼうっとしているんです?ほら、あそこの巨大なベットがあんたと俺を待っている」
「………」
逃げの一歩は延びてきた柏崎の片腕に、ものの見事に妨害されてしまった。
奴の、俺より一回りはデカイ身体に凄まれると、どうも睨まれた蛙のごとく脚がもつれてしまうという、妙な癖が最近頓に多くなってきた。
身体が勝手に拒絶反応を起こすのか、それとも恐怖におののくのか。
とにかく、どちらにしても、年下の男にビビるなとどいうみっともないことを悟られてたくはないから、俺は精一杯ツッパって見せた。
「何時に寝ようと、俺の勝手だろうがッ」
「まだそんな、往生際の悪いこと云って。別に俺はいいんですけどね、シャワーなんか浴びたって浴びなくたって。愛する人の体臭だからなんとも感じないし、だいたい日本人は潔癖すぎるんです」
ゲェー!
「変態か?お前はッ」
云われたこっちが赤面しちまうような台詞を、平然とそのお奇麗な顔から飛び出すかと思うと、本当にこいつの人格を疑いたくなる俺だった。
「からかってるんだろう」
「いいえ、マジです」
「目が笑ってるぞッ」
「俺の瞳は純粋で、優しいから」
カッー! このクソガキッ!
「もったいないのは、そっちの方だ。せっかくこれた豪華な夜に、いつまでぼうっとしているんです?ほら、あそこの巨大なベットがあんたと俺を待っている」
「………」
逃げの一歩は延びてきた柏崎の片腕に、ものの見事に妨害されてしまった。
奴の、俺より一回りはデカイ身体に凄まれると、どうも睨まれた蛙のごとく脚がもつれてしまうという、妙な癖が最近頓に多くなってきた。
身体が勝手に拒絶反応を起こすのか、それとも恐怖におののくのか。
とにかく、どちらにしても、年下の男にビビるなとどいうみっともないことを悟られてたくはないから、俺は精一杯ツッパって見せた。
「何時に寝ようと、俺の勝手だろうがッ」
「まだそんな、往生際の悪いこと云って。別に俺はいいんですけどね、シャワーなんか浴びたって浴びなくたって。愛する人の体臭だからなんとも感じないし、だいたい日本人は潔癖すぎるんです」
ゲェー!
「変態か?お前はッ」
云われたこっちが赤面しちまうような台詞を、平然とそのお奇麗な顔から飛び出すかと思うと、本当にこいつの人格を疑いたくなる俺だった。
「からかってるんだろう」
「いいえ、マジです」
「目が笑ってるぞッ」
「俺の瞳は純粋で、優しいから」
カッー! このクソガキッ!
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