ザ・プロミス
書籍紹介
ホントの恋は、いつも放課後、屋上で
「美浜崎には手を出すな」見知らぬ下級生の突然の宣戦布告。困惑する中井に今度は当の美浜崎から呼び出しが……。
立ち読み
そこいらの、ちょっと可愛い女の子、程度では太刀打ちできない甘い容貌。サラリとした薄茶の髪、全てが上手く並んだ手本のような目鼻立ち、口唇は赤。引き込まれるような真紅。きっと皮膚が薄いのだろう。
陶磁器のような肌??っつーのは、まさしくこれだな。あれ? 博多人形だっけか。
中井でさえそんなことを思いつつ、賛辞をまじえて、無意識に口笛を吹いてしまったくらいだった。
折り返し式の階段を三回まわったところで、四階に着いた。屋上はもう一階上。
深呼吸をする。
そんな奴から呼び出される心当たりなどない。ただ、ついでと言ってはなんだが、訊きたい事ならひとつだけあった。
初めて眼が合った時???あの時のあの表情の訳を知りたい。
美貌の一年生は、あ、という顔をしたあと、何かを言いたげな瞳でたっぷり十秒間、中井を見つめて下さったのだ。思わずドギマギしてしまうような視線だった。
真っ直ぐに、ためらいもなく、堂々と。
どんな意味を含んでか、その短い時間は確かに中井に与えられたものだった。
陶磁器のような肌??っつーのは、まさしくこれだな。あれ? 博多人形だっけか。
中井でさえそんなことを思いつつ、賛辞をまじえて、無意識に口笛を吹いてしまったくらいだった。
折り返し式の階段を三回まわったところで、四階に着いた。屋上はもう一階上。
深呼吸をする。
そんな奴から呼び出される心当たりなどない。ただ、ついでと言ってはなんだが、訊きたい事ならひとつだけあった。
初めて眼が合った時???あの時のあの表情の訳を知りたい。
美貌の一年生は、あ、という顔をしたあと、何かを言いたげな瞳でたっぷり十秒間、中井を見つめて下さったのだ。思わずドギマギしてしまうような視線だった。
真っ直ぐに、ためらいもなく、堂々と。
どんな意味を含んでか、その短い時間は確かに中井に与えられたものだった。
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