いとしのテディ・ボーイ
書籍紹介
クマって呼ぶなっ!
全寮制男子校への編入早々、朝香直矢はテディベアを愛する変わり者の生徒会長・錦織宮緒の熱烈な求愛にあう。いやがる直矢に宮緒のラブ攻撃はゴーインで……。
立ち読み
「もしも、打ち所が悪ければ、とんでもない事になるのだぞ」
「そりゃ、そうだろうけど」
「今から病院へ行くぞ」
「えっ?」
「精密検査を受けるのだ。そうでなければ安心できん」
「ちょっ! なにすんだよッ」
「────」
驚声を聞き流した宮緒に、ためらいはない。
足掻く身体を引き寄せて、軽々と抱き上げながら「おとなしくせねば、この場で犯す」と静かに言い放つ。
信じられないと言いたげな直矢の表情を見下ろした宮緒は、その額にソッと口付けて保健室から踵を返した。
「お前みたいな超サイテーな奴、見たことないっ」
怒りのためか、頬を真っ赤に染めた直矢が、上目使いに宮緒を睨みつけてくる。
「そんな脅し文句が、俺に通用すると思ってんのかっっ」と言いながら、宮緒の腕の中におとなしく納まっている直矢が、むしょうに愛おしくなる。
宮緒を睨みつけるその瞳が、キラキラと宝石のように輝いて見えるからだ。ぬいぐるみのテディも、つぶらな大きな瞳を持っているが、これほど魅力的ではない。しかも、テディは、なんの感情も映し出さない。だから、こうして抱きしめているだけで、暖かなぬくもりが伝わってくるのが、嬉しくてたまらないのだ。
本音を言えば、いつでも、どこでも、直矢を抱きしめたくて仕方がないのだが、それを実行に移さないのは、直矢がそれを嫌うからである。だがいつかは、抱きしめたい時に、抱きしめられるようになりたい。
「そりゃ、そうだろうけど」
「今から病院へ行くぞ」
「えっ?」
「精密検査を受けるのだ。そうでなければ安心できん」
「ちょっ! なにすんだよッ」
「────」
驚声を聞き流した宮緒に、ためらいはない。
足掻く身体を引き寄せて、軽々と抱き上げながら「おとなしくせねば、この場で犯す」と静かに言い放つ。
信じられないと言いたげな直矢の表情を見下ろした宮緒は、その額にソッと口付けて保健室から踵を返した。
「お前みたいな超サイテーな奴、見たことないっ」
怒りのためか、頬を真っ赤に染めた直矢が、上目使いに宮緒を睨みつけてくる。
「そんな脅し文句が、俺に通用すると思ってんのかっっ」と言いながら、宮緒の腕の中におとなしく納まっている直矢が、むしょうに愛おしくなる。
宮緒を睨みつけるその瞳が、キラキラと宝石のように輝いて見えるからだ。ぬいぐるみのテディも、つぶらな大きな瞳を持っているが、これほど魅力的ではない。しかも、テディは、なんの感情も映し出さない。だから、こうして抱きしめているだけで、暖かなぬくもりが伝わってくるのが、嬉しくてたまらないのだ。
本音を言えば、いつでも、どこでも、直矢を抱きしめたくて仕方がないのだが、それを実行に移さないのは、直矢がそれを嫌うからである。だがいつかは、抱きしめたい時に、抱きしめられるようになりたい。
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