紫に抱かれて

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本価格:565(税込)

  • 本販売日:
    1997/12/25
    ISBN:
    978-4-8296-5122-3
書籍紹介

あどけなく、妖艶に舞い踊る、お前の笑顔を守りたい

真は稀に見る日舞の才能を持つ17歳。真のために藤浪流を継ぐ決意をする清彦だが、それにはコンテストで優勝しなくてはならない。清彦の立てた計画とは?
立ち読み
  こんなに、欲しいのに。踊れない……よ。
  白雪だって、きっと昨夜のこと思い出して、欲しくてたまらなくなって……。
  ……え?……。
  突然、僕の中で霧が晴れた。
  そうか、白雪も恋しい男にもっと強く深く抱かれたいんだ。昨夜の名残を体に残し、なお、むさぼりたくて……契った後、別れているのが切なくって、もっともっと激しく契りたいんだ。
  貪欲に愛された昨夜。まだ火照る体は疼きを生む。それを恥じらいつつも白雪は……恋する男を欲してる。
  前半のテープがカチリと止まり、清ちゃんは落ちついた目で僕を見つめた。
「前半は白雪のマスターベーションだと思わないか?  腰の痛みを嬉しく感じながらも、まだ濡れてくるところを我慢できない。胸元に手を入れて昨夜の男の動きを反芻したい。白雪は遊女で、体はすでに悦びを知っているんだ。生娘じゃないんだからな」
  なにも答えられない僕をじっと見つめてから、清ちゃんはテープを巻き戻し、また頭からかけ始めた。
「初めから、真。踊ってみろ」
  言われるままに僕はギクシャク踊り出した。
  わかる……白雪の気持ち…僕と同じだから。僕も、欲しくてたまらないから……。
  苦しさで、僕の動きが何度も乱れた。清ちゃんは時折深いキスで僕を追い上げ、そして冷たく突き放してはテープを回した。
  何回も繰り返すうちに、僕は僕が白雪なのか、白雪が僕なのか、判然としない心持ちになってくる。
  もっともっと強く、引き裂いてもいいから……契って……次に会う時までなんて我慢できない。この疼きをどうか今すぐ……鎮めて……。
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