パラノイア幻想
書籍紹介
あいつの夢の中で、おまえ何度も犯されてたんだぜ──。
優しかった幼なじみが突然「別人」に豹変した。「同じ顔の別人」に夜ごと凌辱されながら、拒むことのできない和希は……。愛の拘束を描くハードラブロマンス。
立ち読み
「どんなふうにあいつに見られてるのか、本当に気付いてなかったのか?」
「…えっ?」
和希は拍子抜けしたような声を上げた。あいつ、とは一体だれのことか。
「ああ、そうだろうな。あいつは確かにうまくやってたよ。お前が気付くはずなんてないか」
「な…に、言ってんだよ…洋緒?」
心臓が、ばくばくと早鐘を打ち始めた。洋緒の言うことが、さっぱり理解できない。洋緒はさっきから、「俺のほうが強くなった」だの「完璧になれた」だの、まったく意味不明なことばかり言っている。
和希は必死の面持ちで、洋緒に手を伸ばした。
「洋緒…、やっぱりお前、頭打ったせいで…」
「教えてやろうか? お前の大好きな幼馴染じみの洋緒は、お前のことを友達だなんて思ったことは、一度もねえよ」
「…ふざけんなっ!」
カッとなった和希は、差し伸べた手で洋緒の頬を打とうとしたが、素早く洋緒はその手を掴んだ。和希は振りほどこうとしたが、洋緒は放さない。
揶揄するように言われた洋緒の台詞に、和希は激しい不快感を覚えていた。洋緒を、別の誰かに汚されたような気がしたのだ。
(別の、誰か…?)
自分の胸に過った疑惑に、和希は自分で驚愕する。洋緒は、指が白くなるほどきつく握った和希の手を口元へ引き寄せ、口づけた。
「やめ…っ」
「…えっ?」
和希は拍子抜けしたような声を上げた。あいつ、とは一体だれのことか。
「ああ、そうだろうな。あいつは確かにうまくやってたよ。お前が気付くはずなんてないか」
「な…に、言ってんだよ…洋緒?」
心臓が、ばくばくと早鐘を打ち始めた。洋緒の言うことが、さっぱり理解できない。洋緒はさっきから、「俺のほうが強くなった」だの「完璧になれた」だの、まったく意味不明なことばかり言っている。
和希は必死の面持ちで、洋緒に手を伸ばした。
「洋緒…、やっぱりお前、頭打ったせいで…」
「教えてやろうか? お前の大好きな幼馴染じみの洋緒は、お前のことを友達だなんて思ったことは、一度もねえよ」
「…ふざけんなっ!」
カッとなった和希は、差し伸べた手で洋緒の頬を打とうとしたが、素早く洋緒はその手を掴んだ。和希は振りほどこうとしたが、洋緒は放さない。
揶揄するように言われた洋緒の台詞に、和希は激しい不快感を覚えていた。洋緒を、別の誰かに汚されたような気がしたのだ。
(別の、誰か…?)
自分の胸に過った疑惑に、和希は自分で驚愕する。洋緒は、指が白くなるほどきつく握った和希の手を口元へ引き寄せ、口づけた。
「やめ…っ」
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