せつない恋だぜ
書籍紹介
手紙と歌にたくした切ない想いは、やがて恋になる……
一通のラブレターをもらった渉は、バンド仲間で親友の雄二に相談をもちかける。それはやがて2人の運命を変えることに……。
立ち読み
「…まあ、これ見ろよ」
渉は思い切ってカバンから一通の封筒を取り出した。
こんなこと相談していいものか悩んだのだが、やっぱり親友の雄二には言っておくべきだと思ったのだ。
封筒の表書きは何もなかった。
中から一枚の便箋を取り出し、ワープロ打ちの文面を見て雄二は大声を出した。
「なんだ、これは!」
「いわゆるラブレターというもんではないかと……」
渉の注釈に、『わかってる!』と睨み返して、雄二はもう一度文面に目を落とした。
渉はもう暗記してしまったその文面を思い返してみた。
『 新庄渉さま
君のことが、好きです。
君に恋する男より 』
男からのラブレターなんて、渉は生まれて初めてだった。
男子校とかではよくあるらしいが、自分が通うのは共学校でもあり、そんなことは絶対ありえないと思っていたのに──。
世の中はわからない。
わからないからこそ、自分の胸だけにしまっておくのがなんだか恐ろしくて、雄二を仲間に引きずりこみたかった。
もし、ラブレターの主に襲われた時、助けてくれる友人というものはやっぱり必要だと思ったのだ。
渉は思い切ってカバンから一通の封筒を取り出した。
こんなこと相談していいものか悩んだのだが、やっぱり親友の雄二には言っておくべきだと思ったのだ。
封筒の表書きは何もなかった。
中から一枚の便箋を取り出し、ワープロ打ちの文面を見て雄二は大声を出した。
「なんだ、これは!」
「いわゆるラブレターというもんではないかと……」
渉の注釈に、『わかってる!』と睨み返して、雄二はもう一度文面に目を落とした。
渉はもう暗記してしまったその文面を思い返してみた。
『 新庄渉さま
君のことが、好きです。
君に恋する男より 』
男からのラブレターなんて、渉は生まれて初めてだった。
男子校とかではよくあるらしいが、自分が通うのは共学校でもあり、そんなことは絶対ありえないと思っていたのに──。
世の中はわからない。
わからないからこそ、自分の胸だけにしまっておくのがなんだか恐ろしくて、雄二を仲間に引きずりこみたかった。
もし、ラブレターの主に襲われた時、助けてくれる友人というものはやっぱり必要だと思ったのだ。
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