オレのゆずれない彼
書籍紹介
とっておきのシンデレラ・ストーリー! 鷹野京先生デビュー作
幼い頃、小雪が舞う下町で「天使様」に出会った真希は、17歳になった今コンパニオンのバイトをしながら彼を探す。そんなある日、羽柴財閥の息子である真澄のパーティに駆り出されて……!?
立ち読み
「なんだ? どうしたんだ」
「新しい余興なのか?」
やんやとばかりに集まってくるお客に罪はない。だが、余興の一言はかんべんしてほしい。
真希は、がっくりと項垂れた。
(本気で怒ってるのに、なんで余興になっちまうんだ。やっぱ、女装に問題があるのかも…)
なんて落ち込んでいる場合ではない。諸悪の根源は、無表情に口元だけで笑っていた。まるで憤る真希を見て、楽しんでいるかのようである。
「──そうしていると、シンデレラというよりは元気なシンデレラボーイのようですね。もしも君がボーイだとしたら、羽柴城の王様は、さぞや驚かれることでしょうね」
「!! なっ……に…」
周囲のざわめきにまぎれるように発せられた、ソレムの抑揚のない言葉。そして更に付け加えられた言葉が、真希の胸懐へ刃物のように突き刺さった。
「王様は王子の将来を考えてシンデレラパーティを催しました。でも、王子が恋したシンデレラは少女ではありませんでした。さて、物語はハッピーエンドで終わるのでしょうか!?」
「????」
真希の心で一瞬、時間の流れが止まる。
「新しい余興なのか?」
やんやとばかりに集まってくるお客に罪はない。だが、余興の一言はかんべんしてほしい。
真希は、がっくりと項垂れた。
(本気で怒ってるのに、なんで余興になっちまうんだ。やっぱ、女装に問題があるのかも…)
なんて落ち込んでいる場合ではない。諸悪の根源は、無表情に口元だけで笑っていた。まるで憤る真希を見て、楽しんでいるかのようである。
「──そうしていると、シンデレラというよりは元気なシンデレラボーイのようですね。もしも君がボーイだとしたら、羽柴城の王様は、さぞや驚かれることでしょうね」
「!! なっ……に…」
周囲のざわめきにまぎれるように発せられた、ソレムの抑揚のない言葉。そして更に付け加えられた言葉が、真希の胸懐へ刃物のように突き刺さった。
「王様は王子の将来を考えてシンデレラパーティを催しました。でも、王子が恋したシンデレラは少女ではありませんでした。さて、物語はハッピーエンドで終わるのでしょうか!?」
「????」
真希の心で一瞬、時間の流れが止まる。
おすすめの関連本・電子書籍
- プラチナ文庫
- 書籍詳細