恋の疵痕
~Pain of heart~
書籍紹介
ちゃんと言えよ ……誰が欲しいのか
地方病院で燻る天才心臓外科医の侑弥は、駆け込んできた男性に愕然とした。かつて自分に愛を囁き、手酷く捨てていった貴将だったのだ。謝れば赦そうと思った。だが彼は悪びれるどころか、睨んでくる。その上経営難の病院に融資する代わりに、侑弥の体を要求してきた。傲慢さに唇噛みしめたが、院長の義父の為に頷かざるを得ない。だが急いた様に最奥をまさぐられ、猛々しく貫かれると、封印してきた彼への思いが堰を切って溢れ出そうになり…。いつまでも心疼かせる恋、再び。
立ち読み
「欲しいなら欲しいって言えよ。その口で……ちゃんと言ってくれ」
聞こえる声は変わらない。あの頃のままだ。
その声に負けたように、侑弥は目を閉じたまま、貴将に告げる。
「欲しい……お前が……貴将が欲しい。お前だけが欲しいよ……」
「そうやって強請っていればいいんだ……ずっと、俺に」
満足そうな声と共に唇に柔らかい感触が重なる。
なぞるように舌先で舐められると、それだけで甘いと息が漏れた。
「ぁ……」
その隙を狙ったように貴将の舌が侑弥の中に入り込んでくる。舌を絡められると、涙が滲んだ。
「……どうした……泣いているのか?」
唇を離して貴将が訊ねてくる
「違う……生理的な、涙だ、これは……」
顔を覗き込まれ、それを見られないように貴将の首筋にしがみついた。
「いいから……も、いけよ……早く終わらせろってば……」
こんなぐちゃぐちゃで惨めな顔を見せたくなかったから、抱きつくことで誤魔化してしまう。
「早くよこせよ……お前を奥まで感じさせろ」
「ああ……たっぷりと注いでやる」
腰骨を掴んで、貴将は侑弥の中へ激しく抽挿を開始した。
「あ、あぁっ……んっ」
「侑弥……侑弥……」
貴将の口が名前を呼ぶ。その声さえ愛おしいく聞こえた。
眦から涙がこぼれ落ちる。
(もうやだ……)
好きでもないくせに抱くなんて。
もうすぐ他の女のものになるくせに。
それなのに、そんな男に抱かれて悦ぶ体。そして離したくないと叫んでいる自分の心。
「ああっ……」
耐えきれず、欲望が爆ぜる。そうして二人の腹を白濁で汚していると、そのすぐ後に、自分の奥に焼けつくような熱さを感じた。貴将も果てたのだ。
聞こえる声は変わらない。あの頃のままだ。
その声に負けたように、侑弥は目を閉じたまま、貴将に告げる。
「欲しい……お前が……貴将が欲しい。お前だけが欲しいよ……」
「そうやって強請っていればいいんだ……ずっと、俺に」
満足そうな声と共に唇に柔らかい感触が重なる。
なぞるように舌先で舐められると、それだけで甘いと息が漏れた。
「ぁ……」
その隙を狙ったように貴将の舌が侑弥の中に入り込んでくる。舌を絡められると、涙が滲んだ。
「……どうした……泣いているのか?」
唇を離して貴将が訊ねてくる
「違う……生理的な、涙だ、これは……」
顔を覗き込まれ、それを見られないように貴将の首筋にしがみついた。
「いいから……も、いけよ……早く終わらせろってば……」
こんなぐちゃぐちゃで惨めな顔を見せたくなかったから、抱きつくことで誤魔化してしまう。
「早くよこせよ……お前を奥まで感じさせろ」
「ああ……たっぷりと注いでやる」
腰骨を掴んで、貴将は侑弥の中へ激しく抽挿を開始した。
「あ、あぁっ……んっ」
「侑弥……侑弥……」
貴将の口が名前を呼ぶ。その声さえ愛おしいく聞こえた。
眦から涙がこぼれ落ちる。
(もうやだ……)
好きでもないくせに抱くなんて。
もうすぐ他の女のものになるくせに。
それなのに、そんな男に抱かれて悦ぶ体。そして離したくないと叫んでいる自分の心。
「ああっ……」
耐えきれず、欲望が爆ぜる。そうして二人の腹を白濁で汚していると、そのすぐ後に、自分の奥に焼けつくような熱さを感じた。貴将も果てたのだ。
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