聖娼
~きよらかな恋人~
書籍紹介
愛、しか持たない誘惑の腕
かつては天才の名を恣にしたヴァイオリニスト、皓牙の前に突然、文字通り舞い降りてきた清音。皓牙の音色に憧れ続けた天使は、彼に音楽を取り戻して貰うため、ある決意を秘めて来た。だが、事故の絶望から全てを信じなくなった男は、「玩具としてなら傍においてやる」と美しく冷たい瞳で嘲笑い吐き捨てる。恥辱に戦きながらも体を差し出した清音は、熱く爛れる生身の愛撫に蕩け、初めての肉欲に溺れ淫らに啼く。やがて、神との残酷な約束が─! 天刑さえも裂けぬ純真な愛は!?
立ち読み
「あ……っ」
清音は、小さな声で喘ぐ。
(……なんだか、体…が、熱く……?)
こんな種類の熱に包まれるのは、清音にとって初めての経験だった。それでも本能のように、清音は原罪を理解した。
自分は肉欲の罪を犯そうとしている。
羞恥心とともに、強い罪悪感がこみ上げる。しかしそれは、清音の欲望を押しとどめることにはならなかった。
肌はますます熱く、火照りはじめる。
舐められているだけだったのに、その窄まっていた穴は緩みはじめた。そして、ひくひく震えながら、開きはじめる。
「なんだ、反応しているな。感じている」
「あうっ」
性器をさぐられ、清音は喘ぎ声を漏らした。
(……どうしよう……)
永遠に番うことを知らないはずの性器が勃起していることを、知らしめられる。しかもその先端はぬるぬるに濡れ、生々しい淫蕩さを醸し出していた。
清音は、うっすら涙を浮かべた。
胸が痛む。自分は、戒律を犯そうとしているのだ。
快楽に、体が反応していることをもはや否定できない。
(どうして……?)
身を切られるより辛いのに、股間の火はますます燃えさかる。こんなことは、初めてだった。触れることすら禁忌の場所は、まったく無垢だ。こんなふうに形を変えたことはなかった。
(どうしよう……っ、どうしたらいいんだろう……)
清音はパニック状態に陥りそうになる自分を押さえるように、木の幹をつかむ指に力を加えた。
変化する自分の体が怖い。
でも、この怖さを克服しない限り、皓牙の傍にいる権利は勝ち取れないのだ。
それならば、清音は我慢をするしかない。
何がなんでも耐えてみせるのだ。
清音は、小さな声で喘ぐ。
(……なんだか、体…が、熱く……?)
こんな種類の熱に包まれるのは、清音にとって初めての経験だった。それでも本能のように、清音は原罪を理解した。
自分は肉欲の罪を犯そうとしている。
羞恥心とともに、強い罪悪感がこみ上げる。しかしそれは、清音の欲望を押しとどめることにはならなかった。
肌はますます熱く、火照りはじめる。
舐められているだけだったのに、その窄まっていた穴は緩みはじめた。そして、ひくひく震えながら、開きはじめる。
「なんだ、反応しているな。感じている」
「あうっ」
性器をさぐられ、清音は喘ぎ声を漏らした。
(……どうしよう……)
永遠に番うことを知らないはずの性器が勃起していることを、知らしめられる。しかもその先端はぬるぬるに濡れ、生々しい淫蕩さを醸し出していた。
清音は、うっすら涙を浮かべた。
胸が痛む。自分は、戒律を犯そうとしているのだ。
快楽に、体が反応していることをもはや否定できない。
(どうして……?)
身を切られるより辛いのに、股間の火はますます燃えさかる。こんなことは、初めてだった。触れることすら禁忌の場所は、まったく無垢だ。こんなふうに形を変えたことはなかった。
(どうしよう……っ、どうしたらいいんだろう……)
清音はパニック状態に陥りそうになる自分を押さえるように、木の幹をつかむ指に力を加えた。
変化する自分の体が怖い。
でも、この怖さを克服しない限り、皓牙の傍にいる権利は勝ち取れないのだ。
それならば、清音は我慢をするしかない。
何がなんでも耐えてみせるのだ。
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