スイートルームの蜜月
あなたを、この腕の中に閉じこめたい──
失恋した英明は、旅先で金髪碧眼の王子様みたいなヒースと出会う。「本気で口説いても?」甘く淫らに誘われ、傷心を癒してくれた彼と九日間の恋人契約をした。冷静沈着なサラリーマン、そんな日本での自分を忘れ、スイートルームで甘やかされる日々。「私なしでいられないようにしてしまおうか」優しくも凶暴な熱を孕んだ囁きと愛撫に、心までとろけそうだった。期間限定の関係なのに──。ところが、ヒースと別れ帰国した英明の前に、彼が年下の上司として現れて!? 甘い甘い蜜月をずっと
すりっと蕾の先に、熱い楔が押し当てられ、動かされる。だが、けして、それはなかへとはいってくる動きではない。英明が腰を落とさなければ。
「あ……あんっ!」
その誘惑に耐えきれないとばかりに、英明の腰は自然にゆれて、落ちる。ぐっと熱い楔の先が蕾へと入り込んだ瞬間、白い身体がしなやかにのけぞる。ヒースの力強い腕が、ともすれば崩れそうな英明の身体を抱きしめて、支え、耳元でささやく。
「そう、腰を下ろして、もっと奥へ欲しいだろう?」
「ん……ほし…い……」
うわごとのように英明は答え、こくりとうなずく。そうして、腰を掴むヒースの手に促されるように、腰を下ろして熱い楔を飲み込んでいく。
「あ……あああ……ひうんっ!」
最後のほうは、ヒースも耐えきれないとばかり突き上げてきて、本当に奥の奥まで、熱い彼が入り込む。ほうっと、英明は息を吐く。そんな英明にヒースは「まただよ」と言う。
「入れただけで、満足じゃないだろう? どうしてほしい?」
「ん……動いて……」
ヒースのたくましい首に腕を回し、抱きつきながら英明はねだる。自らも腰を回すようにくねらせる。
「そう、私も動くから、ヒデも動いて、気持ちいいようにね」
「あ……はっ……あんっ!」
男の腹にまたがって腰を振る。淫らだと思うが、一度欲望に忠実に従ってしまえば、止まらない。揺れる英明の動きに合わせるようにヒースが突き上げる。だけではなく、時にじらすように、タイミングをずらされ、英明は「もっと……」とうわごとのようにねだり、さらに白い身体をヒースの上で揺らす。
- プラチナ文庫
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