オニキスの瞳に魅せられて
書籍紹介
君のために、私のすべてを捧げよう
慎の恋人であり世界的演出家フランツ・エールスベルク。彼によって、慎は夢にまで見た『ハムレット』を見事に演じきった。フランツからおしみない賛辞を受けた慎。その夜も「慎の中は熱くて柔らかくて、いやらしい」彼の熱い猛りに穿たれ、濃厚な快楽に翻弄された。そんなある日、フランツから次回公演は別の演出家を起用すると告げられる。しかし、フランツ以外の演出を受けることが不安でならない慎は、やがて彼と言い争ってしまい――。
立ち読み
「や、フランツさん……っ」
「ここを、撫でられたのか」
ズボンを下着ごと膝まで引きずり下ろされる。とても愛撫とはいえない乱暴な手つきで、背後から性器を握られて、痛いほどに扱かれる。
「や、ああ……駄目、あああ……っ」
最初に訪れるのは痛みだった。
「駄目? 嘘を言わないでくれ」
抑揚のない声が、慎を煽ってくる。
嫌だと思うのに、ずっと禁欲生活を強いられていた体はあっという間に反応し、扱かれた場所は一気に熱を溜め、フランツの手を濡らしてしまう。
「あ……ああ……っ」
「いやらしい体だ」
濡れた指を嘗めながら、フランツは吐き捨てるように言う。その間にも、もう一方の手が否応なしに慎の前を愛撫してくる。射精を促すだけの動きに、一度はなったばかりにも関わらず、あっという間に勃起してしまう。
「や、めて……ください……」
「こんなことぐらいで、前を濡らして。秋庭相手にも、こうして容易に腰を振って誘ったんじゃないのか?」
背中に体を押しつけられ、耳朶を噛むように囁かれる。
吐息が耳を擽るたび背筋に電流のようなものが走り抜ける。
今すぐにでも流されそうだった。
会いたくて会いたくて、心の底ではずっと求めていた。
でも、こんな形で抱かれたくはない。
こんな風に、流されたくはない。
「ここを、撫でられたのか」
ズボンを下着ごと膝まで引きずり下ろされる。とても愛撫とはいえない乱暴な手つきで、背後から性器を握られて、痛いほどに扱かれる。
「や、ああ……駄目、あああ……っ」
最初に訪れるのは痛みだった。
「駄目? 嘘を言わないでくれ」
抑揚のない声が、慎を煽ってくる。
嫌だと思うのに、ずっと禁欲生活を強いられていた体はあっという間に反応し、扱かれた場所は一気に熱を溜め、フランツの手を濡らしてしまう。
「あ……ああ……っ」
「いやらしい体だ」
濡れた指を嘗めながら、フランツは吐き捨てるように言う。その間にも、もう一方の手が否応なしに慎の前を愛撫してくる。射精を促すだけの動きに、一度はなったばかりにも関わらず、あっという間に勃起してしまう。
「や、めて……ください……」
「こんなことぐらいで、前を濡らして。秋庭相手にも、こうして容易に腰を振って誘ったんじゃないのか?」
背中に体を押しつけられ、耳朶を噛むように囁かれる。
吐息が耳を擽るたび背筋に電流のようなものが走り抜ける。
今すぐにでも流されそうだった。
会いたくて会いたくて、心の底ではずっと求めていた。
でも、こんな形で抱かれたくはない。
こんな風に、流されたくはない。
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