オニキスの瞳に魅せられて

本を購入

本価格:607(税込)

  • 本販売日:
    2005/04/10
    ISBN:
    978-4-8296-2281-0
書籍紹介

君のために、私のすべてを捧げよう

慎の恋人であり世界的演出家フランツ・エールスベルク。彼によって、慎は夢にまで見た『ハムレット』を見事に演じきった。フランツからおしみない賛辞を受けた慎。その夜も「慎の中は熱くて柔らかくて、いやらしい」彼の熱い猛りに穿たれ、濃厚な快楽に翻弄された。そんなある日、フランツから次回公演は別の演出家を起用すると告げられる。しかし、フランツ以外の演出を受けることが不安でならない慎は、やがて彼と言い争ってしまい――。
立ち読み
「や、フランツさん……っ」
「ここを、撫でられたのか」
  ズボンを下着ごと膝まで引きずり下ろされる。とても愛撫とはいえない乱暴な手つきで、背後から性器を握られて、痛いほどに扱かれる。
「や、ああ……駄目、あああ……っ」
  最初に訪れるのは痛みだった。
「駄目?  嘘を言わないでくれ」
  抑揚のない声が、慎を煽ってくる。
  嫌だと思うのに、ずっと禁欲生活を強いられていた体はあっという間に反応し、扱かれた場所は一気に熱を溜め、フランツの手を濡らしてしまう。
「あ……ああ……っ」
「いやらしい体だ」
  濡れた指を嘗めながら、フランツは吐き捨てるように言う。その間にも、もう一方の手が否応なしに慎の前を愛撫してくる。射精を促すだけの動きに、一度はなったばかりにも関わらず、あっという間に勃起してしまう。
「や、めて……ください……」
「こんなことぐらいで、前を濡らして。秋庭相手にも、こうして容易に腰を振って誘ったんじゃないのか?」
  背中に体を押しつけられ、耳朶を噛むように囁かれる。
  吐息が耳を擽るたび背筋に電流のようなものが走り抜ける。
  今すぐにでも流されそうだった。
  会いたくて会いたくて、心の底ではずっと求めていた。
  でも、こんな形で抱かれたくはない。
  こんな風に、流されたくはない。
おすすめの関連本・電子書籍
アイコンについて
  • プラチナ文庫
  • プラチナ文庫 アリス
  • プラチナ文庫 艶
  • ラピス文庫
  • f-LAPIS
  • プランタンe-Boys!