罪のしずく

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本価格:607(税込)

  • 本販売日:
    2004/12/10
    電子書籍販売日:
    2007/08/01
    ISBN:
    978-4-8296-2266-7
書籍紹介

愛してる──その言葉に支配される

愛人の子として育ち、甘えることを知らずにいた亮一は、優しい義兄の佑にも警戒を隠せなかった。けれども、次第に彼の温もりに慣らされ、淡い想いを抱き始めた時、豹変した佑に犯されてしまう。「私に苛められるのが大好きだと、言ってごらん?」軟禁状態のまま男に貫かれ、淫靡な調教を施される亮一。またあの優しい手で触れてほしい──その願いを捨てきれず、佑のなすがまま、甘美な恥辱に溺れていき……? 淫らな罠に籠絡された、切ない純情。
立ち読み
  背中に鈍い衝撃があったかと思うと、亮一は畳の上へと押し倒されていた。
「佑さん……っ」
  思わず亮一は、佑の名を呼ぶ。
  すると佑は、その端整な面差しに、ほの暗い笑みを浮かべた。
「初めて私を呼んだな、亮一。まさか、こういう形で呼ばれるとはな……」
  そういう彼もさり気なく、初めて亮一のことを呼び捨てにした。
「……興奮するじゃないか」
  吐き捨てるように言った佑は、いきなり亮一の口唇を、自分の口唇で覆ってきた。
「……!」
  亮一は、驚きのあまり目を見開く。
  佑の突然の行動が、理解できない。
  いきなり、どういうつもりなのか。
  乱暴な扱いを受けてはいても、怒りよりも戸惑いが先に立つ。
  こんなふうに触れられたかったわけじゃないが、佑を求める気持ちは、亮一の中にもあったのだ。
  それを見抜かれたのだろうか?
  確かに亮一は、佑の口唇の感触を知りたいと思った。
  しかし、こんな乱暴な行為では、望みが叶ったという満たされた気持ちは、湧いてくるはずがなかった。
  思わず、亮一は抵抗してしまう。
  ところが佑はかまわずに、亮一の口唇に噛みつき、無理矢理歯列をこじ開けた。
  そして、肉厚の舌を口腔に差し入れて、亮一の口の中をまさぐり始める。
「……う……っ」
  これまでの佑とは思えないほど強引な行為に、亮一は恐怖のあまり、舌に噛みついてでも逆らおうとした。
  けれども、佑はそれを許さない。
  噛み合わせの部分に指を入れるように顎を掴み、強引なキスを続ける。
  呑み込みきれない唾液が、口唇の端から溢れ始めた。
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