バスルームでキスをして
書籍紹介
俺たち双子のうち、どっちを選ぶ?
たった一人の肉親である母を亡くした景は、遠縁の家に居候することに。そこには同じ顔だけど性格は正反対の双子──優しくて隙のない千賢と、ぶっきらぼうでワイルドな穂高──がいた。傷心の景を癒してくれたのは、毎晩バスルームで会う男。が、それが双子のどちらか見分けがつかないままに、キスやもっとすごいことまでされてしまい……! 「俺たち、好みが似てるんだ」そう言ってキスしてくるのは、果 たしてどっち!? 危険なトリプル・ラブ
立ち読み
「景は俺が好きなんだよ」
穂高は睨むように景を凝視し、千賢どころではない強引さで返事を求めている。
「お前――俺が好きだって言ったら、自分もそうだって答えただろ」
「う、うん――」
初めて篠井の手でイかされたときのことだと、思い出すと頬が熱くなる。穂高と知らなかったとはいえ、好きだと、口にしたのは事実だった。
「それは景が、相手が俺だって思ってたからだ」
千賢も負けておらず、挑むように穂高と見つめ合い、自信に満ちた態度で断言する。
「景は俺に向かって好きだって言ったんだよ。お前じゃなくてな」
千賢は景がそばにいるのを幸いに、あてつけるようにその手をとって穂高を見やる。駆け引きだか本気なんだが、口元に浮かぶ笑みは迷いがなく、景自身すら千賢の言うとおりだと信じかねない。
「ふざけるな…っ」
これには穂高もたまりかねたのだろう、声を荒げて立ち上がった。
「来いっ」
「わ……っ」
穂高は景の手首を掴み、千賢から引きはがす。景はつんのめるように穂高の胸に飛び込む羽目になり、肩を抱き寄せられた。
穂高は睨むように景を凝視し、千賢どころではない強引さで返事を求めている。
「お前――俺が好きだって言ったら、自分もそうだって答えただろ」
「う、うん――」
初めて篠井の手でイかされたときのことだと、思い出すと頬が熱くなる。穂高と知らなかったとはいえ、好きだと、口にしたのは事実だった。
「それは景が、相手が俺だって思ってたからだ」
千賢も負けておらず、挑むように穂高と見つめ合い、自信に満ちた態度で断言する。
「景は俺に向かって好きだって言ったんだよ。お前じゃなくてな」
千賢は景がそばにいるのを幸いに、あてつけるようにその手をとって穂高を見やる。駆け引きだか本気なんだが、口元に浮かぶ笑みは迷いがなく、景自身すら千賢の言うとおりだと信じかねない。
「ふざけるな…っ」
これには穂高もたまりかねたのだろう、声を荒げて立ち上がった。
「来いっ」
「わ……っ」
穂高は景の手首を掴み、千賢から引きはがす。景はつんのめるように穂高の胸に飛び込む羽目になり、肩を抱き寄せられた。
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