君と緋色の恋を抱き

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本価格:628(税込)

  • 本販売日:
    2003/05/10
    ISBN:
    978-4-8296-2209-4
書籍紹介

君は、世界でただ一人の相手

赤い髪に琥珀色の瞳を持つ浩太は、使用人の息子として、日野家のお屋敷にやってきた。ずっと「異人の子」と蔑まれてきたが、お屋敷の次期当主・裕利は、その髪に優しく触れ、好きだと言ってくれた。二人の間にほのかな恋が生まれる──それが波乱に満ちた人生の始まりとも知らずに。その時、裕利の継母は日野家の財産を狙い、当主暗殺をもくろんでいた。使用人とご主人様──身分違いのせつない恋の行方は……?
立ち読み
「…なに…すんだ…?」
「もっと気持ちのいいこと」
「うん…」
  ここから先は裕利も初めてだが、どうすればいいかは知っている。
  大事な浩太。絶対に傷つけたりしない。
「恐いか?」
  震えている浩太に気づき、裕利が優しく問う。
「す…少し…な」
  浩太は裕利の首に腕を回し、照れくさそうに微笑む。
「大丈夫。おめぇを触ってるのは俺だ」
「うん……」
  裕利の指が、余すことなく浩太の体を確かめていく。
  初めは強張っていた体も、裕利の愛しげな愛撫のもと、しだいにほぐれていった。
「恐くねぇだろ?」
「…お、おう…」
  浩太は頬を染めながら、素直に頷く。
  夢じゃなく…。これは、夢じゃなく…。
  浩太に触れているのは裕利の指、裕利の唇。
  自分でさえ見たことのない“自分”が、裕利の前に現れる。
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