天使の檻の中で
書籍紹介
愛してるのは、俺だけでいい──献身の監禁愛。
意識を失い、目覚めると従兄弟の真先に監禁されていた大学生の翼。キャリア警察官である彼の所業に呆然としたまま愛撫され、愛を告白された。「こうするしかなかった」と拘束され、淫らな行為に慣らされて溺れていく。けれど──眠りにつく度に見失う時間、愛を告白したにもかかわらず答えを求めない真先の真意。この異常な状況に、ついに翼は真先の正気を疑い始めて……?
立ち読み
クリームのようにきめ細かな泡を置き、撫でるように洗われた場所は、湯で洗い流された後も、ふんわりと包まれているような感触が残る。
自分の容姿に関心がない翼は、身体の状態にもほとんど注意を払っていなかったから、肌が、隅々まで、これほど大切に手入れされたのは、初めての経験だった。
手間を惜しまずに石鹸を泡立て、肩から背中へと洗い上げていく真先は、とても楽しげでありながら、大人らしい落ち着きを備えていて、衝動的に相手を殺したり傷付けたりするようには見えない。
それでも、脇から胸へ上った真先の手が、翼の首に触れたときには、思わず、息を呑んだ。
もし、今、真先が、自分を殺すつもりなら、それはとても簡単に、あっけなく成し遂げられるだろう。
たとえ、手を鎖で封じられていなかったとしても、真先と翼の体格差では、抵抗するだけ無駄だ。
悲鳴を上げる間すら与えられず、自分の命は消されてしまうだろう……。
鏡の中で、痣と真先の指が重なる。
ジャリ。
緊張で身を固くした翼の上で、鎖が、擦れ合って音を立てる。
───真先さん、まさか……?
けれど、真先の指は、胸の中央を通って、下腹部へ下りた。
「翼のここには、除毛クリームを使ったんだ。カミソリで剃った毛は、切断面が尖っているから、伸び始めるとチクチクするらしい。それだけじゃなく、刃で肌が傷つけられて、痒くなったり赤くなったりする原因にもなるんだ」
元々、そこに何もなかったように滑らかな性器まわりの肌を、石鹸の泡にまみれた真先の指が行き来する。
「きれいな肌だね。この肌を、もっともっときれいにしたい」
「あ、あの……」
遮ろうとしても、手錠の輪が手首に食い込み、鎖が軋みを上げるだけで、これまでのどこよりも丹念に擦る指は止まらない。
「もう、やめ……」
「やめないよ。翼を愛しているから」
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