純情コンプレックス

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本価格:607(税込)

  • 本販売日:
    2008/09/10
    ISBN:
    978-4-8296-2408-1
書籍紹介

好きだから間違えない。その瞳もキスも嘘も

記憶にある姿より精悍でカッコイイ、見惚れていると切れ長の瞳に見返され、真人は慌てて視線を逸らした。5年振りに会った双子の兄の親友、久世に、気難しい猫の世話を頼まれた真人は、戸惑いながらも引き受ける。だが、久世との同居の楽しさ故に、ここは自分の場所じゃないことに気づき心を痛める。更に、酔った夜、唇も体もとろとろになるようなキスをされ!  その上、寝込んだ久世に抱き竦められて、甘く疼く欲望を震わせる!!  過去の苦い決意を忘れそうになる自分に怯え、真人は──。
立ち読み
「……こんな状態でいると、妙な気になってくるな」
「久世?」
「恋人のふりなんかじゃない気分になってくる」
  久世が真人の癖のある髪に顔を埋め、かすれた声を出した。ドキリとして、真人の胸がトクトクと早鐘を打つ。外の冷たい風に晒されて、少しずつ酔いはさめてきている。真人を抱く久世の腕に、力がこもった。
  基本的に久世は世話焼きなんだろうと思っていたが、それでも特別扱いされているような気がして、余計に密着した久世の体温を意識してしまう。
「……くるしかったら、言えよ」
  憧れていた久世の腕の中。そのことを意識してしまうと、息が上がる。
  ふと、こいつって誰にでもこんなに優しくするのかな……と真人は胸ぐるしさを覚えた。かといって、この抱擁を解かれるのもいやだった。
「……る…しくない」
  そう答えたら、久世がまた髪にキスして真人、と名前を呼んだ。
「……んっ………」
  その次の瞬間には、唇で唇を塞がれていた。
  ここは外だ、ということよりも一瞬混乱して頭の中が真っ白になって、真人は無意識に掴まっていた久世の背中にすがってしまった。
  それに気をよくしたのか、久世のキスがエスカレートする。薄く開いた唇の隙間から、熱い舌を差し入れてきた。
「………ぁ……っ……」
  久世がしっかりと腰を支えてくれていなかったら、膝から力が抜けて崩れてしまいそうだった。それほど、熱烈なキス。
「―――いいかげんに…っ」
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