働くおにいさんブログ一覧

2019/09/02

10月も今日で終わりかあ。
今日はハロウィンだから、コッペパンのフィリングに特別にかぼちゃサラダを用意した。
レンジでチンしたカボチャを深谷さんが潰してくれて、それにマヨネーズとヨーグルトとレーズンを入れてまぜまぜ。
それを、キャロットラペと一緒に挟む。超ヘルシーだな。
店番をしていたら、いつものお散歩保育園児たちが、今朝はハロウィンの仮装をしていた。
紙で作った仮面とか帽子とか、けっこう凝ってたから、先生やママたちが手伝ったのかな。
お菓子をあげたかったけど、そこは今のご時世、貰って歩いたりはしないんだって。
ちょっと残念。また今度、美味しいコッペパンを届けるからね!
さてと、せっかくだから、帰ってきた深谷さんをハロウィンな茶の間で迎えたいなあ。
店番しながら、何か作ろうかな。

2019/09/02

朝、仕事に行こうと思ったら、ふわりと甘い香りが。
九条が、名残のキンモクセイの花を集めて、下駄箱の上に置いていた。
もう秋も終わりなのだなと感じる。
仕事に行ったら、患者さんに正月のことをあれこれ言われて、軽く眩暈がした。
まだ10月の終盤だぞ。
11月の立場はどうなるんだ。
と言いつつ、俺たちも早々にお歳暮の手配、おせちの予約、年賀状用の写真の選定まで住ませてしまい、残すは大掃除くらいのものだ。
少々、早手回しが過ぎたかもしれないが、ただでさえ気分的にバタバタする12月を少しでもゆったり過ごせるなら、来年からもそうしたいものだ。
何より、「早めに済ませると、色々安く上がりますからね。少しだけですけど!」
と、九条がやけに嬉しそうなので、俺も何となく嬉しい。

知彦

2019/09/02

今朝は、遥君が「揚げパンの気分!」というので、助手の僕は急遽、揚げパン係に。
パン生地を油に入れて、ぶわっと膨らむのを見るのは楽しいし、それを菜箸でくるくる返すのも、油をよく切って、きつね色の揚げパンに砂糖入りのきなこをまぶすのも、楽しい作業だ。
何だか僕だけ楽しくて悪いねって遥君に言ったら、「だってお手伝いは楽しくないと続かないだろ?」って言われて苦笑い。
子供じゃないんだから、そんな気遣いをしなくても大丈夫だよ!
でもまあ、楽しい作業は大歓迎。
出勤前のいいウォーミングアップになった。患者さんに、「先生、今日いい匂いするね。朝からコロッケ揚げてきた?」って言われちゃったけど。

2019/09/02

ずっと楽しみにしていた日が来た。
九条と、予約していた乗馬クラブへ朝から出掛けた。
二人とも初心者なのでしっかり講習と基礎レッスンを受けてから、インストラクターについて、二時間の遠乗りに。
慣れない姿勢や、馬とのコミュニケーションで緊張してしまい、遠乗りを終える頃には全身の筋肉が早くも痛み始めていたが、驚くほど楽しかった。
馬の背は予想以上に高くて驚いたし、俺を担当してくれた馬は、とても優しくしてくれた。
九条も、大いに楽しんでくれたようだ。
また、行こうと約束した。次はもっと上手に乗って、馬の負担を軽減したい。
また、九条と二人で楽しめる、新しい趣味ができたことも嬉しい。
それにしても……疲れた。そして、本当に全身が痛い。

知彦

2019/09/02

遥君が、お疲れ会をしよう!って今朝言い出したから、仕事帰りに待ち合わせて、焼肉に行こうって言ってたんだけど、行きつけの店が満席だたから、近くのジンギスカンの店に入ってみた。
とにかく、二人とも肉が焼きたい気分だったんだ。
ジンギスカンは久しぶりだけど、こんなに美味しかったっけってくらい美味しかった。
肉は柔らかくてよくタレの味が染みてたし、そのタレと肉汁で蒸し焼きみたいにするタマネギとモヤシが、また肉と同じくらい旨くて。
二人とも滅茶苦茶無口に食べまくって、最後に焼きうどんでしめてご馳走様した。
満足しすぎて、口を開けたら何か出てきちゃいそうで、帰りもずっと無口だった。
でも、大通りを外れたら、どちらからともなく手を繋いで、その手が二人とも冷えてて、ああ、秋だなあ。

九条

2019/09/02

先生と待ち合わせする時刻には、もう辺りが真っ暗になってしまう季節なんですねえ。
カフェのガラス越しに見える店内の灯りが、とても優しい色で大好きなんです。
その光の中で、タブレットで読書なさっている先生の頬杖姿が、また素敵で。
どうしてもしばらく外からその姿を眺めてしまうので、少しだけ遅刻する季節でもあります。
目の保養をしてようやく店内に入ったら、僕の姿に気付いて顔を上げた先生が、嬉しそうに微笑んでくださる。
そこでまた目の保養が出来てしまって、木曜日は本当に素敵な日ですね。

2019/09/02

店のガラスケースの上、隅っこに、一昨日彫ったかぼちゃランタンを飾っていたら、近所の人が、遊びで植えたらいっぱいできちゃったからって、おもちゃかぼちゃをいくつか持ってきて、横に飾ってくれた。
おもちゃかぼちゃって、もとから小さくて、色んな形の奴があるんだね。
なんだか人工的に作ったみたいなのに、自然なものなのだ。なんだか不思議。
店に来るちっちゃい子たちが興味津々だから、ハロウィンまでに、あげちゃってなくなるかもしれないなあ。
これで、食べておいしいなら完璧だけど、食用じゃないんだってさ。
来年は、俺も育ててみようかな。

2019/09/02

かぼちゃといえば、いつの間にか九条が、店の入り口に積み上げていたな。
店をリニューアルして以来、スペースにゆとりができたから、そういうディスプレイ的なものも楽しめるようになったようだ。
今年は敢えてランタンにはせず、そのまま積むことにしたそうで、ハロウィンが終わってから、何か料理に使いたいと言っていた。
あのオレンジのかぼちゃは、味はイマイチだそうだが、甘いペーストにすれば美味しく食べられるらしい。プリンかパイか……いずれにせよ、俺も作るのを手伝おうと思う。
日々の食事は、九条のほうが遥かに手際がいいから邪魔をしないほうがよさそうだが、菓子なら少しはできることもあるだろう。
二人で台所に立って、九条の繊細かつ機能的な動きを見るのは、俺の密かな楽しみなんだ。

知彦

2019/09/02

仕事から帰ったら、遥君が一心不乱に大きなオレンジ色のかぼちゃを彫っていた。
ああ、ハロウィン……! もう、そんな時期なんだね。
今年も九条さんに取り寄せていただいたそうで、ありがとうございます!
晩飯の後、僕も手伝って、二人で交代に彫り進めた。
出来上がったかぼちゃランタンは、去年のとも一昨年のとも違って、何だかちょっと間の抜けた顔。同じように彫っているつもりなのに、ちょっとしたことで違ってくるんだろうな。
ランタンと言いつつ、遥君の店は夜はやってないから、灯りを入れることはないんだけど、そのまんまで可愛いからいいよね。
お客さんが喜んでくれますように!

九条

2019/09/02

今日は先生が朝から市民講座でリハビリについて講演されるためお出掛けでした。
僕も聞きに行きたいと思ったのですが、先生が照れるからやめてくれと仰せでしたので、お留守番することに。
実はこっそり主催の市役所に問い合わせてみたら、もうほとんど満席だったのです。
先生のお話を聞きたい、深刻な悩みを持つどなたかの貴重な機会を、興味本位の僕が奪ってはいけないなと思いました。
なので、今日はお天気もいいですし、まずはたっぷり育てておいたパンジーの苗、それからホームセンターで買ってきたチューリップと水仙の球根を、屋上の庭に植えて植えて植えまくりました。
先生と二人で作る庭も素敵ですが、こうして春に向けて、ささやかなサプライズを仕掛けられるのも素敵です。

2019/09/02

兄ちゃんは子供の頃から真面目さんだったからな~。
ずっと息苦しそうだなって思ってた。
人前で絶対弱いところを見せない人だったから、前に家に遊びに行った時に、兄ちゃんが「九条、俺はもう眠い」って言ったのを聞いて、俺、ビックリしたもん。
それに対して、九条さんが嬉しそうな顔ですっげー普通に「ふふ、眠いお顔も可愛いですね」って返してるのにもっとビックリしたけど。
なんだっけ。餅にきなこ? 食パンにバター? みたいな奴。
そう、それ。割れ鍋に綴じ蓋だなって思った。
九条さんのおかげで、兄ちゃん、楽になったんだなって。
俺はさー。我が儘すぎてダメだなって大人になってから思ったんだけど、深谷さんがさ。
「遥君の我が儘は可愛いね」って言ってくれるんだよね。そっかー。へへ。

2019/09/02

運動会か。俺は運動が決して得意ではなかったから、運動会は幼い頃から苦痛なイベントでしかなかった。
だがそれでも、ゴール後の握手など御免被りたいな。
そんな配慮をするくらいなら、誰にでも一つくらいはある得意なところを見つけること、それを伸ばす楽しみを教えることに普段から奮闘してほしいものだ。
才能があれば、幼い頃はそれが上手にできる。
だが、ずっと得意なまま、ずっと上手なまま、ずっと人より優れたままでいるためには、人一倍の努力が必要になることが多い。
「勉強ができる、しっかりしている」と褒められた子供が、ずっとそうであろうとするストレスは、相当なものだ。
大人になってもなおそうであらねばならんという呪縛から解き放ってくれた九条には、感謝してもし尽くせないな……。

知彦

2019/09/02

週末にお邪魔した保育園と幼稚園の運動会が予想以上に印象的で、未だに遥君とその話をする。
一時は子供に優劣をつけるのはよくないという流れで、かけっこがなくなっていたそうだけど、今は復活させた代わりに、走り終わったらすぐ全員で握手をして、共に走った仲間を讃え合うルールなんだそうだ。
何だか僕も遥君も、少しモヤッとしている。
いや、一緒に走った仲間を讃えるのはいいことだと思うんだけど、一番になったからってはしゃいじゃダメっていうのがね~。
いいじゃないか、喜んだってガッツポーズしたって、跳ね回ったって。
頑張ったことが結果に結びついて喜ぶのは当たり前だよ。
「仲間がいるから競争できる」が来るのは、そのあとでもいいと思うんだけどなあ。

九条

2019/09/02

連休が終わってしまった……と、大野木先生はいつもの如く、沈痛な面持ちで出勤していかれました。
いざ医局に入られたら、即座にシャッキリなさるとわかっていますが、それでもあまりにヨレヨレで出て行かれるので心配してしまいます。
お昼に、「今日も弁当が旨かった。ごちそうさま」といういつものLINEが来て、ようやく安心しました。
やはり、部署のトップが元気でないと、職場の空気も重くなりますからね。
僕の場合は、店員は僕ひとりなので、より元気に励まなくては。
僕も先生と同じお昼を食べて、午後も頑張ります。

2019/09/02

晩飯の買い物に深谷さんとスーパーに行ったら、輸入ものの松茸、でっかいのを半分に割ったのが1500円だった。
国産は一本が一万円以上してたからとても手は出ないけど、1500円なら……。
とか思ってたら、深谷さんが真顔で「買っちゃう?」って訊いてきて、俺も反射的に「買おう!」って答えちゃってた。
思わず贅沢しちゃったけど、二人で半本だし、何しよう?って相談して、お吸い物と松茸ご飯にすることに。
深谷さんが、これも松茸って気持ちで!って言いながら、エリンギに衣をつけてフライにした奴をどっさり揚げてくれて、茸まみれの晩飯になった。
松茸サイコー! でも、エリンギのフライも同じくらい旨かった。ビックリ。
それにしても、茸と米だけで飯が終了するって珍しいよね。しかも大満足。

2019/09/02

連休とはいえ、めぼしい場所はどこも人出が凄いだろうと思うと、つい出不精になる。
助かるのは、九条もあまりあちこち遊び歩きたいほうではないことだ。
最初の頃は俺に合わせてくれているだけかと思ったが、そうでもないらしい。
今日も、起き出そうとした俺の腕を引いて、「今日は昼までダラダラしませんか」と言い出したのは九条のほうだった。
だがまあ、ランチくらいには出ようかと、敢えて駅前ではなく、住宅街の真ん中にある小さなフレンチレストランに行ったら、上手い具合に二人がけのテーブルが空いていた。
しかも週末や休日だけの手頃なランチコースがあったので、少々奮発した昼食を二時間ほどかけてゆっくり楽しむことができた。
幸先のいい連休のスタートだ。午後は、まず腹ごなしの長い散歩に取りかかろう。

知彦

2019/09/02

仕事から帰って、夕飯と風呂を済ませて、さてひとくつろぎ……と普段ならいくところだけれど、今夜は遥君とドーナツを揚げている。
売り物じゃなく、差し入れ。
明日は、二人して、遥君がいつもコッペパンを納品している保育園と、系列幼稚園の合同運動会に招待されている。
さすがにフルに見学するわけじゃないけど、ちょっと見せてもらって、差し入れにドーナツを持っていこうかと。
この前は野菜ドーナツだったから、今回はあんドーナツ。いつもあんこを炊いてくれるお婆ちゃんにお願いしたら、いつにもまして腕によりをかけてつぶあんを炊いてくれた。
天気が心配だなって言ったら、今の運動会は体育館を借りてやるんだって!
騒音対策かな。それとも、雨対策かな。どっちにしても、気分が出ないなあ……。

九条

2019/09/02

洗濯物を二人で畳んでいたら、僕がふと手にした大野木先生の靴下に穴が。
「ほら」と指を通してみせたら、先生は何故かお顔を真っ赤にして「すまない!」ともぎ取るように奪ってしまわれました。
「小さい穴ですし、縫って差し上げますよ?」と申し上げたのですが、不思議なくらい狼狽して、「いや、自分で縫う」と力説されるので、首を傾げつつ、そうですかと引き下がりました。
しかし、縫っておられるところを見ると、どうにもこう……それではまともに履けない仕上がりになりそうな具合。
結局、強引に取り上げて、僕が繕いました。
それにしても、どうしてあんなに照れたのか伺ったら、「自分でもよくわからないが、お前が俺の靴下に手を突っ込んでいるのを見て、異様に恥ずかしかった」と……。
僕にもさっぱりわかりませんが、人には色々なところに羞恥のスイッチがあるのかもしれませんね。
僕のは、いったいどのあたりにあるんだろう。

2019/09/02

連休は、今年最後のキャンプ!
もうだいぶ寒いだろうから、バンガローのほうにした。テントは好きだけど、バンガローのベッドで快適に眠るのって、いっぺん経験するとやめられないんだよねえ。
温泉に入って、道の駅で買った食材でバーベキューして、また温泉に入って、ベッドで寝る。
ほとんどキャンプっていうか自炊旅行だけど、いいのいいの。
今から、仕事が終わってから夜に少しずつ準備をしてる。
深谷さんがふと、「遥君、平日の朝夜も休みの日も、旅に出るのも僕と一緒で退屈しない?」って訊いてきた。
全然? 俺、友だちとどっか行きたいときは好きにするから、深谷さんと一緒に行くときは、深谷さんと行きたいときだよって言ったら、「よかった、僕もだよ」だってさ。
変なこと気にするなあ。無理して一緒に遊びに行く人なんているのかな……?

2019/09/02

「これをね、物置で偶然発見したんですよ」
と、九条がやけに嬉しそうに言うので何かと思ったら、厚手の鋳物の鍋だった。
どうやら、九条のご両親が引っ越しの際、置いていかれたものらしい。
確かに、黒々して美しいものではあるが、驚くほど重い。遠くへ越すのに、これは持っていきたくなかっただろう。
お母さんの思い出の品だから嬉しいのかと思いきや、使っているところは見たことがないという。貰い物か何かを、ずっと物置に放り込み、家族全員で忘れ去っていたらしい。
九条は料理好きだから、あれを作ろうこれによさそうだと、あれこれ作りたいものが思い浮かぶようだが、まずは手持ちのサツマイモを蒸し煮にしてみた。
芋がいいのか鍋かいいのかはわからないが、実に旨かった。
旨かったが、サツマイモを食べてしまったせいで、せっかくの炊きたての飯が入らず、勿体ないことをした。
明日の朝、九条がおにぎりにしてくれるらしい。

知彦

2019/09/02

毎朝、遥君が起き出すアラームの音で一度起きて、その後もう一度少しだけ寝直してからパン焼きの作業を手伝いに行くというパターンが、すっかり定着している。
ところが今朝は、物凄く深い眠りの中にいたのか、遥君が起き出したのに気付かなくて、すっかり寝坊してしまった。
二度寝だと小一時間でパチッと目が覚めるのに、一度起きそびれるとダメみたいだ。
遥君も起こしてくれたらいいのに気を使って寝かせておいてくれたものだから、パン屋の仕事を手伝うどころか、病院の仕事にもあやうく遅刻するところだった。
ふー、月曜日からこれじゃ、この先が思いやられる。ちょっと気を引き締めよう。
今朝はひとりで働かせてしまった遥君にも、何かお疲れ様のデザートを買って帰ろう。やっぱりケーキがいいかな。それとも、季節柄、パンプキンプリンのほうがいいかな。

■このブログは

大野木甫
医師の大野木甫
九条夕焼
フラワーショップ店主の九条夕焼
大野木遥
甫の弟でコッペパン専門店店主の大野木遥
深谷知彦
甫の部下で理学療法士の深谷知彦

仕事人である彼らが、昼休みに綴ります。
だから平日12:00頃更新。土日祝日はお休みです(ときどき休日出勤あり…)。

それぞれの恋模様は『お医者さんにガーベラ』『お花屋さんに救急箱』をご覧ください。

Novel 椹野道流
Illustration 黒沢要

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