働くおにいさんブログ一覧

2019/09/02

ゴールデンウィーク!
つっても、カレンダー通りの休みだから、今は普通の週末なんだけど、週の後半が休みになると思うと、気分的にこう、上がるよね!
どっか行こうよー!って深谷さんに言ったら、「どこも混んでるよ~」って茶の間でゴロゴロしながら言われちゃった。
わかってるけど! わかってるけど、どっか行きたーい!
隣に転がって手足をバタバタさせてたら、「わかったわかった。降参」って笑って起きてくれた。
どこ行こうか!
買い物? 映画? ボーリング? カラオケ? 全部でもいいよ!って言ったら、深谷さん、「駄々っ子のお父さんになったみたいだなあ」って。
違うよー! デートだろ! デート! ラブラブ感出していこー!

2019/09/02

中途半端に二日店を開けたところで花の扱いに困るだけなので、九条は明日からまるまる八日、店を休みにするらしい。
俺もつきあえれば海外旅行などとできそうなんだが、さすがに病院はカレンダーどおりの出勤を要求されてしまう。
科のトップがGWに有給を取るようなことはできないしな……。
申し訳ないが、今年も近場でちょっとした外出をするだけの、変わり映えしないGWになりそうだ。
せめて、九条の邪魔にならない範囲で家事を引き受け、外で食事をする機会を増やそうと思う。
そう言ったら、九条に真顔で「慣れない家事に手を焼くあなたを存分に堪能できるんですね。嬉しいです」と言われてしまった。
いや……喜んでもらえるなら何よりだが……何だろう、この微妙な気持ちは。

知彦

2019/09/02

患者さんに、「GWどっか行くんですか?」って訊かれることが増えた。いよいよなんだなあ。
特に予定はないって答えると、つまんないなーって言われるけど、患者さんも似たり寄ったり。
みんなが行きたいところは、滅茶苦茶混むもんなあ。
遥君をテーマパークに連れてってあげたいけど、アトラクションの待ち時間が凄そうだし。
医局でも、「特にどこにも行かない」って人が多いみたいだ。
みんながちょっとずつずらして休めたらいいのにな……。
夏休みみたいなシステムをGWにも導入してもらえないかな~なんてとりとめもないことを考えながら、昼休み、近場のレジャースポットを検索してみたんだけど、やっぱりどこも混みそう。
映画も、めぼしい奴は前売りが売り切れ! ああー、今年も出遅れた感が凄いぞ。どうしよう。

九条

2019/09/02

今日から、来週の休業に備え、日持ちの短い花からセールに。
アジサイの鉢植えも、値段を下げたらあっという間に売り切れてしまいました。
女性陣の、お得なものを見つけるセンサーは本当に優秀ですね。
思ったよりよく売れたので、なんだか店内が寂しくなってしまって、これはいけないと、結局少し追加を仕入れることに。
まあ、花は回転がいいのが何よりなので、薄利多売もたまにはいいかなと。
何より、花を買って店を出て行く方というのは、ほとんど嬉しそうな顔をなさっていることが多いので、見ている僕もその幸福感のお裾分けをいただいている気持ちです。

2019/09/02

兄ちゃんののろけはド直球だからな~。いっそ微笑ましい感じがする。
今日、何故か店の真ん前ででっかい猫が寝ててさ。
最初、倒れてるのかと思って飛んでいったら、すっげー迷惑そうな顔をされた。
失礼な奴だなーもう!
でも、すっごく気持ちよさそうだよね、日向でお腹丸出しで寝てる猫って。
お客さんが、猫を起こさないように、そろーっと入ってくるのが面白かった。
で、夕方近くになって、陽射しが翳ってきたら、つまんなそうな顔で、どっか行っちゃった。
首輪をしてたから、近所の猫さんかな。
交通量は少ないけど、車に気をつけろよ~。

2019/09/02

昼休み、せっかく陽射しがうららかで気持ちよさそうなのに、医局でもさもさと昼飯を食うのもな……と思って、弁当を持っていったん帰宅した。
九条が驚いていたが、屋上で弁当を食べようかと思ってと言ったら、「ご相伴しましょう」と、自分の分の弁当とお茶を持ってきた。
いつもこんな風にしっかりと昼休みがとれるわけではないが、たまにはこういうのもいい。
そろそろ咲き終わりのチューリップや、他の名前を知らない色々な花を眺めながら、九条とのんびり弁当を食べた。
毎日家で話しているのに、こういうときに喋る他愛ないことというのは、何となく胸に染みるものだな。
今日二度目の「いってらっしゃい」に送られて職場に戻ると、いつもよりずっと気力が満ちている気がした。
やはり人間には、ささやかな変化が必要だ。
皆にも、やれる範囲での小さな気分転換を勧めてみようと思うと深谷に言ったら、「先生、それはのろけです」と真顔で言われた。そ……そうだろうか……。

知彦

2019/09/02

遥君と一緒に過ごす週末もいいし、別々に過ごす週末も、それはそれでいい。
今日は別々。
遥君は、お師匠さんのパン教室の手伝いに。僕は、勉強しに図書館へ。
たいてい別の用事で出掛けていても、晩飯は一緒にすることが多いんだけど、今日は遥君、お師匠さんにご馳走になるそうだから、久々の一人飯!
何故か妙なテンションの上がり方をして、駅前の入ったこともないラーメン屋で味噌ラーメンと餃子のセットを食べてしまった。
意外と旨くて嬉しくて、でもやっぱり「遥君にも食べさせたいなあ……」と思ってしまった。
今度、一緒に行こう。でもって、ラーメンと餃子セットと、ラーメンと唐揚げセットを一つずつ注文して、半分ずつ分けよう。二人ならそれができる……!

九条

2019/09/02

僕が大好きなバンドが再結成して来日公演をするので、大野木先生をお誘いして、仕事が終わってからコンサートに出掛けました。
ずいぶん前に一度解散したバンドなので、客席の年齢層も高めで、落ちついて和やかな雰囲気。こういうのも悪くないですね。
懐かしい曲がたくさん聴けて、僕はとても楽しかったです。
先生はどうかなと少し心配だったのですが、「自分では行かないタイプのコンサートだったから楽しかった」と言ってくださってよかった。
付き合ってくださったお礼に、タパスバーで遅めの軽い夕食をご馳走させていただきました。
コンサートの感想を語り合い、さっぱりした白ワインを飲みながら、タパスだのピンチョスだのと細々した料理をつまむ食事は、楽しいものです。
一品毎のカロリーを考えれば、実のところは大して軽くもないのですが。

2019/09/02

風呂くらい一緒に入ればいいじゃん! 俺と深谷さん、いつも一緒だよー!
そのほうがいっぺんに済むし、上がり際、風呂場も二人で洗えばすぐだし。
変なとこで照れるよねー、兄ちゃんは。面白いな。
あっ、でももしかして深谷さん、たまにはひとりでのんびり風呂に入りたいとか思ってるかな。
気になって訊ねてみたら、すっごい素で「いや、なんか慣れた」って言われた。
「合宿っぽくて僕は好きだよ」って、それ、俺もー!
毎日合宿みたいだよね、俺たち。でもって、それがすっげー楽しい。
でもって、ひとりになると、こういう静かなのもマイペースなのもいいなって思うんだけど、深谷さん今何してるかなとか、俺が見てる綺麗なものを見せたいなとか、色々思うのがまた好き。

2019/09/02

仕事から帰って、風呂に入っている間に、九条が夕食の支度をすっかり済ませておいてくれる。
なんとも申し訳ないことだが、病院から帰ったらまずは風呂というのは衛生観念上不可欠だし、その間、何もせずに待てというのはそれはそれで横暴というものだろう。
せめて洗い物は俺がと引き受けているのだが、そうすると九条は今度はリビングで、乾いた洗濯物をたたみ始める。
家事をしないで自分の時間を楽しんでくれ、と言っても、「楽しいですよ?」と返されてしまうので困っていたのだが、それを先日遥に打ち明けたところ、非常にシンプルな助言をもらった。
まさかそんな……と思いつつ、今日、勇気を振り絞り、極力さりげなく「たまには風呂でも一緒にどうだ」と声をかけてみたところ、「喜んで」とスタスタついてきた。
な……なるほど……! 遥の助言は正しかったが、非常になんというか、誘っておきながら俺がいたたまれない……!

知彦

2019/09/02

日中はすっかり暖かくなってしまって、なんだかかえって怠い感じがする。
今朝は、遥君が始めてTシャツで作業をしていて、ああ、そんな季節が来たんだなあ……とちょっとしみじみしてしまった。
さすがにもう鍋物もないもんだなと、仕事から帰って、土鍋を戸棚にしまい込んだ。代わりに、素麺用のでっかいガラスの鉢を下ろして食器棚に。
夕飯に冷たいものってのはまだ早いけど、準備はしておかないとな。
我が家は、クローゼットの衣替えはないけれど、むしろ食器棚の中身を衣替えしている感じがする。
あとはコッペパンのフィリングで季節を感じるかな。
毎年、この時期は月替わりのフィリングで苦労している遥君だけど、来月は何にするか、もう決まったのかな。

九条

2019/09/02

庭の水仙とチューリップが、今年は同じタイミングで咲いてくれて、とてもカラフルで綺麗です。
水仙の黄色もチューリップのピンクや赤や白も、元気の出る色ばかりで、やはり春はいいものですね。
店の花たちもどれもカラフルですし、季節の先取りもここまで来たか……と思いますが、アジサイも出回り始めたので、なんだか春を通り越して、初夏の趣すら漂い始めました。
こんな調子だと、あっという間に一年が終わってしまいそうで意味もなく心がザワザワします。
もう少し春を楽しみたい気持ちが心のどこかにあったのか、買い物に出掛けたときに菜の花を買い求めてしまいました。
おひたしにしようか、胡麻あえにしようか……茹でておいて、先生がお帰りになってから相談してみましょうか。

2019/09/02

夕方、深谷さんと二人してちゃんとドレスアップして、電車に乗って、二年前にできたフレンチレストランへ。
邸宅フレンチっていうの?
昔は外国の人が住んでたでっかい洋館を改装して、レストランをオープンしたんだって。
庭で結婚式もできるんだってさ。
料理は……夢みたいに旨かった。なんだかもう複雑すぎて繊細すぎて、「何だこれ」と「凄い」と「旨い」しか言えないの。
パンだって、料理に合わせて、フォカッチャだったり、バケットだったり、ハーブを練り込んだロールパンだったり、小さいのが一つずつ添えられるんだよ。
はー、深谷さんも喜んでたけど、俺も大喜び。
思わず「俺の誕生日祝いもこれで一緒に済ませていいよ」って言ったら、九条さんが「そういうときは、俺の誕生日祝いもここでいいよ、って言えばいいんですよ」ってニコニコして言ってくれた。
ま、まじでー! ビックリしてたら、「兄貴の甲斐性を舐めるな」って兄ちゃんにも言われちゃった。大人って……すげえな……!

2019/09/02

深夜にふと喉が渇いて目が覚めた。
羽布団に毛布を重ねていると、いささか暑いのだな……と、そのとき気付いた。
季節は、確実に夏に向かって進んでいるんだな。
足音を忍ばせてキッチンに行き、水を飲んでいたら、九条も起きてきた。
俺の顔を見るなり、「そろそろ毛布は片付けましょうか」と眠そうな顔で笑った。
なんだ、やはり同じか。
冷たい水を飲みながら、キッチンで少し立ち話をして、ベッドに戻って、毛布を片付けた。
一枚外しただけで、布団がとても軽い。
「これなら、まだ寄り添って眠れますね」と、俺の肩のあたりに額をくっつけて九条が笑う。
そうだな、と同意してから、猛烈に照れた。

知彦

2019/09/02

なんだか、僕のためにわざわざ申し訳ないです。でも、憧れの店に行けることになって、とても楽しみです。
ちょっとしたイベントなので、夕飯の後、遥君と二人して、スーツがちゃんと入るかどうか確かめよう!と、突然のドレスアップ大会になりました。
僕はまだ学会で着る機会がありますが、遥君は年に一度着ればいいくらいなので、ネクタイで首が気持ち悪いと大騒ぎでした。
なんだか、遠足の前の日みたいな気持ちでワクワクしています。
目先に楽しみがあると、仕事もより明るい気持ちで取り組めますね。
今日は患者さんに「なんかいいことあった?」って訊かれちゃいました。
僕はどうも、わかりやすくていけないなあ……。

九条

2019/09/02

ふふ、僕と大野木先生も楽しみですよ! 今週は僕らも、木曜日のアフターお稽古デートをパスして、体調と胃腸を整えることにしました。
桜がさんざん焦らしたあと、駆け抜けるように終わってしまったので、なんだかちょっと春に追いつかれ、追い抜かれたような気持ちになってしまっています。
今、店はチューリップがたくさん入荷していて、色とりどりでとても綺麗です。
ピンク系が多いので、やはり春らしいですね。
そこに水仙の黄色を添わせて、セットでお客様にお勧めしています。
今、自宅の玄関にはネコヤナギの枝を投げ入れで生けていて、毎朝、出掛けるときに、大野木先生が決まって、ふわふわの花穂をそっと触っていかれます。
その嬉しそうなご様子が、毎朝の僕の活力です……が、少しだけネコヤナギに嫉妬しますね……。

2019/09/02

へへー。兄ちゃんが予約してくれたの、深谷さんと二人、いつか行きたいね!って言ってた店なんだよね~。
だけど、コースがすっげー高いし、敷居も高いしで、ずっと躊躇ってた。
兄ちゃんと九条さんが「だったら、プレゼントはなしにして、その店でご馳走してやろう」って言ってくれたから、思いきってお願いしちゃった。
午後、予約の時間とかを九条さんが知らせてくれたから、「ホントによかった? 贅沢すぎない?」って訊ねたら、「実は僕も行ってみたかったので、お相伴できて嬉しいですよ」って返事が来た。
じゃあ、土曜日は深谷さんの誕生日とダブルデートを兼ねての会食だね!
楽しみ過ぎて、美味しく食べられるように代謝をよくしよう!って、深谷さんの早朝ランニングに、俺も付き合ってる。
生地の二次発酵が終わるまでの時間待ちにちょうどいいんだよね。
はー、楽しみだな~。

2019/09/02

予定していた店が予約できなくて、遥が「初志貫徹!」と叫ぶので、結局延期することになった深谷の誕生日祝いが、ようやく土曜にできそうだ。
さっき店から連絡があって、キャンセルが一組あったから予約を受けられると言われてホッとした。
まあ、当日は二人で祝ったんだろうからと九条と話していたら、夜に買ってきたカットケーキを食べただけだったらしい。
やれやれ、土曜日にきちんと祝う気まんまんだな。
残念ながら桜はもう終わってしまっているだろうが、なに、四人揃って健やかに祝えることが何よりだ。

知彦

2019/09/02

遥君は、パンのお師匠さんのお宅にお呼ばれ。当然、先方で食べていただくパンを、早朝から緊張の面持ちで焼いていた。
僕はそんな遥君を見送って、厨房の片付けを引き受けて、それから何となく二度寝。
そんなことは滅多にしないんだけど、春だからか、やたらに眠かった。
気がついたら昼を過ぎていたから、夕飯の買い物がてら外に出て、軽く腹に何か入れようと回転寿司に入ってみたけれど、やっぱりこういうところは、遥君と一緒のほうが楽しいな。
ひとりだと、どうしても機械的に胃袋を満たす作業になってしまう気がする。
僕は、ひとりで食事をするのが下手なタイプかも。
でも、書店で読みたかった本を買って、カフェが混み始めるまで小一時間、美味しいコーヒーを飲みながら読んで……それは凄くいい時間だった。
本当にたまにだけど、ひとりになる時間がほしくなるんだよな。遥君もそうかな。

九条

2019/09/02

夕飯を作っていて、ふと気付けば、牛乳を切らしていました。
クリームシチューを作ろうと思っていたので、カレーに変更しようかと一瞬思ったんですが、やはり初志貫徹したくなって買い物に。
あまり遅がけにスーパーに行くことはないんですが、やはり閉店が近くなると、値引きシールを貼られた品物が多くなって、つい目移りしますね。
つい、買わなくていいものまで買って帰ってしまいました。
ちょうどお帰りになった先生にその話をしたら、「食費の設定額をもっと上げたほうがいいか?」と心配されましたが、そういうことではなく。
よいものが値引きされているのを見つけるのは、僕にとっては実益を兼ねたゲームのようなものなのだとご説明して、安心していただきました。
正直、二人ともそんなに大食らいでも美食家でもありませんから、さほど食費はかさみませんよ。大丈夫です。

2019/09/02

常連のお婆ちゃんが、お土産だよ~って桜餅を持ってきてくれた。
パンを買ってくれてお土産までくれるとか、なんか申し訳ないんだけど、ありがたくご馳走になることに。
晩飯の後、二人で縁側に座って、隣の家の桜を見ながら食べた。旨かった!
縁側ってさ、しょっちゅう拭き掃除しなきゃいけなくてめんどくさいけど、あると素敵なときもいっぱいある。
真冬はさすがに寒いけど、それだって、月を眺めるには凄くいいんだよ。
あと、ケンカしたときも、縁側は便利。
なんか、横並びで座ってると、いい具合に頭が冷えて、仲直りしやすくなる。

2019/09/02

桜が最高に綺麗な時期は、本当に一日、二日だな。
満開になるのが楽しみなのに、そうなってしまえば、あとはすぐに散ってしまうと思ってもの悲しくなる。
人間というのは勝手なものだ。
ソメイヨシノは全部一本の木のクローンだと九条に教わって以来、家々から通りに向かって桜が枝を伸ばしているのを見ると、桜どうしが近しく話をしているような気持ちになる。
これまた勝手な空想だが。
うちの庭に植えたソメイヨシノは、今年もチラホラ咲いた。
まだ、立派に咲き誇るには、成長期間が必要そうだ。
それにしても、うちの桜には話し相手がいなくて寂しそうだな……。
もう一本、植えてやったほうがいいだろうか。

知彦

2019/09/02

昼休み、売店で買ってきたパンを食べていたら、やはり自席で弁当を食べておられた大野木先生が、「そういえばエイプリルフールに何か嘘をついたか?」と訊ねてこられた。
いえ、特にと答えると、何故かホッとしたご様子。
訊ね返してみたら、すっかり忘れておられたらしい。
僕は、そのくらいが平和でいいと思いますと言っておいた。うちも、エイプリルフールだね、そうだね、で終わってしまったような。
騙すことで相手を喜ばせるって、きっと凄く難しいだろうし。
わざわざ怒らせたり、悲しませたりはしたくないもんなあ。

九条

2019/09/02

あちらこちら、桜が満開になりつつあって、素敵ですね。
先生がお帰りになってから、夕飯を済ませて、二人で夜桜散歩に出ました。
夜は少し寒いので、コンビニで熱いコーヒーを買って、公園のベンチで桜を眺めながら飲んで温まりました。
最近は、コンビニのコーヒーもずいぶんと美味しいんですね。
「ソメイヨシノは寿命が短い上に、全員が一本の木のクローンですから、病気が流行りやすいんですよ」と言ったら、先生が、「なるほど、桜の世界にも、生物学的多様性が必要なんだな」とお医者さんの顔に。
話題としてはややロマンチックを減じるものでしたが、いつも自宅ではやわらかな表情をしておられる先生の、ドクターモードのときのキリッとした横顔が見られたのは素敵な収穫でした。

2019/09/02

まだ桜はほどほどだが、昨夜、職場で一足先に花見をしてしまった後ろめたさもあって、九条を花見散歩がてらのランチに誘った。
川べりに出掛けてみたら、同じことを考えた人だらけで、とても賑やかだったが、歩けないというほどでもなかった。
春は、そのくらい賑わっていたほうが気持ちが浮き立っていい気がする。
やはり俺は、散る桜より、咲き進む桜のほうが好きなようだ。
人混みに紛れて繋いだ九条の手が温かくて、春の木洩れ日のようだった……と言ったら、「詩人ですね」と笑われてしまったが、俺だってたまにはその程度のことは感じる。
帰宅したら、九条が俺を見るたびニコニコするので何かと不思議に思っていたら、風呂に入ろうとしたとき、気がついた。
前髪に、桜の花びらが一枚ついていた。
教えてくれればよかったのに……。そっと、風呂の湯に浮かべておいた。

■このブログは

大野木甫
医師の大野木甫
九条夕焼
フラワーショップ店主の九条夕焼
大野木遥
甫の弟でコッペパン専門店店主の大野木遥
深谷知彦
甫の部下で理学療法士の深谷知彦

仕事人である彼らが、昼休みに綴ります。
だから平日12:00頃更新。土日祝日はお休みです(ときどき休日出勤あり…)。

それぞれの恋模様は『お医者さんにガーベラ』『お花屋さんに救急箱』をご覧ください。

Novel 椹野道流
Illustration 黒沢要

※ブログ内のすべてのテキスト・画像等の転載転用を禁じます。

アイコンについて
  • プラチナ文庫
  • プラチナ文庫 アリス
  • プラチナ文庫 艶
  • ラピス文庫
  • f-LAPIS
  • プランタンe-Boys!
  • 本あり
  • 電子書籍あり