十字架の愛罪

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本価格:586(税込)

  • 本販売日:
    2006/10/25
    ISBN:
    978-4-8296-5450-7
書籍紹介

淫らな性器をなぶって背徳の証を搾り取って…

継いだばかりの教会を守るために、神父・令毅は、ヤクザのような男・伊沢からの要求を呑んでしまった。「神父よりも、娼婦になったほうがいいと思わせてやる」神聖なる十字架に括りつけられ、伊沢にされるがまま醜態をさらしてしまった。それ以後、毎晩のように蹂躙され、冒涜の限りを尽くされる。だが、ふとした拍子にみせる伊沢の態度が、令毅にとって『憎むべき相手』としてではなく、なぜか曖昧な気持ちを抱かせる――。
立ち読み
「……っぁあ……っ!」
  悲鳴に似た声があげり、最後まで埋めこめたのがわかった。
  ――痛ぇ……。
  伊沢は動きを止め、歯を食いしばる令毅のあごをつかんで、そっと腕の中に抱えこんだ。あらがう気力すらないほど、令毅は中の違和感に耐えるのに精一杯らしい。
  確かに、中はひどくきつかった。
  隙間なく押し広げられた襞が、伊沢の性器にからみついている。これが初めてだということは間違いないというのに、奥のほうからしぼりあげてくるような感覚もあって、経験の浅い男だったらあっという間に射精してしまったことだろう。
「てめえの中は、ひどく気持ちいいな」
  正直な思いだったが、令毅には屈辱でしかないらしい。
  このまま、令毅の身体を自分の思うがままに慣らしていきたい。もっと感じやすく、快感に流されて溶けるように仕立てていきたい。神のしもべではなく、快楽にあえぐ人のままでいい。
  そう思うと、どうにかなりそうなほど興奮した。
「力を抜け。いずれおまえを、入れてもらうためならなんでもするような淫売に仕込んでやるよ」
  その言葉に令毅が伊沢をにらみつけようとして、体内の楔に息を呑んだ。
「……誰が、……そんなこと……っ」
  屈辱に満ちた反応を見守りながら、手で腰骨を押さえこんでゆっくりと動き出す。
  令毅の体内にあった性器を抜き出し、また沈めていく。
  痛みに令毅の身体がすくみ上がり、ぎゅっと苦痛に表情をゆがめることすら美しくて、腰の動きを加減することなどできなくなっていた。
  ――どうして、俺はこうなのだろう。
  大切なものは、壊すことしかできない。
  最後に何も残らないのは、わかりきったことなのに。
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