小銭ろまんす
書籍紹介
誰があんなヤツ好きになるかーっ!
超ド貧乏な高校生の一実は、お金と甘いものが大好き
立ち読み
「――――おい、なにをしている」
「……チェッ、これもゴミか。ゴミはゴミ箱に捨てろよなっ」
ポイと腹いせに放ったゴミが、男の足に当たる。
「おいっ」
「おっ……なんと一円発見っ! よっしゃあ、あと九円っ!」
頑張るぞーっと一実は意気ごむ。一円玉は自動販売機では使えないということは、まったく考えていない。
と、背中をいきなり蹴られた。
「痛っ、なにすんだよっ」
「小さすぎて目に入らなかった。すまんな」
反動でゴツンと床に頭をぶつけた一実は、まったく悪びれない相手にムカッとして顔を上げた。
ところが。
「んぁあっ」
よりによって、なんでテメーが…っ。
偉そうに腕を組んでふんぞり返っていた人物に、一実は顔を引き攣らせた。
「ほ……穂積先輩……っ」
先輩という言葉さえもつけたくない。それくらい嫌い。
口にすればそれだけで呪いの力を持つ言葉のように、一実は呟いた。
「……チェッ、これもゴミか。ゴミはゴミ箱に捨てろよなっ」
ポイと腹いせに放ったゴミが、男の足に当たる。
「おいっ」
「おっ……なんと一円発見っ! よっしゃあ、あと九円っ!」
頑張るぞーっと一実は意気ごむ。一円玉は自動販売機では使えないということは、まったく考えていない。
と、背中をいきなり蹴られた。
「痛っ、なにすんだよっ」
「小さすぎて目に入らなかった。すまんな」
反動でゴツンと床に頭をぶつけた一実は、まったく悪びれない相手にムカッとして顔を上げた。
ところが。
「んぁあっ」
よりによって、なんでテメーが…っ。
偉そうに腕を組んでふんぞり返っていた人物に、一実は顔を引き攣らせた。
「ほ……穂積先輩……っ」
先輩という言葉さえもつけたくない。それくらい嫌い。
口にすればそれだけで呪いの力を持つ言葉のように、一実は呟いた。
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