夜の共犯者
書籍紹介
「シャワーくらい、浴びさせて…」
現役高校生スターの東條尚之は、昔ファーストキスを奪われた憎い麻生統と、ドラマの共演を機に恋人同士になる。そんな二人に今度は刑事物の話がきて。
立ち読み
単調な水音が、静かな闇の底から、尚之の意識を誘い出す。
(雨の音?)
青すぎる空を突然覆い隠した灰色の雲を思い出して瞳を開いた尚之は、そこがバス
ルームで、聞こえていたのはシャワーの音だということに気づいた。
意識が戻ると、統の腕に抱かれて熱いシャワーに打たれているという、いつものパ
ターン。
「やっと気がついたか…」
吐息を洩らす統の甘い面差しは少しも怒っていないようにも見えるけれど、あきら
かに声が怒っている。
「ごめんなさい…」
「ごめんじゃすまないよ。途中だったのに…」
尚之の耳にねっとりと舌を這わせながら、うらめしげに統は責める。
「でも、オレはちゃんと、もうだめだ…って」
「申告したって?」
尚之がうなずくと、統はまだ不機嫌そうに瞳を細めて、膝の上に抱いている尚之の
太腿の間に指先をすべらせてきた。
「一緒にいきたかったのに…」
(雨の音?)
青すぎる空を突然覆い隠した灰色の雲を思い出して瞳を開いた尚之は、そこがバス
ルームで、聞こえていたのはシャワーの音だということに気づいた。
意識が戻ると、統の腕に抱かれて熱いシャワーに打たれているという、いつものパ
ターン。
「やっと気がついたか…」
吐息を洩らす統の甘い面差しは少しも怒っていないようにも見えるけれど、あきら
かに声が怒っている。
「ごめんなさい…」
「ごめんじゃすまないよ。途中だったのに…」
尚之の耳にねっとりと舌を這わせながら、うらめしげに統は責める。
「でも、オレはちゃんと、もうだめだ…って」
「申告したって?」
尚之がうなずくと、統はまだ不機嫌そうに瞳を細めて、膝の上に抱いている尚之の
太腿の間に指先をすべらせてきた。
「一緒にいきたかったのに…」
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