放課後はスキャンダル
書籍紹介
司が増殖!? スキャンダル第2弾
わけあって家では女として過ごしている春香は、恋人・司の花嫁候補として道前寺家を訪問することになってしまったが!?
立ち読み
「これは、驚きましたね。まるで、天女が舞い降りたのかと思いましたよ」
「本当に、類を見ない美しさですね」
「司が今まで私達に逢わせることを渋っていたのは、天使を独り占めしておきたかったからでしょう」
ぞろぞろと客間の中へ入ってきた司によく似た男達が、これまたいかにも司が言いそうな歯の浮くような台詞を口々に並べ立てながら、春香を取り囲んできたからだ。
な、なんなんだ、こいつらは。
まさか司が増殖したんじゃないだろうな。
春香は顔を引きつらせながら、じりじりと後ろへ後退る。
頭の中には、ポケットを叩くたびにビスケットが増えていく不思議なポケットの歌がぐるぐると回っていて、ビスケットのように増え続ける司を連想した春香は、完全にびびってしまっていた。
「兄さん達、紹介もすまないうちに失礼でしょう。春香さんが、怖がってるじゃないですか」
兄さん達?
なんだ、司が増殖したんじゃなかったんだ。
そう言われれば、冷静になって改めて見ると、それほどそっくり似ているというわけで
はない。たしか司はすぐ上の兄とでさえ十歳も歳が離れていたはずだし、そのせいか雰囲気も少しずつ違っている。
「本当に、類を見ない美しさですね」
「司が今まで私達に逢わせることを渋っていたのは、天使を独り占めしておきたかったからでしょう」
ぞろぞろと客間の中へ入ってきた司によく似た男達が、これまたいかにも司が言いそうな歯の浮くような台詞を口々に並べ立てながら、春香を取り囲んできたからだ。
な、なんなんだ、こいつらは。
まさか司が増殖したんじゃないだろうな。
春香は顔を引きつらせながら、じりじりと後ろへ後退る。
頭の中には、ポケットを叩くたびにビスケットが増えていく不思議なポケットの歌がぐるぐると回っていて、ビスケットのように増え続ける司を連想した春香は、完全にびびってしまっていた。
「兄さん達、紹介もすまないうちに失礼でしょう。春香さんが、怖がってるじゃないですか」
兄さん達?
なんだ、司が増殖したんじゃなかったんだ。
そう言われれば、冷静になって改めて見ると、それほどそっくり似ているというわけで
はない。たしか司はすぐ上の兄とでさえ十歳も歳が離れていたはずだし、そのせいか雰囲気も少しずつ違っている。
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