ラストチャンスを掴まえろ!
書籍紹介
アイドル稼業もラクじゃないっ!
デビュー十周年を迎えたオレたちアイドルグループKIDSに解散の危機が!? 恋と夢の実現をめざせ!
立ち読み
「春平先輩は、俺がもらいます」
「──────────あ!?」
ちょっと待て! ここまで険悪なムードを盛り上げて、なんで出てきた言葉が“オレの指名”なんだよ! え!?
しかも、もらうって…どういうこと!?
オレは唖然としちゃって、口がパクパクしていた。
「ほー。春平はいつから“モノ”になったんだ?」
でも、会話を続ける伊織の声がジワリと低くなって、オレの口のパクパクは、ヒクヒクに変わった。
『やばい……伊織の声がマジになってきた。このままじゃ切れる。しかも薫くんも大輔も、仲裁に入る気は全くないって顔してる』
世羅は、完全に人間地雷を踏み付けたんだ。
オレは、怪我人とか死人が出ないうちに、どうしたらこの場をうまくおさめられるのかを考えた。
『だめだ…。オレはどっちかっていったら“やっちゃう方”で、こういう“止め役”は、伊織とか薫くんの方が、数万倍も達者なんだ』
オレは伊織を“どうにか宥めよう”なんてことは諦めて、世羅をここから引き摺り出す方を選択した──────んだけど、
「まだ“誰のモノでもない”でしょう!? だから、オレがもらうんです。KIDSが解散したあかつきには、俺とユニットを組んでもらいたいし」
『────────ユニット!? 一匹狼の世羅と、このオレが!?』
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