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本価格:690(税抜)

電子書籍価格:--円(税抜)

  • 本販売日:
    2019/03/08
    ISBN:
    978-4-8296-2663-4
書籍紹介

“運命の番”は犯罪者と刑事

「貴方は私だけのオメガです」
警視庁組織犯罪対策部の新人刑事・霧人は、薬物取引現場へ突入した際に
クライムコーディネーターの愛染と出会い、オメガに変化してしまう。
アルファである愛染のフェロモンを浴びたことで、“運命の番”として開花したのだ。
反発し拒絶するが、刑事としての立場と抑制剤のために取引して身体の関係を持ち……。
対極の世界に立つ二人が選ぶ愛の形とは?

立ち読み

「う、そ……だ……」
「嘘じゃありません。貴方は確実にオメガですよ。私の本能が証明している」
 ほら、と愛染が歌うように告げると、たちまち先ほど感じた甘い香りがさらに強烈になり、霧人の肺を圧迫した。
 あまりの息苦しさに、膝が勝手に崩れる。
「うっ……くっ……はっ……」
 一瞬で肺の中を占拠した重苦しい空気を逃そうと息を吐き出すと、口腔内の唾液がすべて蜜の味に染まった。
 苦しい、甘すぎて気持ちが悪い。でも──美味しい。
「分かりますか? 私のフェロモンを浴びて、貴方のオメガフェロモンが開花した。今の状態はオメガに定期的に訪れるヒートとは種類が少し違いますが、とても近い状態にある。……ふっ、いいですね。まだ青臭いけれど鮮やかな柑橘の香りだ」
「ちが……俺は……」
 今日まで二十六年間ベータとして生きてきたことに疑いはないし、これからも変わらず生きていくつもりだ。頭ではそう考えているのに、身体が反論するようにどんどん熱くなっていく。
「否定するなら、どうして貴方のココはこんな反応しているんです?」
「ぁっ……っ」
 霧人を追うようにして膝を折った愛染が、手に持った鉄の塊の先を、霧人の下腹部に当てる。
「ひぁっ……」
 硬い感触が男の象徴を擦った途端、腰が勝手に跳ねた。続けて有り得ない場所が妙な熱を帯び始め、中からドロリとしたものが零れてくる。
 まるで粗相をしたかのような熱さを下着に感じて、霧人の内心は狼狽に染まり上がった。
「……だ、これ、嘘……だろ……」
「その様子だと、どうやら後ろも濡れ始めたようですね。男性オメガは後孔から淫液を出すと言いますから」
 図星を指されて、心臓が嫌な音で跳ねた。
 ──本当に、俺はオメガなのか。
 触ってもいないのに完全な膨張を見せている雄に、勝手に濡れた後孔。初めて体感する経験が、霧人に残酷な現実を突きつけてくる。
 ──いや、絶対に違うっ。
 信じるわけにはいかなかった。いくら身体が愛染の言うとおりの反応をしているからと、自分がオメガになったなんて認められるはずがない。
「俺は、オメガじゃないっ」
「こんなにも甘ったるいフェロモンを垂れ流しているくせに?」
「それはお前が勝手にそう思い込んでるだけだ! 俺はベータだ! どうせ、この場から逃げ出したいからって、変な薬でも使ったんだろう!」
 きっとこれは香りを吸い込むことで身体に変調が起こる薬品だ。そうに違いない、と霧人は大きく頭を振って否定する。
「……混乱する気持ちは分かりますが、聞き分けの悪い人間はただ見苦しいだけですよ」
「うるさい! 俺は信じな……っ、ああッッ!」
 霧人をオメガだと決めつける愛染に怒鳴りつけようと口を開こうとした時、さらに重たい空気圧が霧人に伸しかかってきた。しかし、そこで感じたのは息苦しさではなく、度を超えた快楽で。
「ひ、っ、あああぁぁっ!」
 ドクンッドクンッ、と腹の奥で蛇が暴れたのかと疑うほどの衝動が生まれ、それが一瞬で頂点まで昇りつめ、弾ける。
「な……っ、ぁ……っ、う……そだ……」
 指で扱いたわけでも、地面に擦りつけたわけでもないのに下着の中で大量の白濁が散った。当然、そんな経験のない霧人は唇を戦慄かせることしかできなかった。すぐ近くに自分を殺すかもしれない男がいるというのに、意識を完全に自分へと向けてしまう。
「ベータはアルファのフェロモンを強制的にぶつけられても、こんなことにはならない。これでも信じられませんか?」
 拳銃を握っていない方の愛染の手が、霧人の胸倉を掴み、首が絞まるのも厭わない強さで引き上げる。
「ぐっ……」
「それでも強情を張るというなら、この場で貴方を犯しつくして孕ませます。それが嫌なら、さっさと現実を見なさい」
「っ……くっ……」
 強い口調で詰られ、情けなくも双肩が竦んでしまった。刑事として、一番見せてはいけない反応だ。
「私はね、見苦しい人間が大嫌いなんです。たとえそれが私のオメガであっても。いえ、私のものだからこそ許せない」
 忌々しくも美しい男が綺麗な眉間に深い皺を寄せながら、汚いものを見るかのような瞳で霧人を睨みつけてくる。
「このままお前を引き摺り攫って、誰も助けに来られない場所で監禁してやりましょうか? そこでお前は一生外に出られず、私に犯され続けるんです」
 足の腱を切り、鎖で繋いで閉じ込める。服なんてものは必要ない。何故なら、そこでの霧人の仕事は、手酷く抱かれ続けるだけだから。性奴隷に当たり前の人権なんてないのだと、冷たい獣は無情に告げる。
「醜く賤しいオメガには、お似合いの生涯だ。お前だって嬉しいでしょう? 私のような至極のアルファに飼われるんですから」
 醜い。賤しい。飼う。酔ってしまうほどの芳香の中、自尊心を蔑む言葉を次々に浴びせられ、胃の奥がチリチリと熱くなる。
「……け、る……な」
 導火線に火が灯ったのは一瞬だった。
「ふ……ざけるなっ! 誰がっ! お前なんかにっ!」
 霧人は突き上げた憤怒に従うまま足を振り上げ、今出せる力すべてで愛染を蹴り飛ばす。
「ぐっ……っ」
 その衝撃で愛染の手が離れ霧人は床に、愛染本人は勢いのまま背後の壁へと叩きつけられてその場に崩れた。
 が、体勢を崩したのも一瞬で、すぐに立ち上がってしまう。
「く……フフッ……そうですよ、それでこそ私のオメガだ」
 倒れ込んだ霧人を見下ろしながら、満足そうな顔で男が笑う。
「いいですか、私に従順な人形やつまらない人間は必要ありません。惨めな地獄に落ちたくなかったら、私の機嫌を損ねないことです」
「お前の、機嫌なんて……知る、かよっ……」

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