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覇狼王の后 上

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書籍紹介

お前のためなら、世界だって手に入れてみせる

隣国に侵略され、戦禍に追われた人々が神殿に逃げ込む。そんなある日、神官のアリーシェは矢傷に倒れた傭兵を見つけ看病する。だがその傭兵・ヴォルフは、鮮血の異名を取る男だった。女神と称えつつも獰猛な眼差しで迫るヴォルフは、神殿ごと人質に取りアリーシェを連れ去る。身体の秘密を暴かれ自決を覚悟するが、「俺の種をつけてやる」と歓喜に笑うヴォルフに蹂躙されて──。

立ち読み

「…俺は、お前に惚れている」
 ずい、と、ヴォルフは互いの鼻先がぶつかりそうなほど顔を近付けてくる。逸らすのは許さないと、紫の瞳が告げていた。
「毒に侵されて死にそうになっていた間、傍に付いていてくれるお前の温もりだけが生へのよすがだった。悪魔と忌み嫌われる俺を心底思い遣り、看病してくれる横顔に、ずっと見惚れていた。慈悲深い女神が、俺のために天から舞い降りてくれたんだと……だから絶対に、俺のものにすると決めた」
「…い、痛いっ…」
 剣を振るう武骨な手に容赦無く握り締められ、寝台に縫い止められた手首がみしみしと不吉な音をたてる。
 その痛みが、ヴォルフの怒りと失望を如実に表していた。ヴォルフは今までアリーシェの前でさんざん残虐な行動に及んだが、アリーシェ自身を傷付けたことは無かったのだ。
 ヴォルフなりにアリーシェを大事にしていた。なのに、裏切られた。その怒りが、ヴォルフを衝き動かしている。アリーシェの悲鳴すら、聞こえないほどに。
「テオとかいう騎士どもがやって来た時は、命をかけて俺を庇ってくれた。俺を引き渡したところで、誰も文句は言わないだろうに…」
「…ヴォル、フ…」
「誰に対しても分け隔てなく慈悲深いお前の、その優しさと愛情を、俺だけに与えて欲しかった。今は無理でも、いつかは…。だから、出来る限り優しく、痛い思いをしないように抱いてやろうと…、そう、思っていたのに…!」
 ヴォルフは吼え、アリーシェのローブの胸元に両手をかけると、一息に引き裂いた。
 粗末な麻の布地は、びぃぃぃっと細い悲鳴にも似た音をたてて裾まで容易く破れ、小刻みに震える白い肢体をさらけ出してしまう。
「…い…っ、嫌ああああっ!」
 絶対に見られてはならない肉体を、よりにもよって怒れる悪魔に暴かれた。アリーシェは自由になった手で裂けたローブを掻き合わせようとするが、無情にもヴォルフに剥ぎ取られてしまう。
「……美しい……」
 大きく喉を上下させ、ヴォルフは熱のこもった眼差しをアリーシェの裸身に這わせていく。それが下穿きに覆われた股間に留まった時、処刑台に上げられた咎人のような絶望を、アリーシェは味わった。本当の絶望は、これからだというのに。
「…アリーシェ…、優しく残酷な、俺の女神…」
 狂おしく紫の瞳を光らせ、甘く詰りながら下穿きも引き裂き、ヴォルフはアリーシェの脚を開かせた。
 守るものの一つもなくなった股間…その中心で項垂れていた肉茎をあやすように揉みしだき、更に奥の蕾へと這っていこうとした指が、ぴたりと止まる。おそらくは、男にはありえないものに触れてしまったせいで。
「……な、に……?」
 ──ああ、とうとう知られてしまったのだ。
 激昂から一転、戸惑いの滲んだ声音が、アリーシェに残酷な事実を告げていた。
 誰かに見られるくらいなら、死のうとまで思い詰めていた秘密。ヴォルフに太股を押し広げられている有様では、もはや隠すことも出来ない。
「アリーシェ……お前、両性だったのか……」
 アリーシェの股間──男性器と後ろの穴の中間に息づく割れ目を覗き込み、ヴォルフは呆然と呟いた。陰毛も生えておらず、本物の女性よりはかなり未熟だろうが、それは紛れも無く女性の陰門だ。
 ……十七年前、アリーシェは男性と女性を併せ持つ、両性と呼ばれる存在に生まれついた。記憶がおぼろだが、たぶん豊かな家に生まれたのだと思う。仕立ての良い服を着せられ、大勢の召使にかしずかれていたから。
 だが、夫の跡取り息子を望んでいた母は、難産の末に産んだ子が両性だったことにひどく失望し、何かと言っては幼いアリーシェを虐待した。
 身体に痕が残らぬよう鞭で叩いたり、死なぬ程度に食事を抜いたり、極寒の季節に外へ締め出したりと、その手口は陰湿極まりない。時折、父らしい男性が訪れ、可愛がってくれた覚えもあるが、父の居る時の母は女神のように優しく振る舞うので、父も虐待には気付いてくれなかった。
 三歳になった頃だと思う。
 いつにも増して怒り狂った母に何刻にもわたって鞭を振るわれ、アリーシェは激痛の中で失神した。そして目を覚ました時はセプトの神殿で、ニコラウスに介抱されていたのだ。あのままでは早晩殺されてしまうかもしれないと危惧した使用人が、密かにアリーシェを神殿に運び、ニコラウスに託していったらしい。
 恐怖のあまり己の名前すら言えなくなった幼子に、ニコラウスは深くを尋ねず、夜空に輝く星の名前をくれた。それ以降、アリーシェは穢れた化け物が救われるには人々の役に立つしかないと信じ、神官としての務めに励んできたのだ。
 アリーシェが両性であると知るのは、生みの母を除けば、ニコラウスただ一人。
 男性だろうと両性だろうと命の尊さに代わりはない、いつかお前にも全てを明かした上で受け容れてくれる者が現れる。ニコラウスはそう諭したが、いくら尊敬する師の言葉でも信じられるわけがなかった。産んでくれた母にさえ忌み嫌われた化け物を、一体誰が受け容れるというのだ。
 ほら、さんざんアリーシェを女神だの何だのと賛美したヴォルフだって、すぐに母と同じ罵倒を浴びせてくるはず──。
「…そう…、そう、か。両性か……初めて見るが、これほど美しいとは思わなかった」
「……え、……?」
 罵られた瞬間舌を噛もうと決意していたアリーシェは、股間から聞こえた上擦った囁きに、思わず上体を起こした。
 異形としか言いようの無いそこにじっと見入るヴォルフは、怒りでも失望でもなく、歓喜に紫の瞳を輝かせている。
「…貴方は…、頭がおかしいのですか? ご覧の通り、私は、化け物で…」
「おかしいのはお前の方だろう。こんなにも美しいものを、どうして化け物なんて呼べるんだ?」
 誰にも…自分自身でさえしかとは見たことの無い花唇に、ヴォルフは壊れ物を扱うかのような手付きでそっと触れた。秘めておくべき敏感な箇所に男のかさついた指先を感じ、アリーシェはびくっと両脚を跳ねさせる。
「…ここに、俺以外の男が触れたことは無いんだな?」
 あるわけがない。
 あまりにもおぞましい問いかけに、無言で眉を顰めたことで、ヴォルフは答えを悟ったのだろう。獲物に飛びかかる獣さながら肩を揺らし、愉悦に喉を鳴らす。
「く…、くく、くくく、くっ…」
「…ヴォ…、ヴォルフ? 何故、笑って…」
「これが笑わずにいられるか? アリーシェ…お前が男であろうと后にするつもりだったが、女でもあるのなら、俺の子を産ませられる…」
「……っ!」
 アリーシェの下腹部を舐め回す紫の目は、薄い皮膚の更に下…そこにある子宮を透かし見ているようだった。
 ──生涯、本来の目的を果たすことなど無かったはずのそれに、ヴォルフは子を宿そうというのか。
「い…、や、嫌です、嫌、嫌っ…」
 神官として、男性として生きてきたのに、神殿から自分を引き離した張本人の子を孕まされ、産まされる。
 想像するだけでも身の毛がよだつ光景に、アリーシェは頬を引き攣らせるが、ヴォルフはもう一方の手で薄い下腹部を撫で回すのだ。もうすぐそこに種を仕込んでやると、思い知らせるかのように。

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