箱入り息子は悪い男を誑かす

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本価格:660(税込)

  • 本販売日:
    2017/04/10
    電子書籍販売日:
    2017/05/26
    ISBN:
    978-4-8296-2629-0
書籍紹介

無防備な顔見たら、勃っちまった

大学生の総は、叔父のミチルがバイトしている会員制ゲイバー『ヴェロッサ』のオーナー、真也に密かに憧れていた。超美形…なのにちょっと崩れた感じもしてカッコイイ。ところがある日、ミチルが真也に手酷く振られ店を辞めたことを知り、総の怒りに火がついた。誰とも恋愛しないというこの男、本気にさせて振ってやる! チェリーボーイVS面倒臭い男。復讐劇の顛末は……?

立ち読み

 彼が選んだファンタジー映画は、もう何度か見ているらしい。それなのにどうして選んだのかと尋ねたら、「子供向きだろ」という返事がにやけた笑いとともに返ってきた。
 結局、映画が終わるまでに総はカクテルを二杯飲んで、真也は水割りのグラスを三杯ほど空けたようだった。映画が終わる頃には心地良く酔いが回っていた。
「続編も見る?」
 ほんの少しの眠気と気だるさの中で、総は四つん這いでデッキの前まで行き、ディスクを取り出した。
 背後に近づいてきた真也に尋ねる。応えはなく、かわりに内腿をするりと撫でられ、「ぎゃ」とおかしな声が出た。
「な、なに」
 振り返ると、真也は微かに笑って唇の端を舐めた。色っぽいその仕草に、総の身体の奥がずくんと疼く。
「色っぽい格好してるから、誘ってるのかと思ったぜ」
「そんなわけ……あ……」
 ハーフパンツの裾から、男の手がするりと忍び込んでくる。さらにボクサーパンツの裾をめくり、ペニスを直に握った。そのままコスコスと軽く扱かれ、その気持ち良さに内股が震えた。
「や、あ」
「意外だな。皮、剥けてんのか」
「ば、か」
 唐突に始まった行為に、頭がついていかない。アルコールのせいか、どこか他人事のようでもあった。
 ペニスを弄っていた手が不意に去り、かと思うとハーフパンツのゴムにその手がかけられた。
「あ、やだ」
 恥ずかしさから、わずかに身を捩って抵抗すると、背後から忍び笑いが聞こえた。
「本当に嫌なら、もっとちゃんと抵抗しな」
 抵抗が本気ではないことを言い当てられ、総は一人で赤くなる。何も言わないのを肯定と取ったのか、真也はハーフパンツを下着ごと一気に引きずり下ろした。
「……綺麗な色だな。赤ん坊みたいだ」
 露わになった秘部を、男は指先で軽くくすぐるように弄る。むず痒さに腰を振ると、真也は低く笑った。
「ここでセックスするって、知ってるか?」
 乾いた指がつぷん、と襞にもぐりこんできた。浅い部分を出し入れするだけで、痛くはなかったが、濡らされていないそこは引き攣れたような感覚があり、奥への進行を阻んでいた。
「今から、するの?」
 このまま、最後まで抱かれるのだろうか。不意に怖くなって後ろを仰ぐ。熱に浮かされたような目でこちらを見ていた真也は、怯えた総の顔を見て、優しく目元を和ませた。
「急にはしないよ。けど、少しずつ慣らしていかないとな」
 そのまま、クチュクチュと浅い部分で抜き差しを繰り返し、襞を広げるように動かす。
「ん、あ、だめ」
 あやすように前も扱かれて、人からの愛撫に慣れない総は、たちまちこみ上げてくる射精感をやり過ごすのに必死だった。
「総、こっち向きな」
 命じるように言われて、背後を振り返る。真也が喘ぐ総の唇を吸い、舌を絡めた。
「ん、んっ」
「どこもかしこも、すべすべだな」
 前を扱いていた手が、Tシャツの裾をめくり、腹を撫でた。その手はさらに上へ這い上り、胸の突起をコリコリと弄る。強い快感を覚えて、総の身体はビクンと跳ねた。
「ここが感じるのか? 後ろが締まったぞ」
 面白がる声に、恥ずかしくなった。その間にも愛撫は続く。乳首を捏ねられ、後ろを抜き差しされて、ひとりでに腰が揺れてしまう。
「前も弄ってほしいか?」
 問いかける声音は意地の悪いものだったが、快楽には勝てなくて、総はコクコクとうなずいた。
「じゃあ、ぜんぶ可愛がってやるよ」
 くすっと笑った真也が、後ろにあった指を引き抜く。
「あ、んっ」
 思わず声が上がってしまった。指を咥えこんでいた場所が寂しさに疼く。先ほどの快感をもう一度味わいたかった。
 真也は総にキスを一つすると、ソファの前のラグの上へ総を仰向きに横たえた。足を開かせ、ソファの上にあったクッションを取って総の腰に敷いた。
 ふと見ると、彼のルームパンツの前が大きく膨らんでいる。真也も興奮しているのだと知り、喜びと興奮で頭の芯が痺れたようになった。
 何度かキスを繰り返してから、真也は身体を下へずらし、何も言わずにいきなり総のペニスを咥えた。
「し、真也さん」
 真也が自分の性器を咥えている。その光景だけでも恥ずかしくて眩暈がしそうなのに、彼はそのままジュブジュブと音を立てて性器をしゃぶり始めた。
「や、やだ。あ、あっ」
 口では嫌だと言うものの、真也のフェラチオは先ほどの手淫とは比べものにならないほどの快感だった。
 真也は竿を扱いていた手を後ろに伸ばし、窄まりへ指を潜り込ませる。再び抜き差しを繰り返す。
「だめ、真也さん……出る、出ちゃう」
 内腿がヒクヒクと震え、射精感がこみ上げてくる。真也の手があやすように腹を撫で、胸へ這い上って乳首を強くひねった。
「や、あ……っ」
 三点を同時に責められ、とても堪えきれなかった。総は背中をしならせ、真也の口腔に射精していた。
「ん、ふ」
 射精する間にも、真也は容赦なく後ろを責め、強くペニスを吸い上げる。鈴口に残った精液も残らず吸い出され、激しい快感に生理的な涙がこぼれた。
 やがて真也は口淫をやめ、後ろから指を抜き出したが、総はまだ薄く唇を開いたまま荒い息をついていて、快感の波の中にいた。
 ぼんやりした視界の向こうで、真也がキスをしようと近づいてくる。だが既のところで何か思い留まったらしく、テーブルの上のグラスに残っていた水割りを飲み干し、それから総の唇にキスをした。
「気持ち良かったか?」
 汗ばんだ額を優しく撫でられて、うっとりする。
「ん……死んじゃうかと思った」
 舌足らずの感想に、真也は思わずというように破顔した。髪を撫でながら、慈しむようにキスをくれる。
「可愛いな。お前が、こんなに色っぽくなるとは思わなかった」
 その言葉にふと思い出し、視線を下げた。真也のそれはまだ、いきり勃ったままだ。見ているとまた身体の奥が疼いてきて、総は小さく喉を鳴らした。
「あ、あの、俺も」
「ん?」
「俺もする。それ……」
 股間の膨らみを指さすと、真也は「ああ」と苦笑した。

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