剣の誇り
書籍紹介
君の誇りを穢したい──
理想の世を築くため、そしてなによりも恩人の山科のため鷲尾は誇りを抱いて刀を振るってきた。次の任務は、異国の武器商人であるレキシントンの護衛となり、彼が敵となる場合は斬ること。しかし──「愛人になるというのなら、傍においてあげようか」鷲尾の誇りを嘲笑うレキシントンに、辱められてしまう。務めを果たさんと屈辱的な快楽に耐える鷲尾に、レキシントンは……。
立ち読み
レキシントンは素早く鷹尾の腕をねじり上げると、その場に押し倒したのだ。
石の床に、頬を押しつけられる。
「く……っ」
鷹尾は口唇を噛んだ。
不覚だ。
暗殺の現場だったら、この場で殺されたって文句は言えない。
レキシントンは長身痩躯で、紳士だと言えば聞こえはいいが、優男とも言えた。まさかこんな相手に、不覚をとるとは思ってもみなかったのだ。
(油断した……か?)
いや、相手は拳銃を持っている。十分注意したはずだ。彼に勝つ自信があった。それなのに……!
「……なるほど、言うだけあっていい腕だ」
レキシントンは、忍び笑いを漏らしていた。
「しかし、私は軍の経験もあるし、趣味はハンティング……狩りでね」
鷹尾を押し倒し、馬乗りになったままの状態で、レキシントンが顔を覗きこんでくる。
「護衛が必要ないということが、わかってもらえただろうか。少なくとも、君の国の人間相手に、不覚をとるつもりはないよ」
「……っ」
レキシントンの言葉には、この国の人間を下に見ているような響きが感じられた。
揶揄の笑みさえ、含まれている。
それが、鷹尾の神経を逆撫でした。
「この……!」
体の上の、レキシントンを追い払おうとする。だが、上手くいかない。それどころか、逆に押さえ込まれてしまう。
「……俺を嬲るのか……っ」
石の床に、頬を押しつけられる。
「く……っ」
鷹尾は口唇を噛んだ。
不覚だ。
暗殺の現場だったら、この場で殺されたって文句は言えない。
レキシントンは長身痩躯で、紳士だと言えば聞こえはいいが、優男とも言えた。まさかこんな相手に、不覚をとるとは思ってもみなかったのだ。
(油断した……か?)
いや、相手は拳銃を持っている。十分注意したはずだ。彼に勝つ自信があった。それなのに……!
「……なるほど、言うだけあっていい腕だ」
レキシントンは、忍び笑いを漏らしていた。
「しかし、私は軍の経験もあるし、趣味はハンティング……狩りでね」
鷹尾を押し倒し、馬乗りになったままの状態で、レキシントンが顔を覗きこんでくる。
「護衛が必要ないということが、わかってもらえただろうか。少なくとも、君の国の人間相手に、不覚をとるつもりはないよ」
「……っ」
レキシントンの言葉には、この国の人間を下に見ているような響きが感じられた。
揶揄の笑みさえ、含まれている。
それが、鷹尾の神経を逆撫でした。
「この……!」
体の上の、レキシントンを追い払おうとする。だが、上手くいかない。それどころか、逆に押さえ込まれてしまう。
「……俺を嬲るのか……っ」
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