熱砂の国の甘い罠
書籍紹介
お願いだから、私を愛してくれないか
父の仕事を手伝って一流ホテルを訪れた怜央は、そこでアラブの族長であるカミールと出会う。しかも互いに瞳を奪われ、一瞬で恋に落ちてしまった。カミールから毎日愛を囁かれて戸惑う怜央だが、惹かれる心は止められない。「でも、彼はもうすぐ国へ帰ってしまう」切ない想いを秘めたままカミールと結ばれ一夜を過ごすが、次に目覚めた場所はカミールの母国だった!! 承諾も得ずに連れてきたカミールに腹をたてるも、怜央は二週間だけという約束でアラブでの生活を始めるが…。
立ち読み
急所を掴まれて怖くてあまり暴れられない怜央は、縛られた両手でポカポカとイフサーンの頭を殴り、なんとか押しのけようとする。
いつまでも抵抗をやめようとしない怜央に、イフサーンが怒りを露にする。
「いい加減、諦めろ!」
バシッと容赦なく平手で頬を叩かれて、一瞬怜央の意識が遠のきかける。
しかし焦れたイフサーンに脚を抱え込まれ、剥き出しになったイフサーンの一物が尻に押しつけられるのに気づき、ハッと我に返った。
「嫌だっ!!」
コンコンと扉がノックされる。
〈邪魔するな!〉
〈お父上からのご伝言です〉
〈父上の?〉
〈はい。くれぐれも内密に、イフサーン様にだけお話しするよう申し付かってまいりました〉
〈上手くいったか……!〉
イフサーンは嬉しそうな声を上げ、抱えていた怜央の脚を放す。そして簡単に身支度をすませると、急いで扉を開けた。
「――っ!?」
ガツンという音とともに、イフサーンの体が後ろに吹っ飛ぶ。
広いとはいえない部屋の壁に激突し、ズルズルと崩れ落ちるのと、ドッと人がなだれ込んでくるのはほとんど同時だった。
先頭に立つのはカミールで、イフサーンを殴ったのもカミールらしい。
呆然と目を瞠っていた怜央は、カミールの顔を見て信じられない思いをする。
「カミール……?」
「レオ、レオ、すまなかった! 無事か? 怪我はしていないか?」
ギュッときつく抱きしめられた腕の感触、慣れ親しんだ匂い。それらが、カミールは生きてここにいると教えてくれる。
「カミール、カミール、カミール――ッ!!」
緊張が解け、ポロポロと零れ落ちる涙をカミールの唇が吸い取る。
何度も優しく頬にキスをし、やがてそれは唇へと移った。
「……ひどい目に遭ったか?」
カミールのマントに隠されている怜央は、半裸というのがふさわしい格好だ。イフサーンに何をされていたのか誰にでも分かる。
「平気……。その…危ないところだったけど、カミールが来てくれたから」
「そうか…よかった」
いつまでも抵抗をやめようとしない怜央に、イフサーンが怒りを露にする。
「いい加減、諦めろ!」
バシッと容赦なく平手で頬を叩かれて、一瞬怜央の意識が遠のきかける。
しかし焦れたイフサーンに脚を抱え込まれ、剥き出しになったイフサーンの一物が尻に押しつけられるのに気づき、ハッと我に返った。
「嫌だっ!!」
コンコンと扉がノックされる。
〈邪魔するな!〉
〈お父上からのご伝言です〉
〈父上の?〉
〈はい。くれぐれも内密に、イフサーン様にだけお話しするよう申し付かってまいりました〉
〈上手くいったか……!〉
イフサーンは嬉しそうな声を上げ、抱えていた怜央の脚を放す。そして簡単に身支度をすませると、急いで扉を開けた。
「――っ!?」
ガツンという音とともに、イフサーンの体が後ろに吹っ飛ぶ。
広いとはいえない部屋の壁に激突し、ズルズルと崩れ落ちるのと、ドッと人がなだれ込んでくるのはほとんど同時だった。
先頭に立つのはカミールで、イフサーンを殴ったのもカミールらしい。
呆然と目を瞠っていた怜央は、カミールの顔を見て信じられない思いをする。
「カミール……?」
「レオ、レオ、すまなかった! 無事か? 怪我はしていないか?」
ギュッときつく抱きしめられた腕の感触、慣れ親しんだ匂い。それらが、カミールは生きてここにいると教えてくれる。
「カミール、カミール、カミール――ッ!!」
緊張が解け、ポロポロと零れ落ちる涙をカミールの唇が吸い取る。
何度も優しく頬にキスをし、やがてそれは唇へと移った。
「……ひどい目に遭ったか?」
カミールのマントに隠されている怜央は、半裸というのがふさわしい格好だ。イフサーンに何をされていたのか誰にでも分かる。
「平気……。その…危ないところだったけど、カミールが来てくれたから」
「そうか…よかった」
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