絶対零度の挑発

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本価格:713(税込)

書籍紹介

どちらが抱くか、賭けをしようか

難攻不落なこの男を、啼かせてみたい――。サラディナ公国のミハイル公子と、その国を経済的に陥れる秘密任務についたエコノミストの加賀谷。国を賭けた策略を巡らす二人だが、お互いに強烈に惹かれ、相手を自分のものにしたいという欲望を感じていた。「君を抱きたい」「いや、抱くのは俺だ」しかし両者とも、本音は相手を押し倒したい。スリリングな恋の駆け引きに、普段はクールな加賀谷、そして遊び人のミハイルが、命を賭けるほどに、愛の深みにはまってしまい…?豪華ハート袋とじは、短編&特製ピンナップつき!
立ち読み
「挿れていいか?  ミハイル……」
「挿れたら、二度と……君に会わないぞ……っ」
  快感で朱に染まった目元を意識していないのか、壮絶な色気を伴って睨まれる。
  だめだ。
  引き摺りこまれる。
  瞬間、加賀谷は覚悟を決めた。この男を自分の手で何が何でも守ると―――。
  そしていつかその見返りに、この男のすべてを貰う。
「か……がたに……?」
  ジッと自分が見つめられていることに気付いたのだろう。ミハイルが不審げに加賀谷の顔を覗き込んできた。
「挿れさせてくれないなら、一緒に達こう」
「え……」
  途端、加賀谷はミハイルの手に自分の手を重ねた。
  ミハイルは加賀谷の欲望を握っていたのだが、一緒にミハイル自身の下半身も握らせる。
「っ……」
  二つの欲望がきつく擦り合わせられた。先端から溢れ出す体液が指先を濡らし、粘り気を生む。グチョグチョと、いやらしい音が更衣室に響いた。
「あっ……」
  激しく二人の欲望が猛る。どちらの熱なのかわからないものが、身体の芯を蕩けさせ、出口を求めて荒れ狂う。
「かが……た、に……そんなに……激し……く……っ……ああっ……」
  ミハイルがロッカーに背を預け、膝から崩折れそうになる。
「俺にしがみ付いていろ」
  そう言って、ミハイルの腕を自分の背中に回させる。プライドが許さないのか、ミハイルにきつく睨みつけられた。
  だが、彼が立っていられないのも事実で、ここで腰が砕けて床に座り込むよりはマシだと思ったらしく、渋々といった様子で、加賀谷の背中に手を回してきた。
「くっ……」
  加賀谷も限界が近かった。彼の吐息を首筋に感じ、ますます下肢に熱が集まるばかりだ。ミハイルも加賀谷の限界を感じ取ったのか、先端に爪を立て煽ってきた。射精を促されるように、刺激される。
「うっ……ミハ……イ……ルッ……」
  情欲に濡れた表情で、ミハイルが濃艶に笑みを向けてきた。ここにきて、彼は加賀谷に勝負を賭けてきたようだ。そのしたたかさに脱帽する。
  一筋縄ではいかない男なのだ。ミハイルという男は―――。
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