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トリコにさせたいドSがいます

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書籍紹介

 私が「お持ち帰り」されるわけか。

大手法律事務所のパラリーガル・川嶋はアメリカの弁護士資格をもつ超やり手で『氷の貴公子』の異名をとる。一方そんな川嶋がパートナーを組む弁護士・巽はソフトな口調ながら、全てを飲み込む程の冷静さから『ブラックホール』と渾名される辣腕だ。ひょんなことから下半身の疼きを抑えきれなくなった川嶋は、「私とやれますか?」とドS全開で巽を誘い、情熱の一夜を過ごすが…。
立ち読み
 「巽先生、つかぬことを伺いますが、わたくしとやれますか?」
「やるって、なにをだ?」
 当然というか、彼が訝しげに首をひねって訊き返してきた。視線が合った状態が微妙だが、さらに直球でいく。
 声のトーンは周囲を憚って、いくぶん抑えぎみだ。
「セックスです」
「…私と、きみが?」
「ええ。いきなりのカミングアウトで恐縮ですけれど、わたくしはゲイで、抱かれる側所望でございます。巽先生を押し倒す気は毛頭ありませんので、あしからず」
「はあ…」
「お返事は、YesかNoの二択でどうぞ。できれば、即答で願います。なぜなら、恥ずかしながら上條先生と甲斐先生の熱々ぶりにあてられて、只今わたくし、絶賛発情中なんです」
「!」
 さすがに驚いたのか、目を丸くされた。思わずといったふうに歩みも止めた巽につられて川嶋も立ち止まるも、かまわず急かした。
 余計な誤解は受けたくないため、自己弁護はきちんとしておく。変に言い訳がましくならぬよう、端的にだ。
「断っておきますが、別に誰でもいいというわけではないです。信用の置ける巽先生ならと思い、お願いさせていただきました」
「……ああ」
「また、こんなことを日常的に行ってもいません。現状は、わたくしにとりましても誠に遺憾かつ、非常事態です」
 東京事務所に赴任以来、三年もの間、禁欲生活を送ってきた。それが、上條と甲斐の仲を見せつけられて、我慢を重ねてきた欲望が爆発してしまった。こうなると、耐えるのは難儀だ。
「もちろん、無理強いはいたしません。Noなら、はっきりとそうおっしゃってくださってけっこうです」
 ゲイが苦手であれば、明言してくれていい。セクシュアリティを知られた事実は消えないが、週明けからは、これまでどおり振る舞う。
 補足すると、いかなる病気も持っていない。STDの検査も、毎年きちんと受けているので断言できる。コンドームなしのセックスも未経験だ。
 ゆえに、そういう意味での心配は無用だと包み隠さず明かす。
 少なくとも、巽がゲイに偏見がないのは上條たちへの対応でわかっていた。だからこそ、打ち明けられた。
 最後に、危うく大事なことを忘れるところだったと、川嶋が言い添える。
「すべては、巽先生に恋人がいらっしゃらない前提でご考慮ください」
 いちだんと驚愕したふうな面持ちで、巽が双眼を瞬かせている。だが、さすが『BH』なだけはあり、驚異的な早さで立ち直って苦く笑った。
「なんとも、唐突な話だな」
「申し訳ありません。それで、お返事は?」
「その前に、ふたつ質問だ。もし、私が拒んだらどうする?」
「自宅に帰って、浴びるほどアルコールを飲んで酔い潰れて寝ます」
「欲望を発散させずにすむのか?」
「すませるしかないでしょう。職業柄、危ない橋を渡る気はありませんので」
「ふうん。あと、きみに恋人は?」
「いません。そもそも、決まった相手がいたら、その人に抱いてもらいます。わたくしはセックス好きですが、浮気はしない主義です」
「へえ。遠距離恋愛中の彼氏でも、いるんじゃないかと思ってな」
「あいにく、かれこれ七年前から恋人はいませんし、遠距離恋愛も、わたくしには向いておりません」
「そうか」
「巽先生。いい加減、ご回答をいただけますか」
 余裕なく返答を催促する川嶋に、巽が口角を上げた。
 まだ焦らすつもりかと軽く睨みかけた瞬間、低音が囁く。
「じゃあ、まあ、Yesで」
「合意と看做してよろしいですね」
「よしとしようか」
 やる気があるのか、ないのか懐疑的な、大雑把すぎる答えが彼らしかった。思うところは多々あれど、言質は取れたので、今は充分だ。
 巽の住居は大崎のマンションゆえ、渋谷からだと目黒の川嶋宅が近い。
 一刻も早く欲求を満たしたくて、彼を自宅に誘った。
「今から、わたくしの家にいらしてください」
「ほう。私が『お持ち帰り』されるわけか」
「はい?」
「性格のSっ気を裏切らず、そっちも超肉食系なんだな」
「すみませんが、わたくしにもわかる言葉でお話しいただけませんか」
「たいした内容じゃないから、気にしなくていい」
「…なんだか、怪しいんですけど」
「本当になんでもない」
 にっこりとごまかされ、胡乱げに見遣るが、すぐさま心が性欲に傾く。衝動に急き立てられるまま、歩を進めた。
 連れ立って駅の改札を通り、ホームに向かって電車に乗り込む。
 車窓に映る、隣に立つ吊り革を掴む長身を窓越しにそっと盗み見た。
 三つぞろいのスーツの上からでも、スタイルのよさが際立っている。手足が長く、均整が取れた身体つきは日本人離れしていた。
 なにか運動をやっているのか、年齢のわりに贅肉もついていない。すらりとした、しなやかな体躯だ。
 一糸まとわぬ姿になった巽を想像し、川嶋ののどが鳴った。咳払いで取りつくろうも、さぞ、見事な肉体美に違いないとうっとりする。
 普段では、考えもつかない妄想だ。事実、一度たりとも彼をそういう目で、こうもじっくり見たことはなかった。ただし、いったんリビドースコープで眺めると、この身躯はかなり魅力的でそそられる。
 もし、これでセックスが下手だったり、早漏だったにしろ、久々にできるだけで満足だ。最悪、自分がリードし、飽きるほど搾り取ればいい。
 本人の了承は得たと、弾む心情を懸命に抑えて家路を急いだ。
 
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