働くおにいさんブログ一覧

2019/09/02

前々から少しずつ大掃除を進めてはいたのだが、結局、残ったところは今朝からバタバタとやっつけることになった。
特に、前もってやれないのはガラス拭きだ。
俺がせっせと拭き回っている間、九条はキッチンに籠もって正月料理の準備をしてくれている。
家に入ると、色々な食べ物の匂いがして、ああ、豊かだな……と今の環境をありがたく思う。
いつまでも、こんな風に二人で幸せな年越しができる世の中であってほしい。いや無論、俺たちだけでなく、世界じゅうの人たちがそうであればいいと願うわけだが。
キッチンの小窓を拭きに行ったら、九条が「どうですかね」と、黒豆を一粒、口に入れてくれた。
驚くほど柔らかく煮て、優しい甘みをつけてある。
まるで、九条その人のような料理だ……とつい思ったとおりを口にしたら、「僕としては、あなたをイメージして料理したんですけどね……」と、九条に微妙な顔をされてしまった。
俺をイメージした料理を俺に食わせたら、共食いになってしまうのではないだろうか……。
そんな馬鹿馬鹿しいことを考えてしまう大晦日だ。

2019/09/02

今年の営業、本日にて終了!
お正月に美味しいパンが食べたいわって常連さんたちに毎年言われてるから、今年は思いきって型を買って、朝からコッペパンじゃなく、食パンをばんばん焼いた。
やっぱ冷凍して置いておくのに、コッペパンより食パンのほうが具合がいいんだって。
年に一度くらいは、食パン焼いてもいいよね。
俺は食パン専門じゃないから、いちばんベーシックな、本気で粉と水と塩とイースト、それにちょっぴりの砂糖だけの、滅茶苦茶素朴な食パンにした。
三時過ぎに全部売り切れちゃったから、店じまいして、いつもより念入りに掃除をした。
オーブンも、心をこめて磨いたよ。
今年一年、うんと働いてくれてありがとう。来年もまた、よろしく頼むね!

知彦

2019/09/02

フルに一日仕事をするのは、今年は今日が最後だ。
そんなわけで、朝から夕方までリハビリルームは予約がぎっしりで、満員過ぎて空きベッドを見つけるのが大変。
ひとりひとりの患者さんともゆっくり話しながら、ってわけにはいかないのが申し訳ない。
でも、別れ際に「よいお年を」って言い合うのは、この時期のいい習慣だなって思う。
決まり文句ではあるけど、来年もよろしくって気持ちを込めた挨拶だから、口にするたび、何となく胸があったかくなる。
年配の患者さんたちは、お子さんたちが帰省するのを楽しみにしていて、僕もつい、お子さんにどんなお土産を貰ったら嬉しいですか、なんてリサーチしてしまった。
みんな、「本人が帰ってくれるのがいちばんよ」って言うから、あんまり参考にならなかったけど。でも、そうだよね。
うちの親もきっとそうなんだろうな。ちょっと里心がついた一日だった。

九条

2019/09/02

もうすぐ年内の営業が終わるので、日持ちのしない花から値引きを始めました。
お正月のお花を求めて来られる方も多いので、なかなか店が賑わっていて嬉しい限りです。
最近は、一本ずつお花を選ばれる方より、僕が選んだセットを好まれる方が増えてきて、生け花を習っておいてよかったとつくづく思います。
こんな風に生けたら綺麗だろうな、と考えながらセットを作るのはとても楽しいですしね。
今日は仕事の合間に、我が家と遥君のお家用に、お正月のアレンジメントを作りました。
帰りに、深谷さんに取りに寄ってもらいましょうね。
そんなお花を作っておいて何ですが、今週で今年が終わってしまうなんて、改めて驚きです。
幸せだから、時が進むのが早いのでしょうか。幸せな焦りですね。

2019/09/02

遥がカニカニとうるさいから、つい朝からカニのことを考えてしまっていた。
いったい九条は俺の何を読み取ったのか、朝、仕事に行きがけ、「今夜はカニにしましょうか?」と問われて驚いて鞄を落としそうになった。
「お顔にカニと書いてありました」と九条はクスクス笑っていたが、いったいどういうマジックなんだ……。
だが、平日にカニは、食べるのに時間がかかって仕方がないので、年末年始のどこかで頼むと言っておいた。
「であれば、今夜はロールキャベツです。楽しみにしていてください」と言われ、今度は隙あらばロールキャベツのことを考えている。
いや、正しく言えば、考えているのは、丁寧にキャベツの葉を巻き上げている九条の綺麗な手のことだ。
本当に、九条の手は綺麗だと思う。いや、ロールキャベツも楽しみなんだが!

2019/09/02

店を閉めて、来年のコッペパンフィリングの試作のためにスーパーへ買い物に行った。
そしたら、クリスマス用だったのかな、冷凍のカニが値引きになってた。
しかも、凄く旨そう。
その場で深谷さんにLINEして、今夜、カニ鍋にしない?って言ったら、すぐ「いいね!」て返ってきた。
オッケー!って、カニ、鍋用の野菜、豆腐、葛切り、それに雑炊用の卵とネギも買ってウキウキ帰る途中で、フィリング試作用の食材を何にも買ってないことに気付いた。
しまった……。
カニの吸引力、すげーなー。
でもしょうがないよね、カニだもんね。
カニでメリークリスマスもなかなかいいもんだよね! フィリングのことは、明日また考える。

九条

2019/09/02

昨夜は遥君や深谷さんと四人で賑やかに中華料理のクリスマスでしたが、今夜は二人きりで。
うんと気軽なクリスマスがいいと先生が言ってくださったので、デパートに出掛け、美味しそうなご馳走とケーキを買ってきました。
とっておきの食器を出して、二人で相談しながらきれいに盛り付け、素敵なディナーの出来上がり。
どれも美しく美味しい料理ばかりでしたが、先生が「確かに旨いが、俺にとっては、心に染みるほど旨いのはお前の料理だけだ」と実感を込めて言ってくださるので、何もしていない僕が大満足です。
クリスマスプレゼントは、お互い枕元に置いて寝て、明日の朝、目覚めてから開けることにしました。
こんな小さなことでも、何だかワクワクするから不思議です。

2019/09/02

何だか年々クリスマス準備が前倒しになるから、いざ当日が近づいてきてもかえって気分が出ないなあ。
でも明日は、四人で集まって中華料理に行くことになった!
クリスマスっていうより、忘年会かな。どっちにしても、中華大好きだし、人数が揃わないと色々食べられないから、楽しみだ。
イブは深谷さんが鶏もも肉を焼いてくれるって言ってるから、それも楽しみ。
うちはローストじゃなく、お肉屋さんで売ってるみたいな照焼にするんだ。
それを二人で手づかみで食べるのが、何だか海賊になったみたいで楽しい。
うち、実家が行儀作法に厳しくて、そういう手づかみ禁止だったんだよね。
だから兄ちゃんも、やったことないんじゃないかな。手で持ってガブリって、ナイフとフォークを使うよりずっと旨いのにね。
あっ、そうだ。仕事が終わったら、深谷さんのためのプレゼント、買いに行かなきゃ!

九条

2019/09/02

週末のクリスマスパーティで、テーブルの上に飾るアレンジメントを……という注文が何件か来ていて、ああ、クリスマスだなと実感しています。
「プレゼントをアレンジメントに飾り付けてください」というロマンチックなご依頼もあり、さて、わかりやすくはないけれど、気付かないほどでもない……という飾り方を、あれこれ思案しているところです。
残った花材で試作したものを食卓に飾ったら、先生がとても喜んでくださいました。
戯れに「先生なら、このアレンジメントのどこにプレゼントを隠しますか? 指輪とのことですが」とお訊ねしてみたら、先生はうーんと腕組みしてしばらく考えた後、「まだ開いていない、百合のつぼみの中かな」と仰いました。
少しスリリングですが、素敵なアイデアだと思います。ただしその場合、百合のおしべは忘れず取り除いておかないと、大変なことになりそうですが……。

知彦

2019/09/02

仕事関係の年賀状を、夕飯後にどうにか全部書き終えた!
それ以外は、正月休みにのんびり書こうかな。年賀状だけで繋がってる状態の昔の友だちとかもいるから、メッセージをうんと考えて書きたいしね。
そういや去年、「幸せですか?」って滅茶苦茶雑に一筆添えてきた人がいて、見た瞬間に笑っちゃったんだけど、今年は「幸せだよ!」って僕も一筆書いて返そうかな。
もう、去年のメッセージなんか忘れちゃってるかな。
でも、年に一回くらい、元気よくのろけたっていいよね。
そんなことを思いながら帰宅したら、遥君が、こたつから半分はみ出して、行き倒れみたいな格好で寝ていた。
そろそろ風呂をためなきゃ……って思ったけど、力尽きたらしい。
なんだよ~結局ためてないんじゃないかって、一応文句は言ったけど、絵に描いたみたいな力尽き方があまりにも遥君らしくて笑ってしまった。
そういうのも、小さな幸せだよなあ。

2019/09/02

リハビリルームのクリスマスツリーには、毎年、患者さんたちがリハビリで作ったオーナメントを飾り付ける。
どことなく七夕感があるが、それはそれでオリジナリティがあって味わいぶかい。
帰宅すると、自宅には九条と一緒に飾り付けたツリーがあって、それは毎年、同じガラス製の繊細なボール型のオーナメントを飾り付けることにしている。
なんでも、少しずつ買い足すのがヨーロッパ流だそうで、我が家も、毎年一つ二つ、新しいものを選んで買っている。
今年は、小さな小屋の形のオーナメントを買った。
紙製の素朴なものだが、俺としては、こんな風に、ささやかな住まいを二人で守っていけたらという願いを込めた。
九条がどう思って購入に同意してくれたのかはわからないが、同じ気持ちでいてくれればいいと願っている。

2019/09/02

今年こそ年賀状を早めに……って思ったけど、まだ手つかず。
地味にめんどくさいのが、引っ越した友だちの住所の書き換えと、喪中葉書をくれた人をリストからどけることなんだよね~。
喪中でも、年賀状は貰う分にはよくない?って思うけど、やっぱ、新年を祝う気持ちにはなれないってこともあるか……。むむー。
悲しいことがあった分、来年は嬉しい年になるといいねって伝えたくて、喪中の人には、先にクリスマスカードを送ることにした。
にぎにぎしい奴じゃなく、深いブルーに銀でツリーが箔押しされてる綺麗なやつ。
メリークリスマスとかも、書いてないやつ。今は全然メリーじゃないもんね。
お悔やみの言葉ってあんまり詳しくないから、深谷さんに相談しながら一生懸命書いた。
なかなか会えない友だちばっかだけど、気持ち、伝わるといいなあ。

知彦

2019/09/02

一昨日、仕事のミスで落ち込んでいた俺を励まそうとしたのか、遥君がボルダリングに誘ってくれたから、久しぶりに二人で行ってきた。
僕はあんまり熱心にやっていないので、未だに難易度の低いコースしかやれないんだけど、頭と身体を両方フル活用して、失敗したり成功したりしていたら、だんだん気持ちが晴れてきた。
結局は、やっぱり筋肉だな。身体を動かすと、無条件にスッキリする。
どうしてあげたらいいかわかんないって言いつつ、いつも的確にフォローしてくれる遥君に感謝して、夕飯は好きなものを作るよって言ったら、ロールキャベツをリクエストされた。
なるほど、休みの日じゃないと作れない、時間のかかる料理だもんね。
オッケー、一緒にでっかい奴を作って、熱々を食べよう。

2019/09/02

部下を叱責するときは、同時に監督不行き届きの自分のことも叱責しなくてはならない。
俺のことは誰も叱ってくれないので、自分で叱るしかない。
それがけっこうこたえるので、平気なふりが下手な俺は、いつも九条に心配をかけてしまう。
九条は、あまり俺に落ち込んだ顔を見せない。
それは俺を気遣ってというより、そういうネガティブな感情にとらわれていることを人に知られたくないからだそうだ。
それが、九条の矜恃であり、意地でもあるのだろう。
それでも……少しは俺にも慰めたり寄り添ったりするチャンスがほしいものだと言ったら、笑われてしまった。
俺は本気でそう言ったんだが……寄りかかってほしいと願ってしまうのは、俺のワガママなのかもしれないな。
しかし、いつでも九条が寄りかかれるような自分でいたいとは思っている。

2019/09/02

仕事でヘマをしちゃったらしくて、帰ってきた深谷さんがすっげー凹んでる。
兄ちゃんに叱られたの?って言ったら、そういうことじゃないって。
パーッとヤケ食いしたら気が晴れる?って提案してみたけど、食欲もないらしい。
うーん、俺さあ、こういうとき、どうしたらいいのかよくわかんないんだよね。
だからストレートに、どうしてあげたらいい?って訊ねてみた。
そしたら深谷さん、「何も考えたくない、何も言いたくないから、ただへこませてほしい。でも、傍にいてほしい気持ちはあるんだけど、いいかな」って答えてくれた。
勿論いいよ! 一緒にいるからじゃんじゃん凹んで!って言ったら、「遥君にはかなわないなあ」って、深谷さんが帰ってきて初めて笑ってくれた。
やった! 思う存分落ち込んだら、夜中でもいいから、一緒に何か食べようね。

九条

2019/09/02

冬になると、僕が風呂から上がるのを待ちかねていたように、大野木先生が手にクリームを塗り込んでくださいます。
花屋という仕事上、どうしても手荒れが酷くなるのを気にしてくださっているのです。
僕としては、食後の洗い物を引き受けてくださっているだけで十分ですのに……と言いつつ、やはり僕の手を取り、労ってくださる先生のお顔を近くで見ているのが嬉しすぎて、つい、冬の間じゅう、この手荒れが治らなければいいのに……と思ってしまいますね。
そんなことを言えばきっと叱られてしまうのでしょうけれど。

知彦

2019/09/02

風邪を引いている患者さんが増えて来た。
冬だから仕方がないけれど、理学療法士と患者さんはリハビリ中、どうしても距離が近くなるから、気にならないといえば嘘になる。
患者さんにはリハビリ前に必ず手洗いをしてもらって、僕らもマスクで予防に努めているけれど、ついに今日、同僚がひとりインフルエンザで欠勤した。
食べ物を扱っている遥君にうつしたら大変だから、今まで以上に注意しないとな……。
と思いながら帰ると、遥君、まさかの風邪ぎみ!
微熱を出して、こたつにもぐりこんでうーうー言っていた。
とはいえ、まだ大したことはないので、あつあつの雑炊を食べさせて、あったかくして僕も一緒に早寝。
大丈夫なのにと言い張るわりにすぐ寝てしまった遥君だけれど、そんなにしんどそうではないので安心したら眠くなってきた。
遥君が寝たら少し持ち帰り仕事をしようと思っていたのに、このまま寝てしまいたい誘惑に勝てそうにないなあ……。

2019/09/02

職場から道路一本渡れば帰宅できるようになったので、電車に乗る機会がめっきり減った。
今日は他大学での講義を引き受けていたので久しぶりに乗ったら、新型車両だったのか、座席の形が微妙に違っていた。
日常にも、小さな変化が色々あるものだな。
帰りは乗り継ぎのタイミングが悪く、駅のホームで長く待つ羽目になった。
おかげでずいぶん冷えてしまって……その、駅前で焼き芋を買ってしまった理由は、そんなところだ。
紙袋に入れてくれた焼き芋を抱えていると、じんわり胸元が温かくて心地よかった。
そんな話をしたら、焼き芋を食べながら、九条が少し不満げに「あなたを温めるのは僕だけの特権にしたかったのに」と呟いたのが、今さらながらにちょっと可笑しい。

九条

2019/09/02

忘年会が終わると、いよいよ今年も終盤なのだなと実感しますね。
何となくお正月用の食器を出してチェックしていたら、起きてこられた先生が、羽子板の形の銘々皿を手に取って、「これを見ると、正月が来るという実感が湧く。そんな条件反射が形成されるほど、お前と一緒に正月を迎えてきたとうことだな」と笑顔で仰るので、僕までしみじみと嬉しくなりました。
確かに、一年でそのときだけ使うもの、することにお馴染み感が出てくると、ああ、一緒に年を重ねたんだなと感じられますね。
僕は、年が明けた瞬間に、それまでどれだけリラックスしていても、きちんと正座して新年の挨拶をしてくださる先生の姿が、お正月と聞くと真っ先に思い出されます。
今年もいい年越しにしましょうね。

2019/09/02

兄ちゃんと深谷さんは、医局の忘年会なんだって。
つまんないから、九条さんと二人で、俺たちも仕事の忘年会をすることにした!
最近は兄ちゃん抜きで会うことも増えたから、九条さんがもう一人の兄ちゃんみたいになってきた。
兄ちゃんたちは中華らしいけど、俺たちはベトナム料理。
女子会みたいだな~って笑いながら、めんどくさいことを考えなくてすむコース料理を頼んで、もりもり食って、店の経営のこととか、兄ちゃんの子供時代のこととか、いっぱい喋った。
九条さんは「遥君は、僕にとっては生きるアルバムみたいな人ですからね」って言うんだ。
な、なるほどな~。
九条さんは聞き上手だから、忘れてた兄ちゃんの昔の面白エピソードがボロボロ出てきて、俺も楽しかった!

2019/09/02

深夜にふと、九条が布団を着せ直してくれる気配で目が覚めることがある。
目を覚ましたと伝えてしまうと気を使わせるだろうし、実際半ば眠ったままなので、目を開けることはせず、そのまま寝直そうとするのだが、肩までしっかり布団で覆ってくれたあと、とても優しく布団の上からポンポンと二度叩いてくれるのが常のことで、それがやけに嬉しい。
愛おしまれていると、深く実感できる気がするんだ。
いつか、同じことを返してやりたいと思うのだが、俺は眠りが深いのか、なかなかそのチャンスがない。
最近、地味に悔しいことのひとつだ。

知彦

2019/09/02

顔を洗うとき、お湯じゃないと厳しい季節が来ちゃったな。
水で洗ったほうがシャキッとするんだろうなと思いつつ、ついあったかいお湯で気持ちよく洗顔してしまう。
病院でも、リハビリルームに入ったときは患者さんに必ず手洗いをしてもらうんだけど、今の時期は、いつもより少しだけ温かいお湯が出るように調節している。
そうすると、患者さんが「気持ちいい~」って言って、さぼらずに手洗いをしてくれるんだ。
遥君も、夏の間は手のひらを冷たく、冬は少し温かくしているんだ~、と当たり前みたいに言っていたけど、それってけっこうプロの技だよね。
そういえば遥君は基本的に僕より体温が少し高いと思うんだけど、手のひらだけはヒンヤリしている気がする。そういうの、わざと調節できるものなんだな。
人体って凄いな……。

2019/09/02

復刻! 年末だけのお楽しみ、照焼チキンとポテサラを挟んだゴッペパン!
手が掛かりすぎるからマジで期間限定だけど、俺がコッペパンを焼いてる間に、深谷さんがポテサラをささっと用意してくれる。
色んな段階で時間をおくときに、珈琲を入れたり、髭を剃ったり、着替えたり、出勤準備をちょっとずつ済ませちゃうのがすげーんだよなあ。
段取りが上手すぎて、いつも感心する。
仕事のとき、何人かの患者さんを一度に見なきゃいけないから、自然に色んなことを同時に管理する力がついてくるんだって。なるほど。
でも兄ちゃんはそういう感じじゃないなって言ったら、「先生はいつも全部を見渡す係だから、きっと頭の使い方が違うんだよ」だってさー。
わかるような、わかんないような。

九条

2019/09/02

毎年恒例、アレンジメントを作るときに使う、クリスマス用の小さなオーナメントが作業場に収めきれず、リビングの一角にダンボールを積み上げています。
大きなアレンジメントのご注文をいただくときには、複数のオーナメントを使って賑やかに飾りますが、普段はわりに、ポインセチアの小さな鉢植えや、先生の机の上に置くような、小さな花束くらいのアレンジメントに、ワンポイントの飾り付けをしたものがよく売れます。
最近は、その場でお客様にお好きなオーナメントを選んでいただいて飾り付けることにしていて、カスタマイズ感を楽しめるようでなかなか人気です。
やはり、自分で選んだものには、愛着もひとしおなんでしょうね。
夕食のときにそんな話をしたら、先生が真顔で「俺も、お前が選んだものということになるわけだが」と言い出して、危うく味噌汁を噴き出すところでした。た、確かに。
愛着は、ひとしおどころではありませんよ!

知彦

2019/09/02

午前中は、遥屋をクリスマス仕様に改造……いや、デコレーションした。
最近は、100円ショップでクリスマスのオーナメントやモールが色々買えるから、買い物に行くのが凄く楽しい。
でも、油断すると賑やかというか色がうるさいというか、そんな欲張りすぎた感じになってしまうので、いつも控えめ控えめでちょうどいい感じかも。
お昼は外で食べようかって話になって、遥君に何がいい?って訊ねたら、真顔で「12月だから、そろそろ年越し蕎麦かな」だって。
いくら何でも早すぎるよ~!
でも寒いから、熱いお蕎麦はいいね。
ちょっと奮発して、天ぷら蕎麦なんてどうかな?

2019/09/02

今日から12月、帰宅して夕飯を済ませてから、九条と我が家用のツリーを組み立てた。
毎年、ツリーのてっぺんに大きな星を飾るのは俺の仕事だ。
何となく、玄関に注連縄を取り付けるときと同じくらい、家庭というものを感じて、身が引き締まる。
「平穏な生活を当然のこととして感謝を忘れるのはいけないことだと思う。しかし、お前とこうしてクリスマスや正月を迎えることを当たり前だと思うのは、俺にとってとても幸せなことなんだ」と正直に告げると、九条は屈託なく笑って、「僕だってですよ」と言ってくれた。
そうだな。気ぜわしい12月だが、互いに幸せな正月を迎えられるよう、いっそう頑張るとしよう。

■このブログは

大野木甫
医師の大野木甫
九条夕焼
フラワーショップ店主の九条夕焼
大野木遥
甫の弟でコッペパン専門店店主の大野木遥
深谷知彦
甫の部下で理学療法士の深谷知彦

仕事人である彼らが、昼休みに綴ります。
だから平日12:00頃更新。土日祝日はお休みです(ときどき休日出勤あり…)。

それぞれの恋模様は『お医者さんにガーベラ』『お花屋さんに救急箱』をご覧ください。

Novel 椹野道流
Illustration 黒沢要

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