囚われの蜘蛛

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- 本販売日:
- 2007/09/25
- ISBN:
- 978-4-8296-5489-7
書籍紹介
どうか、もうあんたのことを忘れさせてくれ……
九年間離れて暮らしていた異母兄・真也が突然智也の前に現れた。真也は母親からの虐待を受け続け、見かねた父親によって実母の許へ戻された為に、智也の心中は複雑だった。母親の行いをただ見ているだけだった智也は、幼い頃から密かに憧れていた真也に会いたいと思う傍ら、何もしなかったと責められるのではとずっと恐れていたのだ。大人の男へと成長した真也に、何故今になって現れたのかと問うた智也は過去の行いを体で償えと言われ――。
立ち読み
「たった一度きりで、終わると思うなよ」
「そんなっ……」
片手で顎を掬われ、乱暴に上を向かされる。ぶつかった真也の鋭い眼差しは、危険な光を湛えていた。
あの一度でも、智也にしてみれば決死の覚悟で臨んだというのに、まだ許されないのか。
真也の憎しみは、それほど深いのか。自分の犯した罪は償っても償いきれるものではないのかもしれない。ここは大人しく真也の言うとおりにするべきなのか。
そうやって流されそうになるのは、未だ晴れない罪悪感のせいかもしれない。
「あ……あんたは、勉強を教えにきたんだろう?」
「そうだよ。だけど、お前、教師がいなくても勉強できるだろ?」
教師だと宣言しておきながらそんなことを言う真也の横暴さに、智也は呆れ返った。
「あんた、何様のつ……」
もう喋るなとでも言うように、真也が乱暴に唇を塞ぐ。抵抗もできないまま、智也は肉厚な舌を受け入れて、口腔の深いところまで犯された。
水音を立てて舌が絡まり、空気が濃厚で淫逸なものに変わっていく。それが呼び水となって、体の芯に火を点けた。
「そんなっ……」
片手で顎を掬われ、乱暴に上を向かされる。ぶつかった真也の鋭い眼差しは、危険な光を湛えていた。
あの一度でも、智也にしてみれば決死の覚悟で臨んだというのに、まだ許されないのか。
真也の憎しみは、それほど深いのか。自分の犯した罪は償っても償いきれるものではないのかもしれない。ここは大人しく真也の言うとおりにするべきなのか。
そうやって流されそうになるのは、未だ晴れない罪悪感のせいかもしれない。
「あ……あんたは、勉強を教えにきたんだろう?」
「そうだよ。だけど、お前、教師がいなくても勉強できるだろ?」
教師だと宣言しておきながらそんなことを言う真也の横暴さに、智也は呆れ返った。
「あんた、何様のつ……」
もう喋るなとでも言うように、真也が乱暴に唇を塞ぐ。抵抗もできないまま、智也は肉厚な舌を受け入れて、口腔の深いところまで犯された。
水音を立てて舌が絡まり、空気が濃厚で淫逸なものに変わっていく。それが呼び水となって、体の芯に火を点けた。
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