熱情のシークエンス

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- 本販売日:
- 2007/09/25
- ISBN:
- 978-4-8296-5487-3
書籍紹介
目が覚めたら、病院のベッドの上だった
過去五年間の記憶をなくした三杉は、二十六歳になる現在、高校の同級生・真殿と同居していると知り驚く。五年前の記憶では、真殿と三杉は決して仲良く同居するような関係ではなかったはずなのだ。しかも、他界した親の事業を継いだ真殿の大きな屋敷へ、三杉は家賃も払わず居候していた。不自然な現状に戸惑う三杉は、苛立った真殿に自分たちは付き合っていたのだと言われ、恋人だったときの記憶を思い出せと強引に抱きしめられ…。
立ち読み
「正吾が来てたんなら、話したかったのに、なんで呼ばないんだよ! 声ぐらいかけろよな。俺がどんな状態か話したって、正吾ならわかってくれたはずだ」
三杉が記憶を取り戻すために正吾に会いたがっていたことを知っているくせに、この仕打ち。信じられなかった。ますます真殿に対する疑いが深くなる。
「仕事の用件だ」
「別に仕事の邪魔をするつもりはないよ。仕事が終わってから、正吾を引きとめてくれればよかったんだ」
来てたのなら、たとえ五分でもいいから正吾に相談したかった。
「おまえが正吾と会う必要はない」
真殿が理由も言わずに、切り捨てた。
「なんだよ、それ! なんで真殿が決めるんだ」
そうやって、悠介とも会わせようとしなかったのだ。真殿はどんな思惑があるのか、ろくな説明もなしに、自分の判断を押しつける。三杉の気持ちを無視している。
そのやり口は学生のときと同じで、ふつふつと腹の底が煮えくり返った。真殿に対して心底、腹が立った。
「……おまえのムカつくとこ、変わってない」
「なんだ」
「―――そうやっておまえはいつも、勝手にひとりでやりたいように自分の意見を押しつけて、俺の気持ちを無視してるじゃないかっ。そんなおまえのどこが好きだったかなんて、俺だってできるものなら聞きたいよ!」
自分ばかりが置いていかれているように感じる苛立ちを、真殿にぶつけた。
三杉が記憶を取り戻すために正吾に会いたがっていたことを知っているくせに、この仕打ち。信じられなかった。ますます真殿に対する疑いが深くなる。
「仕事の用件だ」
「別に仕事の邪魔をするつもりはないよ。仕事が終わってから、正吾を引きとめてくれればよかったんだ」
来てたのなら、たとえ五分でもいいから正吾に相談したかった。
「おまえが正吾と会う必要はない」
真殿が理由も言わずに、切り捨てた。
「なんだよ、それ! なんで真殿が決めるんだ」
そうやって、悠介とも会わせようとしなかったのだ。真殿はどんな思惑があるのか、ろくな説明もなしに、自分の判断を押しつける。三杉の気持ちを無視している。
そのやり口は学生のときと同じで、ふつふつと腹の底が煮えくり返った。真殿に対して心底、腹が立った。
「……おまえのムカつくとこ、変わってない」
「なんだ」
「―――そうやっておまえはいつも、勝手にひとりでやりたいように自分の意見を押しつけて、俺の気持ちを無視してるじゃないかっ。そんなおまえのどこが好きだったかなんて、俺だってできるものなら聞きたいよ!」
自分ばかりが置いていかれているように感じる苛立ちを、真殿にぶつけた。
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