溺愛酷愛症候群
書籍紹介
ひどいことばかりするからやだ
青木の司法試験合格パーティで青木に似た紳士にいきなり口説かれた中小路の身辺が不穏になった。青木がボディーガードとして、中小路の身辺警護を始めるがーー。懲罰シリーズ、待望の青木&中小路編!
立ち読み
青木の姿が、少し離れた人混みの向こうに見えた。高校のときの大親友、香椎柚実と話している最中だった。昔から青木は香椎と話すときには笑顔全開で、変わっていないその態度に腹が立つ。
「誰か私以上に気になる人でもいるの?」
ふと視線をそらせていた隙に、彼は中小路のすぐ脇に場所を移していた。
必要以上に近づかれて、中小路は彼から離れようとした。しかし、そのとき瞳の端に青木の姿が映った。
一瞬だけ、青木と中小路の視線が合った気がした。だけど、青木は何もなかったように視線を反らせ、香椎としゃべり続けている。それどころか、指先で香椎の頬までつついているところまで目撃してしまう。
――青木め!
ムッとした。こんなにそばにいるんだから青木だって中小路の姿に気づいていないはずはないだろう。
すぐに恋人のところに来るのが礼儀だろうに、ぐずぐずしているのみならず、昔の大親友といちゃついているなんて、信じがたい男だ。
――おまえがおまえなら、こっちにだって考えがあるんだから!
「誰か私以上に気になる人でもいるの?」
ふと視線をそらせていた隙に、彼は中小路のすぐ脇に場所を移していた。
必要以上に近づかれて、中小路は彼から離れようとした。しかし、そのとき瞳の端に青木の姿が映った。
一瞬だけ、青木と中小路の視線が合った気がした。だけど、青木は何もなかったように視線を反らせ、香椎としゃべり続けている。それどころか、指先で香椎の頬までつついているところまで目撃してしまう。
――青木め!
ムッとした。こんなにそばにいるんだから青木だって中小路の姿に気づいていないはずはないだろう。
すぐに恋人のところに来るのが礼儀だろうに、ぐずぐずしているのみならず、昔の大親友といちゃついているなんて、信じがたい男だ。
――おまえがおまえなら、こっちにだって考えがあるんだから!
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