極・艶
書籍紹介
俺の竜がお前を喰わせろと言っている
心酔してた男に失恋し、真木は山奥の温泉宿にきた。そこで出会った竜王の刺青を持つ男。真木は危険と感じつつも傷心を癒すような愛撫に惹かれてしまう。が、所属する組へ戻った真木は、自分が惚れてはならない男に抱かれたと知り─!? ヤクザ同士のプライドと愛の駆け引き!
立ち読み
「お前みたいな極上な男をふるなんて、見る目のない女だな」
声がするほうに近づいていくと、真木はちょうど湯から立ち上がった男の姿を、おぼろげに見つけ出した。
『っ、竜だ…!!』
さらに近づくと、真木を威嚇するように鋭い牙を剥き出した、竜と目が合った。
『いや、違うか…。竜じゃない。これは、竜さえ背負った竜神? いや、竜王だ。なんか、いつかどっかで見た仏像よりはやけに若くて色男だけど。これは間違いなく、徳叉迦竜王とかってやつだ!!』
足元に立ちこめる雲煙の中に、天を仰ぎ昇る竜さえ肩から背負って立ち尽くした、合掌する姿も勇ましく猛々しい八大竜王と呼ばれる中の一人、徳叉迦竜王と目が合った。
「なぁ、坊や」
しかし、そんな背を持つ男がゆっくりと振り返ると、湯気を割って現れたのは雄々しいまでの肢体を持った極上な男だった。
肩幅も広く胸も厚いのに、そこから絞られ、引きしまったウエストまでのラインが妙に艶かしい。そのうえ驚くほど整った美貌のマスクは適度に甘く、そして凛々しく。真木はそんな男に突然声をかけられて微笑まれると、何かを考える前にドキリとした。
「だがな、そういう目は時として人を誘うもんだ。男心を、いや雄の本能さえ誘うも
んだ」
視線が合うと胸が高鳴るままに後ずさりさえできず、いきなり伸びてきた男の手に左腕を捕らえられた。
「っ!!」
「どうしてくれるんだ。そうでなくとも禁欲生活が長くて、このさい相手になるなら冬眠し損ねた熊でもいいかって気分だったのに――――、お前みたいな極上なガキを見たら、速攻で食いたくなるじゃないか」
「くっ、熊!?」
それどころか、聞き捨てならないようなたとえをされて胸元まで引き寄せられると、真木はいきなり男の腕の中に抱きすくめられた。しかも回された利き手でしっかりと尻を握られ、谷間に指を這わされて…。
「口説き文句もそこそこに、すぐにでもぶちこみたくなるじゃないかよ」
真木はドキンどころか血肉が沸騰しそうになると、男の胸元を力いっぱい押し退けながら、悲鳴に近いような罵声を上げた。
「えっ、ちょっ!! なっ、何すんだよ、テメェ!! 自分より若いと思って、なめてんじゃねぇぞ、この変態!!」
声がするほうに近づいていくと、真木はちょうど湯から立ち上がった男の姿を、おぼろげに見つけ出した。
『っ、竜だ…!!』
さらに近づくと、真木を威嚇するように鋭い牙を剥き出した、竜と目が合った。
『いや、違うか…。竜じゃない。これは、竜さえ背負った竜神? いや、竜王だ。なんか、いつかどっかで見た仏像よりはやけに若くて色男だけど。これは間違いなく、徳叉迦竜王とかってやつだ!!』
足元に立ちこめる雲煙の中に、天を仰ぎ昇る竜さえ肩から背負って立ち尽くした、合掌する姿も勇ましく猛々しい八大竜王と呼ばれる中の一人、徳叉迦竜王と目が合った。
「なぁ、坊や」
しかし、そんな背を持つ男がゆっくりと振り返ると、湯気を割って現れたのは雄々しいまでの肢体を持った極上な男だった。
肩幅も広く胸も厚いのに、そこから絞られ、引きしまったウエストまでのラインが妙に艶かしい。そのうえ驚くほど整った美貌のマスクは適度に甘く、そして凛々しく。真木はそんな男に突然声をかけられて微笑まれると、何かを考える前にドキリとした。
「だがな、そういう目は時として人を誘うもんだ。男心を、いや雄の本能さえ誘うも
んだ」
視線が合うと胸が高鳴るままに後ずさりさえできず、いきなり伸びてきた男の手に左腕を捕らえられた。
「っ!!」
「どうしてくれるんだ。そうでなくとも禁欲生活が長くて、このさい相手になるなら冬眠し損ねた熊でもいいかって気分だったのに――――、お前みたいな極上なガキを見たら、速攻で食いたくなるじゃないか」
「くっ、熊!?」
それどころか、聞き捨てならないようなたとえをされて胸元まで引き寄せられると、真木はいきなり男の腕の中に抱きすくめられた。しかも回された利き手でしっかりと尻を握られ、谷間に指を這わされて…。
「口説き文句もそこそこに、すぐにでもぶちこみたくなるじゃないかよ」
真木はドキンどころか血肉が沸騰しそうになると、男の胸元を力いっぱい押し退けながら、悲鳴に近いような罵声を上げた。
「えっ、ちょっ!! なっ、何すんだよ、テメェ!! 自分より若いと思って、なめてんじゃねぇぞ、この変態!!」
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