吉原艶情

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本価格:649(税込)

書籍紹介

ただひとりの人のために、火を放った

特高警察の桐守は、酔い潰れたところを異邦人の男花魁・翡翠に介抱され、夢うつつのまま快楽を与えられた。国粋主義の桐守は屈辱に震えたが、吉原での調査に彼の手を借りるうち、その心と身体の温かさにどうしようもなく惹かれていく。しかし異邦人は排除の対象。特高に目を付けられた翡翠は、捕らわれてしまう。庇った桐守も捕らわれ、死と隣り合わせの牢中でふたりは──。
立ち読み
「大丈夫だよ。気持ちよくしてあげる」
「こんな、くだらんことは、自分は──ぁ、ん」
  窄まりを指先で捏ねられて、変な声が出てしまった。口を横に引き結ぶ。
  声を殺した代わりに、身体がビクンビクンと跳ねる。襞が意思に反して、翡翠の指になついていくのがわかった。
「開いてきた」
  その言葉とともに、指先が体内に入り込む。痛みはなかったが、桐守は咄嗟に蕾を閉ざした。そうするとよけいに指に入られているのが鮮明にわかった。浅い場所で指がくねる。
「っ、あ」
  ふいに性器に爆発しそうな疼きが起こる。
「いい?  このコリコリしてるのが青さんのいいところ」
「や、め、指を、どかせっ」
  そこから指を外させたくて、桐守は翡翠の肩に手をついて膝立ちになり、腰をくねらせた。それなのに、執拗に体内の凝りを捏ねられる。
「ぃ、っ、あ……ああ」
  果てそうになったところで、急に指がずくりと深くへ沈んだ。さすがに違和感が酷くて、内壁が自然と押し出す蠕動を始める。
  またそこで指がくねった。
「ん…」
  なにか、意識が朦朧とするような深い体感が起こった。
  目を閉じると、瞼が痙攣する。
「な、んだ」
「青さんの身体の秘密を、俺がたくさん教えてあげるよ」
  優しい声で言いながら、翡翠が指をずるずると抜いていく。指が抜けきると、桐守の腰はがくんと落ちた。足の狭間全体がジンジンしている。
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