嘘つき同士

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本価格:681(税込)

  • 本販売日:
    2010/08/10
    電子書籍販売日:
    2012/08/17
    ISBN:
    978-4-8296-2488-3
書籍紹介

言ってはならない言葉を  何度でも言いたくなる

失踪した王女レイチェルにうり二つなことから、身代わりとして大国に嫁ぐことになった宿屋の倅・レイ。王女が見つかるまでとの約束で、王子ヴィンセントと三十日間の「白の蜜月」を王宮で過ごすことに!  その間は清い関係でいなくてはいけないはずが、レイの失態でそうも言っていられない状況に陥ってしまう。さらに、ヴィンセントのほうも何やら隠しごとがある様子で――?
立ち読み
「んぐ……ふっ、ぅ……!」
「姫……っ」
  姫じゃない、レイだ──そう言えるものなら言ってみたい想いが、鈴口で押し込まれた舌の根で燻っている。けれど頭で想い願うことは曖昧で、そう言いたい衝動の根源が何であるかは自分でもわからなかった。
  明確なのは、ヴィンセントの興奮に股間が連動してしまっていること──これだけは、彼の目に見えなくとも自分に対しては誤魔化しようがない。床の上で膨らんだスカートの中は滴る雫で湿り、先程少しだけ愛撫された秘孔は、もっと突かれたくて疼いていた。
(……こんなことしてて……なんで……勃つんだ……?)
  これまで自分という人間をそれなりに理解しているつもりでいたレイは、答えを求めて視線を上げる。まずは上下するヴィンセントの胸が見え、ごくりと音が聞こえそうな動きをする喉が見えた。そして最後に、快楽と戦う顔が見える。
「──……ッ!」「んっ……ぅ!」
  レイは怒張の先端を口にしたまま、ヴィンセントと視線を合わせた。
  彼の理性と忍耐が官能に敗北を喫して、勝利した艶色がぶわりと咲き誇る──そんな、酷く苦しげで甚だ色めく表情に、レイの理性も砕かれる。
  鼓動が弾け、自分の心音と彼の脈動しか聞こえない瞬間がやってきた。
  血がどう巡っているかを感じられるほど胸が騒ぎ、体が末端に至るまで熱くなる。
「──……ッ、ゥ……!」
  スカートの中のレイの分身が、一際猛ったその時に、口内にある彼が絶頂を迎えた。
  口角がみしりと痛く感じるほど増長した物の中心を、劣情が駆け抜けるのがわかる。
「んうぅーっ!」
  どろりと濃く熱い迸りが、喉が詰まるような勢いで飛びだしてきた。
  それは舌の表から溢れ、裏にもねっとりと入り込んでくる。
  レイの味覚と嗅覚は忽ち、青い味と匂いに埋め尽くされていった。
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