働くおにいさんブログ一覧

2019/09/02

蒸し暑くて、どうにも身体が怠い。
ベッドの中でゴロゴロしていたら、九条が隣で横たわったまま、「朝風呂などどうでしょう。さっぱりしそうな気がします」と言い出したので、二人して起き出して、風呂の支度をした。
さすがに一緒に入るとさっぱりどころではないので、順番に風呂を使ってみると、本当にサッパリというか、スッキリというか、とにかく疲れるかと思いきや、むしろ身体に力が戻ってきた感じがする。
風呂上がりに、貰い物のキーウィを切って朝食にした。酸味と甘みで、さらにシャッキリした。
その状態で、この週末は何をしようか……と二人で相談するのも楽しい。
とりあえず、今日は二人で徹底的に休むことにした。六月はエキストラの休日がないので、こういう日も必要だ。俺たちなりの安息日だな。

知彦

2019/09/02

もうとっくにかけ布団は手放して、遥君も僕もタオルケット一枚で寝ている。
年々、真夏の訪れが早く、去るのが遅くなる気がするなあ。
夏が来ると、遥君の寝相がひときわ酷くなるから、僕はしょっちゅうパンチやキックを受けて目を覚ます。
さすがに疲れているのに起こされてイラッとすることもあるんだけど、伸びやかなポーズですやすや寝ている遥君を見ていると、起こして文句を言うなんてとても言えないんだよねえ。
可愛い寝顔を見ているうちに、眠気も戻ってくるしね。
起こされて迷惑しているはずなのに、遥君にタオルケットを着せ直してもう一度目を閉じるとき、何だか幸せな気持ちになっているのは、なんなんだろうな。

九条

2019/09/02

いつもの待ち合わせのカフェに行くと、先生がいつものように読書……ではなく、駅前の旅行会社で貰ってきたという海外旅行のパンフレットを眺めておいででした。
コーヒーを一杯飲む間、二人であれこれと眺めつつ、お喋りを。
先生はヨーロッパや北欧に行ってみたいと仰り、僕はエメラルドの海と水着姿の先生を一緒に堪能したいのでアジアンリゾートに行きたいと言い……。
希望の目的地はまったく噛み合いませんでしたが、とりとめもなく互いの旅の目的を語り合うのはとても楽しかったです。
結局のところ、先生と一緒なら僕はどこでもいいのです……が、やはりアジアンリゾートがいいと思います。健康的ですし!

2019/09/02

この時期、梅雨のせいでどうにも蒸し暑いから、パンの発酵の調整が難しい。
発酵に冷蔵庫を使っていれば環境は一定だろうって思うのに、やっぱ生地をこねているときの湿度や気温が微妙に影響するんだよね。
生地は生き物だな~って、いつもより強く実感する。
いよいよ来月からアイスクリンの販売を開始するから、深谷さんが今年の試作を始めた。
去年みたいにきび砂糖を使った奴と、白砂糖を使った奴。
きび砂糖を使うとちょっと香ばしくて奥行きのある味になるねって去年は凄く気に入ってたけど、今年は何となくシンプルにスッキリ、白砂糖の気分。
なんだろ、やっぱ気温と湿度の加減かな。
二人とも意見が一致したから、今年は白砂糖で行こうかって決めた。
もしかして梅雨明けしたら、また気分が変わるかも。
何かフレーバーをつけようかって話も出たけど、やっぱりアイスクリンについては、できるだけシンプルにいこうと思う。
凝ってみたり、種類を増やしてみたりするのがいいとは限らないよね。
選択肢がないっていうのも、ときにはいいことだと思う。

2019/09/02

くだらない、と言ってはいかんのだろうが、空虚な議論が延々と続く会議に出席していると、人生の時間を浪費しているという気分になって仕方がない。
大学教員の義務とはいえ、俺はどうも会議が好きになれない。
かといって、居眠りでやり過ごすのも、不誠実すぎる気がして無理だ。
結局、地蔵のように固まってひたすら終わりを待つということになってしまって、それはそれでとても無駄な時間だ。
俺に発言の機会があるような議題ならいいが、リハビリ科の臨床教授などお呼びでない議題も多い。
そういうときは、帰宅したら九条とどんな話をしようかと考える。
どんな話をしても、九条は微笑んで聞いてくれるので、その笑顔を頭の中で思い描いただけで、殺伐とした気持ちも少し和やかになる。
今日もそうやって、長すぎる会議を切り抜けた。さあ、早く帰ろう。

知彦

2019/09/02

今年も、店のガラス窓を軽く覆うように育てた緑のカーテンの胡瓜が収穫できるようになった!
初めての胡瓜は少し早めに収穫して、朝ごはんに二人でポキッと半分に折って、そのまま食べた。
採れたての胡瓜は本当にみずみずしくて、塩も何もいらない。
これは、家庭菜園を作るまで知らないことだった。
今年も美味しいねって遥君と言い合いながら食べられるのが嬉しいな。
今年も色んな料理に胡瓜を使って楽しみたいから、たくさん収穫できますように!
遥君は、「コッペパンに胡瓜使えないかな。酢の物コッペとか……」って不穏なことを言っていた。
いや……ポテサラコッペくらいがいいんじゃないかな。酢の物はちょっと……。

九条

2019/09/02

土曜日ですが、僕はお仕事です。ウエディング用のお花の注文をいただいているので、昨夜からずっと作業にかかりっきりでした。
こういうとき、大野木先生がとても助けてくださるので、本当にありがたいです。
昨日の夕食は美味しいお寿司を買って帰ってくださって、お味噌汁は先生が作ってくださいました。
「マニュアルどおりにするから、俺の味ではないんだが」
と謙遜なさっていましたが、きちんとお出汁を引いて作ってくださったので、とても美味しかったですよ。
今日も、朝から運搬や納品、現地での飾り付けまで、すべて一緒にやってくださっています。
申し訳なく思いつつ、同じ場所で共に働けるというのはとても幸せで、頬が勝手に緩んでしまいます。緊張感を持って仕事をしなくてはならないのですが、それはそれ、これはこれですね。

2019/09/02

何故か、仕事帰りの深谷さんが、お寿司をいっぱい持って帰ってきた。
どしたの?って訊ねたら、兄ちゃんが帰りについてこいって言うからお供したら、お寿司屋さんだったんだって。
で、うちの分も用意してくれてたから、貰って帰ってきたんだってさ。
きっと九条さん、週末、花屋の仕事が入ってんだな。
おかげで、晩飯はお寿司! やったー! 九条さんありがとう! 兄ちゃんもありがとう!
深谷さんは兄ちゃんのことを凄く尊敬してて、よく晩飯食いながら、その日の兄ちゃん情報を教えてくれる。
変な話だけど、いつも、俺の知らない兄ちゃんがそこにいる。
兄ちゃんが深谷さんから聞く俺も、兄ちゃんの知らない俺なのかな~。
兄弟って不思議だよね。

2019/09/02

九条といつものように待ち合わせる。外はまだ明るい。
冬の間、六時過ぎといえば真っ暗だったのが嘘のようだ。
何となく夕食を摂るには早すぎるような気持ちになると、二人で待ち合わせ場所のカフェでコーヒーを飲みながら、そんな話をした。
そうこうしているうちに少しずつ薄暗くなってきて、カフェを出た。
この時期特有の湿った空気のせいで、何となくスパイシーなものが食べたくなって、夕食をインド料理にしようと意見が一致した。
九条が、いつかインドに行ってみたいと言い、俺があまり気が進まないと言い、何故か、インドにはザビエルの手のミイラがあるという話でやけに盛り上がった。
ずっと一緒にいても、こうして話題が尽きないことは不思議だし、嬉しいことでもある。
旨いカレーを食べながら、いつか海外旅行で行きたい国について話し合った。
いつになるかはわからないが、こういうことはあまり先延ばしにせず、思い立ったときに行くのがいいんだろうな。真剣に考えてみるとしよう。

知彦

2019/09/02

仕事中、患者さんどうしの軽い小競り合いがあって、肝を冷やした。片方は、僕の受け持ちの患者さんだった。
たいてい、一度に複数人の患者さんを診るから、どうしても、運動を指示しておいて目を離す時間ができてしまう。
リハビリに使えるスペースは限られているから、患者さんどうしが近くで運動することも多くて、身体が触れたとか、故意にではなく押してしまったとか、そんなことでたまにいさかいが起こることがあるんだ。
そういうとき、咄嗟に上手く両方を分けて落ちつかせなきゃいけないんだけど、僕は怯んでしまった。まだまだだな……。
すぐにカウンターの中から出ていった大野木先生が冷静に二人を諭してくださって、ことなきを得た。
先生はこういうときも落ちついてて、凄いなあ。
帰りにそう言ったら、先生はちょっと笑って「癇癪持ちの弟がいたからな」って言ってた。遥君……。小さい頃は猛烈に怒りん坊だったんだね?

九条

2019/09/02

ああ、LINEですか……。僕も本当はスタンプ選びがあまり得意ではないのですが、すべて言葉で返そうとすると驚くほど長くなってしまうので、やむを得ず。
今日は、週末にお式を挙げられるカップルが夕方にお見えになって、最終的なお花の確認をしてくださいました。
ちょうど使う予定の花があったので、こんな感じになりますと実物を見ていただいて、ブーケの大きさや長さのご希望を詳しく伺えてよかったです。
やはり一生に一度のことですから、とことんご希望に添ったものにしたいですからね。
ちょうど、お客様がお帰りの際に大野木先生がご帰宅なさってほぼ鉢合わせになったのですが、何も申し上げていないのに先生が「おめでとうございます」と声をかけてくださって、お客様たちも照れながら嬉しそうになさっていました。
「よくわかりましたね」と後で言ったら、「幸せオーラというのは本当にあるんだな」
としみじみ仰っていました。「俺からもきっと出ているんだろうな」とも。
ふふ、そういうことなら僕からも出ていますよ、きっと。

2019/09/02

昨夜は、お互いの父親から父の日のプレゼントのお礼の電話がかかってきて、別々の部屋で長話をしてた。
なんか父親って、LINEとかなかなか覚えないよね~。
母親はバリバリ使いこなすのにな。うちの母親、最近、忙しいときは絵文字だけですっげーぞんざいに返事してくんの。腹立つ~。
そういや、九条さんもよくスタンプ使うよね。兄ちゃんはたまに使うけど、絶対、今それじゃないよねって奴が来る。
深谷さんは半々くらいかな~。俺もそう。
つか、母親とは電話とかでもフツーに喋れるのに、父親ってすっげー緊張すんの。たぶん向こうも緊張してんのが伝わってくるし。
父親こそ、LINEかメールが使えるようになってほしい! マジで!

2019/09/02

木曜日にコラボメニューを楽しんだ美術展に、九条と二人で出掛けた。
混雑を覚悟していたのだが、朝いちばんで行ったのがよかったのか、意外とゆったり見られた。
ただ、俺たちが出る頃には入場制限がかかっていたから、やはり早起きは三文の得だな。
美術館のカフェでも、やはり特別展のコラボランチがあるというので、昼食はそこで摂ることにした。
こちらも、俺たちが注文を済ませる頃に満席になったので、今日はタイミングのいい日だ。
一昨日のフレンチのコース料理に比べれば、さほど凝ったものではなかったが、それでも、十分に美味しいサンドイッチがメインだった。
サラダのドレッシングが旨いと言ったら、九条が今度、再現してくれるらしい。楽しみだ。
あれやこれやと呟きながら、熱心にドレッシングの味を分析する、その真剣な表情が、大きな窓から差し込む日光の加減か、とても美しく見えて……正直、たくさん見たはずの名画の記憶が、すべて色褪せてしまった……。

知彦

2019/09/02

仕事終わりに、先輩に誘われて飲み会。
遥君に連絡を入れたら、しばらくして、「兄ちゃんとこに行くから大丈夫」というLINEが。
本当に大丈夫なのか心配になって九条さんに連絡を入れた。
そうしたら、大野木先生も、今日は「秘密の会食」にお呼ばれで、九条さんひとりだったらしい。二人で楽しく何か作って食べるからご心配なく、と言われてしまった。
なるほど。それなら安心だ。ふたりでいったい何の話をしているのか、興味があるような、ちょっと怖いような。
大野木先生の「秘密の会食」は、きっと、アレだ。病院内の政治活動だな。
先生はそういうことに興味がないけれど、リハビリ科の科長だから、学内で教授選があるたび、あれこれと忙しいらしい。本当は、さっさと帰って、九条さんの手料理を食べたいんだろうなあ……。トップはどこでも大変だ。

九条

2019/09/02

お花のお稽古帰り、今日は駅前ではなく、ホテルのロビーで待ち合わせました。
ちょうど、地元の美術館でやっている特別展のコラボレーションメニューが、そのホテルのフレンチレストランで提供されているので、二人とも興味があったのです。
美術展に展示されている色々な絵をテーマにしたコース料理で、中にはこじつけかな……というものもありましたが、味はとてもよかったです。
美術展をこの週末に見にいくよていなので、ちょうどいい予習にもなりました。
ついでに、最上階のバーでも、美術展コラボのカクテルがあるということで、一杯だけ飲んでいくことに。
夜景を見ながら、ピアノの生演奏を聴いて美味しいカクテルを飲むなんて久しぶりで、とても素敵なデートになりました。
ドラマなら、そこで同じホテルに部屋を取るのでしょうが、僕たちは同じ家に帰ることができる。何よりの幸せですね。

2019/09/02

店を閉めた後、何だか物凄く眠くて、茶の間の畳みの上に大の字になったら凄くヒンヤリして気持ちがよくて、そのまま寝ちゃってた。
気がついたら暗くなってて、茶の間には灯りがついてて、いい匂いがして、ガバッと起きたら、深谷さんが台所で晩飯を作ってた。
「できたら起こそうと思ってたのに」って言われて、なんだか俺、凄く幸せだなって思った。
こういうの、ほんとに素敵だ。
深谷さんが作ってくれてるのがハンバーグで、もう、最高過ぎて言うことないよね!
俺、幸せだーって後ろから深谷さんに抱きついたら、大袈裟だよって笑われたけど、ホントだよ。
洗い物は、俺がきっとやるからね! あと、布団も俺が敷く!

2019/09/02

梅雨の時期は、リハビリに通ってくる患者さんたちの足元が気になる。
道はどうしても滑りやすくなるし、湿度が高い日は、古傷が痛む人も多い。
通ってくることが負担にならないように、自宅でできる運動をより重点的に教えるよう、療法士たちには言ってあるが、皆、真面目なので、雨が降っても律儀に通ってくれる。
その努力に、我々も応えなくてはな。
そんなことを思いながら医局に戻ったら、九条が来ていたものらしく、机の上の花が取り替えられていた。
小さなアジサイだった。とても涼やかで、綺麗なものだ。
誰もが、自分の持ち場で最善を尽くさなくてはならない……花に、そう言われているような気がした。
九条はいつも、涼しく温かく、飄々とそれをやってのけている。俺も、負けてはいられないな。

知彦

2019/09/02

先週は、遥君が常連さんから預かったソフトクリームメーカーで、ほぼ毎晩、色んなソフトクリームをデザートに作って、凄く贅沢な気分を味わえた。
勿論、常連さんがお孫さんと一緒に美味しいソフトクリームを作れるように、マニュアル作成のための実験だったわけだけど、凄く楽しかったな。
コンビニの冷凍フルーツを使って、簡単にフルーツフレイバーのソフトクリームが作れる。
あまりにもはまってしまったから、今日の夜、あの機械を返してしまったことがなんだか寂しくなってしまった。
洗浄がちょっと面倒なのと、容器を冷やすのに時間がかかるのがネックだけど、うちにあったら楽しいだろうなあ……。
遥君と、買おうか、と相談中。でも、飽きてしまう気もするんだよね。
正直、冷凍フルーツがあったら、ミキサーだけでも固めのスムージーなら作れるから、それで済ませるのも手かな。ものは買うより捨てるのが大変だからね!

九条

2019/09/02

今日は夏に向けて、二人で家じゅうのエアコンの掃除をしました。
ひとりでやるのは面倒臭いだけですが、二人でやると、そういうことすら楽しくなるので不思議です。
特に、自分の家で、二人が快適に過ごすためだと思えば、掃除も苦になりませんね。
とはいえ、慣れない作業なので、いささか時間が掛かりすぎ、くたびれてしまいました。
夕食は簡単にパスタで済ませることにして、まずはお風呂にゆっくり入ってください、と言ったら、先生は「お前が先に入るといい」と……。
押し問答になってしまいそうなので、たまにはと一緒に入ることにしました。
何故たまにかということを、いつも二人して入ってから思い出します。
狭苦しいからでした……。いえ、それもたまにだと乙なものですが。

2019/09/02

お客さんに、「パン屋さんって朝早いんでしょ、どうしたら早起きできるの? うちの子、朝が弱くて」って言われた。
俺だって、店を始めるまでは滅茶苦茶弱かったですよって答えたら驚かれたけど、そういうもんじゃない?
仕事だと思うから、起きられるんだよね~。
学生時代は、好きで学校に行ってるわけじゃないから、そりゃ起きられないよ。
俺だって、兄ちゃんがいなかったら毎日遅刻してたと思う。
兄ちゃん、毎朝、俺を布団から引きずり出して、洗面所まで連れていってくれてたもんな。
その話をしたら、深谷さんめちゃくちゃ笑ってたけど、ホントだよ?
でも今は、兄ちゃんが寝起きが悪くて、九条さんに起こされてるんだって。不思議。

2019/09/02

いつものように生け花の稽古帰りの九条と待ち合わせをするため、駅前のカフェに。
コーヒーを頼もうとしたら、季節メニューの苺のドリンクがやたら旨そうで、つい注文してしまった。
いわゆるスムージーのたぐいだろうか。それだけならそれなりに健康的だが、てっぺんに大量のホイップクリームが載っているので、ボリュームが凄まじい。
持て余していたら九条が来たので、半分手伝ってもらった。九条のカフェオレをもらって、体も温まった。
しかし、何だか糖分を摂取したせいか、空腹が薄らいでしまって、ここぞとばかり、寿司屋へ行った。
空腹でないので、軽くつまんで食事を終えられる。寿司を食べるのに、こんなにいいタイミングはない。
九条とふたり、この作戦は今後も使えるな、と言い合って帰ってきた。

知彦

2019/09/02

九条さんと大野木先生の似ているところ……。うーん、どこだろう。
そうだ、お二方とも、几帳面なところはよく似てますよね?
お互いに似ているところが見つかるとくすぐったいというのは、なんだかわかる気がします。
僕と遥君も、時々似ているなあ……と思うところがあって。
たとえば、意外と変化を嫌うところとか。
ものの場所とか向きが変わると、慣れるのにけっこう時間がかかるんですよね。
なので、家具とか家電とかは、最初に置き場所をうんと相談してきちんと決めないと、あとが大変です。
そんな自分の融通のきかなさは嫌なんですが、同じ要素を遥君に見出すと、ちょっと可愛いと思うから不思議です。
そういうのを、惚れた弱みって言うんですかね。

九条

2019/09/02

確かに、アイスクリームが恋しい季節がやってきたようですね。
僕も今日、店を閉めて買い物に出たとき、つい、小さなカップアイスがいくつか入ったファミリーパック的なものを買ってきてしまいました。
夕食の後、先生と一つずつ好きなフレーバーを選んで、ソファーでテレビを見ながら食べるのが、ささやかな幸せです。
ただ、真夏と違って、ちょっと体が冷える感じがするので、熱いコーヒーがお供です。
甘くて冷たいアイスクリームと、苦くて熱いコーヒー。
まるで逆なのに、相性がいいのですよね。まるで、僕と先生のよう……と言いたいところですが、一緒に暮らしていると、似ているところもいくつか見つかってきたように思います。
そういうのが見つかると、ちょっとくすぐったいですね。

2019/09/02

今日、常連のおばあちゃんが、「夏休みに孫が来たときに使おうと思って買ったんだけどね、あんた、試しに使って、あたしに使い方を教えてくれない?」って言って、何かを持ってきた。
なんだろなーと思ったら、ソフトクリーム製造機!
ほえー! 家でそんなの作れちゃうの!?
作ろう作ろう、今夜さっそく!って思ったら、ソフトクリームを作る容器をけっこう長い時間冷凍庫に入れておかないとダメみたい。
ちぇ~。でも、材料はすぐ手に入りそうだし、深谷さんと試して、夏休みが近くなったらレクチャーに行くよ!って約束した。
うわー、楽しみだなあ。家でソフトクリームとか、夢みたいじゃない?
思わず深谷さんにLINEしちゃったら、深谷さんからもめっちゃテンション上がってるスタンプが帰ってきた!
とりあえず、今夜は準備だな!

2019/09/02

書斎で持ち帰った仕事をしていたら、リビングのほうからささやかなボリュームで音楽が流れてきた。
最初は九条がCDでもかけているのかと思ったら、どうやらそうではなく、九条が久しぶりにカリンバを弾いているようだ。
オルゴールのような澄んだ優しい音は、少しも仕事の邪魔にならない。むしろ、心地よいBGMになってくれる。
ごく自然に耳を傾けながら仕事をしていたら、無音のときよりずっとはかどって、早く終えることができた。
お礼に、今日は俺がお茶を煎れるとしよう。九条の奏でる音楽ほどは上手くやれないかもしれないが。

知彦

2019/09/02

今日から六月か……!
いったい五月は何をしていたんだろうと思ってしまうくらい、この一ヶ月は早かった。
いや、年明けから今までが物凄く早く過ぎた気がする。
毎日が充実している証拠かもしれないけど、一年の半分近くが過ぎたと思うと、ちょっと焦るなあ。
大野木先生にそう言ったら、先生は真顔で「月日が早く過ぎるのは加齢現象の一つと聞いたことがあるな」と仰った。
焦る……!
思えば、学生時代の僕が「立派な大人」だと思っていた年齢に、もうなっているんだよなあ。実際は、全然大人じゃない。
子供でもないけれど、昔想像していたほど、人間って成長しないんだなあ。
いや、もしかしたら僕だけが成長していないのかもしれない。ああ、何だかとても焦る。

■このブログは

大野木甫
医師の大野木甫
九条夕焼
フラワーショップ店主の九条夕焼
大野木遥
甫の弟でコッペパン専門店店主の大野木遥
深谷知彦
甫の部下で理学療法士の深谷知彦

仕事人である彼らが、昼休みに綴ります。
だから平日12:00頃更新。土日祝日はお休みです(ときどき休日出勤あり…)。

それぞれの恋模様は『お医者さんにガーベラ』『お花屋さんに救急箱』をご覧ください。

Novel 椹野道流
Illustration 黒沢要

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