甫
2018/06/21
九条といつものように待ち合わせる。外はまだ明るい。
冬の間、六時過ぎといえば真っ暗だったのが嘘のようだ。
何となく夕食を摂るには早すぎるような気持ちになると、二人で待ち合わせ場所のカフェでコーヒーを飲みながら、そんな話をした。
そうこうしているうちに少しずつ薄暗くなってきて、カフェを出た。
この時期特有の湿った空気のせいで、何となくスパイシーなものが食べたくなって、夕食をインド料理にしようと意見が一致した。
九条が、いつかインドに行ってみたいと言い、俺があまり気が進まないと言い、何故か、インドにはザビエルの手のミイラがあるという話でやけに盛り上がった。
ずっと一緒にいても、こうして話題が尽きないことは不思議だし、嬉しいことでもある。
旨いカレーを食べながら、いつか海外旅行で行きたい国について話し合った。
いつになるかはわからないが、こういうことはあまり先延ばしにせず、思い立ったときに行くのがいいんだろうな。真剣に考えてみるとしよう。