甫
2017/05/27
深夜に肩を揺さぶって起こされた。
何ごとかと思ったら、むしろ俺がうなされていたらしい。九条がとても心配そうな顔をしていた。
そういえば、起こされる前、内容は思い出せないが、あまりよくない夢を見ていた気がする。
すぐに寝直せそうにないなと思っていたら、九条が「週末ならではの、深夜のお茶会をしましょうか」と言ってくれた。
どうしていつも、俺の気持ちがたちどころにわかってしまうんだろう……と感動していたら、妖しい笑顔で「それとも、厄払いに景気よく一戦交えましょうか。僕としては、そちらが希望ですが」と囁かれてしまった。
こういう場合、俺には選択肢がないような気がする、というか、九条のそういう笑顔を見ると、何となくスイッチが切り替わったように、その気になってしまうから不思議だ……。