甫
2017/07/22
所用で出ていて、帰ったら、家の中に九条の姿が見えない。
出掛けるとは聞いていなかったが……と思いつつ、ふと屋上に上がってみたら、案の定、そこにいた。
庭の手入れをゆるゆるとやっていたそうだ。
「あまりにも暑いので、ちょっと休憩してこんなことをしていました」と、椅子に座った状態で裸足を上げてみせるので何かと思ったら、大きなバケツに両足を突っ込んでいた。
中には、氷を浮かべた水がなみなみと入っている。
なるほど、いかにも涼しげだ。
早速、誘われるままに俺も同じようにやってみた。
子供の頃のプールを思い出す。暑いのは暑いが、実に爽快だ。
童心に返って二人で水を跳ね上げて遊んだりしていたら、二人して濡れ鼠になってしまった。どのみちシャワーを浴びなくてはならなかったから、よしとする。